企業の周年記念動画制作|歴史と未来をつなぐストーリーテリング
企業の周年記念動画制作|歴史と未来をつなぐストーリーテリング
KUREBA
節目を、未来への「資産」に変える。なぜ今、周年記念動画なのか?
企業の周年記念は、単なるカレンダー上の一日ではありません。それは、創業から今日までの軌跡を振り返り、組織が培ってきたDNAを再確認する貴重な機会です。しかし、その価値は過去を懐かしむだけに留まりません。むしろ、これまで支えてくれた従業員、顧客、パートナー企業、そして地域社会といった全てのステークホルダーへ感謝を伝え、未来へのビジョンを共有することで、組織全体のエンゲージメントを飛躍的に高める絶好の機会なのです。ゼロイン社の解説によれば、周年記念は日常のビジネス活動では難しい「過去を振り返る」「未来に目を向ける」「かしこまった挨拶」「未来への約束」ができる、絶好のコミュニケーション機会と位置づけられています。
現代のデジタル社会において、この特別な節目を最も効果的に、そして感動的に伝える手段が「動画」です。文字や写真だけでは伝えきれない企業の情熱、文化、そして人の温もりを、映像と音の力でリアルに描き出すことができます。Venture Videosの記事が指摘するように、動画は他のコンテンツ形式よりも本質的にエンゲージメントが高く、感動的なストーリーテリングを通じて視聴者の心に強い印象を刻み込みます。
本記事では、そんな特別な節目を、一度きりのイベントで終わらせるのではなく、心に残り、語り継がれる「映像資産」に変えるための周年記念動画制作について、その戦略的価値から企画の立て方、成功事例の分析、具体的な制作プロセス、そして完成した動画の戦略的な活用法までを網羅的に解説します。貴社の歴史と未来をつなぐ、唯一無二の物語を創造するための羅針盤として、ぜひご活用ください。
本記事で得られること
- 周年記念動画がもたらす具体的なメリット:インナー/アウターブランディングの強化、エンゲージメント向上による生産性への影響、採用競争力の向上など、動画がビジネスに与える多角的な価値を理解できます。
- 視聴者の心を動かすストーリーテリングの法則と企画術:単なる年表の映像化ではない、共感と感動を生む物語の設計方法を学べます。
- 目的別の動画構成パターンと、参考となる成功事例:自社の目的に最適な動画の型を見つけ、具体的な表現のヒントを得られます。
- 企画から納品、活用までの具体的なロードマップと費用感:動画制作の全体像を把握し、計画的なプロジェクト進行と予算策定が可能になります。
第1部【企画編】:共感と感動を生むストーリーの法則|成功する周年記念動画の設計図
周年記念動画の成否は、撮影機材の性能や編集技術の巧みさ以前に、その土台となる「企画」で9割が決まると言っても過言ではありません。誰に、何を伝え、視聴後の心にどのような感情の火を灯したいのか。この設計図が曖昧なままでは、どんなに美しい映像も空虚なものになってしまいます。Synthesiaのビデオスクリプト作成ガイドが『不思議の国のアリス』のチェシャ猫の言葉を引用しているように、「どこへ行きたいかわからないのなら、どの道を通っても同じこと」です。ここでは、動画の骨子となるストーリーを設計するための核心的なポイントを、段階的に解説します。
1. 成功の羅針盤:動画の「目的」と「ターゲット」を定める
制作プロセスの第一歩は、この動画を通じて何を達成したいのか、その「目的(ゴール)」を明確に定義することです。目的が具体的であるほど、動画のメッセージは鋭く、ターゲットの心に深く突き刺さります。GJCの解説でも、目的の明確化が最も重要であると強調されています。以下のリストを参考に、貴社にとって最も優先すべきゴールを一つ、あるいは複数定めましょう。
主な目的(ゴール)
- インナーブランディング強化: 企業の成長と成功の物語を共有することで、従業員のエンゲージメント、ロイヤリティ、そして組織としての一体感を向上させます。ある調査では、正当に評価されていると感じる従業員は、企業の成長を実感し、自身が価値ある存在だと感じる可能性が5倍高いというデータもあります。周年動画は、まさにこの「評価」と「価値の共有」を全社的に行う強力なツールです。エンゲージメントの高いチームは生産性が18%、利益率が23%向上するという報告もあり、インナーブランディングは直接的な業績向上に繋がります。
- アウターブランディング強化: 顧客や取引先に対し、長年の支援への感謝を伝えると共に、企業の信頼性や実績を視覚的にアピールします。企業の歴史や成長過程を映像にまとめることで、信頼性や実績を視覚的に訴求し、ブランドイメージを大きく向上させる効果が期待できます。これは、企業の理念や提供価値を明確に伝える絶好の機会となります。
- 採用ブランディング強化: 労働人口が減少する現代において、企業の未来を担う優秀な人材の獲得は最重要課題の一つです。周年記念動画は、求職者に対して企業の魅力、独自の文化、そして未来へのビジョンを感情的に伝えることができます。周年動画は「スクロールを止めるコンテンツ」であり、キャリアページなどで活用することで優秀な人材を引きつける磁石のように機能するとされています。
- IR・株主向け広報: 株主や投資家は、企業の安定性と将来性を常に注視しています。周年記念動画は、これまでの着実な成長の歴史と、未来に向けた明確なビジョンを示すことで、彼らの信頼を獲得し、長期的な投資を促すための説得力ある材料となります。
主なターゲット
目的を達成するために、誰にメッセージを届けるべきか、「ターゲット」を具体的に想定します。ゼロイン社の分析では、周年記念におけるステークホルダーは多岐にわたるとされています。ターゲットによって、伝えるべきメッセージのトーンや内容は大きく変わります。
- 従業員とその家族: 最も重要なターゲットの一つ。日々の業務への誇りを醸成し、家族の理解と応援を得ることで、ワークライフバランスとエンゲージメントを向上させます。
- 既存顧客、見込み顧客: 長年の愛顧への感謝を伝え、ブランドへの信頼と愛着を深めてもらいます。見込み顧客には、企業の安定性や信頼性をアピールします。
- 取引先、パートナー企業: 共に成長してきた歴史を共有し、未来に向けたパートナーシップをより強固なものにします。
- 株主、投資家: 企業の成長ストーリーと将来性を示し、継続的な支援を依頼します。
- 求職者、地域社会: 企業の文化や社会貢献活動を伝え、働く場としての魅力や、地域における存在価値を示します。
※上図は各種資料における言及頻度と重要度から推計した目的の比重です。
2. 想いを形にする:3つのストーリー構成パターン
目的とターゲットが定まったら、次はその想いを伝えるための最適な「ストーリーの型」を選びます。動画の構成は多種多様ですが、周年記念動画においては、大きく分けて3つの代表的なパターンが存在します。日本の動画制作情報サイトでも同様の分類がされており、それぞれの特徴を理解し、自社のメッセージに最も適した構成を選択することが成功への近道です。
構成パターン | 特徴 | 主な表現手法 | こんな企業におすすめ |
---|---|---|---|
A. 歴史ドキュメンタリー風 | 創業から現在までの歩みを時系列で描き、企業のDNAや文化、逆境を乗り越えた軌跡を伝えることで、信頼性と説得力を高めます。時系列を意識し「過去・現在・未来」の順で構成することの重要性が指摘されています。 | ・過去の資料映像、写真、製品 ・OB/OGや古参社員のインタビュー ・ナレーションによるストーリーテリング ・当時の社会背景を伝える演出(例:新聞、ニュース映像) |
・長い歴史や伝統を持つ企業(例:HUBER SE 150周年記念動画) ・技術の進化や事業の変遷を伝えたい企業 ・社員に自社への誇りを再認識させたい企業 |
B. 関係者インタビュー中心 | 従業員、顧客、取引先など、様々なステークホルダーの声を通して、企業の価値や存在意義を多角的に描き出します。「人」に焦点を当てることで、視聴者は感情移入しやすくなります。ブランドを文字通り「人間化」することが信頼構築に繋がるとされています。 | ・複数人へのインタビュー撮影(CEOから若手まで) ・働く風景や製品・サービスの利用シーン ・顧客からの感謝のメッセージ ・テロップによるコメント補足と人柄の紹介 |
・「人」や「チームワーク」を強みとする企業 ・顧客との強い絆やパートナーシップをアピールしたい企業 ・企業の透明性や誠実な姿勢を伝えたい企業 |
C. 未来ビジョン・コンセプトムービー | 過去の実績を土台としながらも、主眼は「未来」に置かれます。これからどのような社会を創造し、どう貢献していくのかという企業のパーパス(存在意義)をスタイリッシュに描きます。ムビサクの記事では、こうしたパーパスムービーが社員の方向性を統一する役割も持つと解説されています。 | ・コンセプトCG、3Dアニメーション ・経営陣による力強いメッセージ ・象徴的なイメージカットの連続 ・ドローン撮影によるダイナミックな映像 |
・革新的な技術やサービスを持つIT・テクノロジー企業(例:Deloitteの3Dアニメーション動画) ・業界の未来をリードする姿勢を示したい企業 ・採用活動で未来志向の優秀な人材を惹きつけたい企業 |
3. 視聴者の感情を揺さぶる:ストーリーテリングの演出テクニック
優れた動画は、単なる事実の羅列ではありません。ロジック(論理)で頭を納得させるだけでなく、エモーション(感情)で心を動かすことで、深く記憶に刻まれます。感情を引き出す物語の展開は、視聴者の心に深く刻まれる力を持っています。ここでは、視聴者の感情に訴えかけるための具体的な演出テクニックを解説します。
エモーショナルなアピール
- ノスタルジーと共感: 創業期の苦労話、色褪せた写真、懐かしい製品の映像などは、特に古参の社員や長年の顧客にとって強いノスタルジーを喚起します。ノスタルジアの活用は強力なブランドヘリテージマーケティングの手法です。若手社員にとっては、会社のルーツを知り、自分がその歴史の一部であるという意識を持つきっかけになります。
- 成功と感動の共有: 困難なプロジェクトを乗り越えた瞬間の映像、目標達成を喜ぶチームの姿、顧客から寄せられた感謝の手紙の朗読など、ポジティブなエピソードは視聴者に達成感と感動を共有させ、自社への誇りを醸成します。こうした物語は企業のイメージアップに直結します。
- 人間味の創出: 輝かしい成功談だけでなく、失敗から学んだ教訓や、製品開発の裏にある泥臭い努力の過程を正直に見せることも重要です。完璧ではない「人間らしさ」を垣間見せることで、企業への親近感が湧き、より強固な信頼関係が生まれます。社員総会動画であえてネガティブな過去や苦労したシーンを載せることも効果的な手法として挙げられています。
五感に訴える視覚・聴覚表現
- 音楽(BGM)の力: 音楽は映像の感情を支配する最も強力な要素の一つです。歴史の重みを表現したいなら壮大なオーケストラ、未来への希望を示すなら軽快でアップテンポな曲、感動的なシーンでは静かなピアノ曲など、シーンに合わせて選定します。音楽が特定の感情を喚起する上では非常に重要になります。
- ナレーションのトーン: ナレーターの声質や語り口も、動画の印象を大きく左右します。落ち着いたトーンは信頼感や安定感を、熱意のこもったトーンは情熱や未来への決意を伝えます。時には、プロのナレーターではなく、社長や社員自らが語りかけることで、より誠実さや想いが伝わることもあります。
- 映像美: 言葉以上に多くのことを物語るのが、映像そのものの力です。イメージは言葉を介さずに複雑な感情や物語を迅速に伝えることができます。ドローンを使った壮大な空撮、働く人々の真剣な眼差しを捉えたクローズアップ、製品のディテールを美しく見せるマクロ撮影など、視覚的な演出が視聴者の心を掴みます。
第2部【事例編】:表現のヒントが満載!目的別・周年記念動画の成功事例
企画の骨子が固まったら、次は具体的な表現方法のイメージを膨らませる段階です。ここでは、前章で定義した「目的」別に、どのような動画が効果的なのかを、世界中の成功事例を参考にしながら分析します。これらの事例は、貴社の動画制作における創造的なヒントの宝庫となるでしょう。Forge Apolloの事例紹介やWyzowlのベスト動画リストなど、多くの優れた事例がオンラインで公開されています。
1. インナーブランディング向け:社員の一体感を醸成する動画
インナーブランディングを目的とする動画の主役は、間違いなく「社員」です。日々の努力を称え、会社の未来を共に創る仲間としての意識を高めることがゴールとなります。主に社員総会やキックオフミーティング、アワード表彰式などで上映されることが多いです。
事例タイプ:社員総会オープニングムービー、アワード表彰映像
- ポイント1:貢献実感の創出自分の仕事がどのように社会の役に立っているのかを具体的に示すことが重要です。例えば、自社製品を利用している顧客からの感謝のビデオメッセージを挿入したり、製品が使われている現場の映像を見せたりすることで、社員は自らの仕事の意義を再認識できます。社員総会動画の事例解説では、社員へのメッセージ性が高い動画がモチベーション向上に繋がると指摘されています。
- ポイント2:全社的な一体感の醸成普段はなかなか光が当たらないバックオフィスの部署や、地方の支社で働く社員にもスポットライトを当てることが極めて重要です。様々な職種、年齢、役職の社員が登場し、それぞれの言葉で仕事への想いを語ることで、「会社は多様な個人の集合体であり、一人ひとりが不可欠な存在である」というメッセージが伝わります。これにより、部門間の壁を越えた一体感が生まれます。
- ポイント3:未来への期待感の最大化動画のクライマックスでは、経営陣から未来に向けた熱いメッセージを発信します。過去への感謝だけでなく、次の10年、20年に向けた挑戦的なビジョンを力強く語ることで、社員の士気は最高潮に達します。ムビサクの社員総会動画解説では、こうした動画がイベントを盛り上げるだけでなく、二次利用も可能である点が魅力として挙げられています。
<事例分析:HubSpot>
HubSpotの会社紹介動画は、インナーブランディングの優れた手本です。Venture Videosの分析によると、この動画は創業者の情熱的なインタビューと、活気あるオフィスのBロール映像、そして重要な統計データをアニメーショングラフィックで組み合わせることで、企業の理念(Helpful, not harassing)が全社に浸透している様子を効果的に伝えています。社員はこれを見ることで、自社が何を大切にしているのかを再確認し、誇りを持つことができます。
2. アウターブランディング向け:顧客や社会との絆を深める動画
アウターブランディングを目的とする動画は、企業の「顔」として、顧客、取引先、そして社会全体に対して、信頼と共感を育む役割を担います。ブランドの歴史や、社会貢献への姿勢を伝えることで、単なる製品・サービスの提供者ではない、良き企業市民としてのイメージを構築します。
事例タイプ:ブランドヒストリー動画、CSR活動報告動画
- ポイント1:信頼感を醸成する歴史の語り口企業の歴史を、単なる年表ではなく、その時代の社会の変遷と重ね合わせて物語として描くことが効果的です。例えば、「〇〇という社会課題を解決するために、この製品は生まれた」といった誕生秘話は、視聴者の共感を呼びます。創業者が移民であったという歴史的背景を現代の社会情勢と結びつけ、ブランドイメージを巧みに構築している例もあります。
- ポイント2:企業の姿勢を伝える社会貢献活動現代の消費者は、企業の利益追求だけでなく、その社会的責任(CSR)にも注目しています。VidWebのCSR動画解説によると、CSR活動を具体的に映像で見せることは、ステークホルダーとのエンゲージメントを高める効果的なツールです。環境問題への取り組み(例:富士フイルムのカーボンゼロ戦略)、地域社会への貢献(例:日本事務器の森づくり活動)、ダイバーシティの推進など、事業を通じた社会課題解決への姿勢を具体的に示すことで、企業の評価は大きく向上します。
- ポイント3:顧客との共創ストーリー長年製品を愛用してくれている顧客へのインタビューは、非常に強力なコンテンツです。製品やサービスが、人々の生活やビジネスにどのように寄り添い、価値を提供してきたのかを、顧客自身の言葉で語ってもらうことで、何よりも雄弁なブランドの証明となります。ヒューマンセントリックスの解説では、お客様事例のインタビュー動画は最高の営業ツールであり、様々な場面で活用できると述べられています。
3. 採用ブランディング向け:未来の仲間を惹きつける動画
採用市場における競争が激化する中、動画は求職者の心を掴み、入社意欲を高めるためのキラーコンテンツとなり得ます。給与や待遇といった条件面だけでなく、その企業で働くことの「意味」や「面白さ」を伝えることが重要です。
事例タイプ:コンセプトムービー、社員インタビュー動画
- ポイント1:共感を呼ぶ「パーパス」の提示現代の特に若い世代は、「何のために働くのか」という企業の存在意義(パーパス)を重視する傾向にあります。Nokidのブランディング動画解説でも、ブランドメッセージを明確にすることが重要だとされています。自社がどのような社会課題を解決し、どのような未来を目指しているのかを明確に打ち出すことで、同じ価値観を持つ優秀な人材を惹きつけることができます。
- ポイント2:リアルな職場環境と成長機会の可視化若手社員からベテラン社員まで、様々な立場の社員が生き生きと働く姿や、彼らがどのようにスキルアップし、キャリアを築いているのかをリアルに見せることが大切です。インタビューでは、仕事のやりがいだけでなく、困難をどう乗り越えたかといった具体的なエピソードを語ってもらうことで、視聴者は入社後の自分をイメージしやすくなります。不動産業界の採用動画のポイントとして、良い点だけでなく仕事の厳しさや泥臭さを伝えることもミスマッチを防ぐ上で重要だとされています。
- ポイント3:未来を感じさせる革新的な表現特にIT企業やスタートアップでは、未来のビジョンや事業の面白さを直感的に、かつ魅力的に伝える表現が効果的です。CrevoのIT業界動画解説によると、複雑な技術やサービスもアニメーションやインフォグラフィックを使えば直感的に理解してもらえます。CGやアニメーションを駆使して、まだ世にないサービスが実現した未来を描いたり、データの流れを可視化したりすることで、求職者の知的好奇心を刺激し、「この会社で新しい価値を創造したい」という想いを掻き立てます。
第3部【実践編】:企画から活用まで完全ガイド|周年記念動画制作のロードマップ
素晴らしいアイデアと感動的なストーリーが固まったら、いよいよそれを形にする制作フェーズへと移行します。ここでは、コンセプトを具体的な映像作品へと昇華させるための、現実的なロードマップを提示します。制作の段取り、予算感、そして完成した動画の価値を最大化するための活用戦略まで、実践的な知識を網羅的に解説します。
1. 制作プロセスと標準的なスケジュール
動画制作は、多くの工程が連携して進むプロジェクトです。段取りが命であり、計画的な進行がクオリティと納期を守る鍵となります。ムビサクの記事やPlustの解説でも同様のフローが紹介されており、一般的な制作プロセスと期間の目安を理解しておくことが重要です。
- STEP1:ヒアリング・企画構成(1〜2週間)プロジェクトの出発点です。私たち制作会社が、お客様の企業文化、歴史、そして動画に込める想いや達成したい目的、ご予算などを徹底的にヒアリングします。この対話を通じて、動画の全体的な方向性、トーン&マナー、そして核となるメッセージを明確にし、構成案としてご提案します。
- STEP2:シナリオ・絵コンテ作成(1〜2週間)合意した企画構成案を基に、より具体的な設計図を作成します。ナレーションの全文、インタビューで聞くべき質問項目、各シーンの映像の流れなどを詳細に記述した「シナリオ」と、それを視覚的に表現した「絵コンテ(または字コンテ)」を作成します。これにより、完成イメージの解像度を高め、お客様と制作側での認識のズレを防ぎます。
- STEP3:撮影準備・実施(2〜3週間)絵コンテに沿って、実際の撮影に入ります。インタビュー場所の選定(ロケーションハンティング)、出演者のスケジュール調整、機材の準備などを事前に行います。歴史を語る上で不可欠な過去の資料(古い写真、8mmフィルム、過去の製品など)の収集・デジタル化もこの段階で進めます。撮影当日は、インタビューや社内風景、製品ショットなどを効率よく、かつ丁寧に収録していきます。
- STEP4:編集・MA(2〜4週間)撮影した映像素材と収集した資料を、シナリオに沿って繋ぎ合わせていく「編集」作業です。テロップ(字幕)やインフォグラフィック、CGなどを挿入し、映像に情報を付加していきます。その後、BGMや効果音を選定・追加し、ナレーションを収録して映像と合わせる「MA(Multi Audio)」作業を行い、動画全体のクオリティを飛躍的に高めます。
- STEP5:試写・修正(1週間)編集とMAが完了した「初稿」をお客様にご確認いただきます。この試写を通じて、最終的なイメージのすり合わせを行います。修正点があれば具体的にフィードバックをいただき、それを反映して完成度を高めていきます。このコミュニケーションが、満足度の高い動画制作には不可欠です。
- STEP6:納品最終確認を経て、動画が完成します。ご希望のデータ形式(MP4, MOVなど)や、使用用途に合わせた最適なスペックで完成データを納品します。これにて、貴社だけの「映像資産」が誕生します。
※上記は一般的な目安であり、プロジェクトの規模や複雑さによって変動します。
2. ご予算に応じた料金プランと納品物の目安
動画制作の費用は、その内容、撮影規模、表現方法によって大きく変動します。海外の事例では1,000ドルから25,000ドル以上と幅広く、国内の制作会社Crevoの料金レンジでも50万円未満から300万円以上まで様々です。ここでは、ご予算とご要望に応じてどのような動画制作が可能か、目安となるプランをご提案します。
プラン名 | 料金目安(税別) | 動画尺の目安 | 主な内容 |
---|---|---|---|
ヒストリープラン | 30万円〜 | 3分〜5分 | ・構成パターンA(歴史) or B(インタビュー)中心 ・インタビュー撮影(〜3名程度) ・既存の写真/資料の活用をメインとした構成 ・ライセンスBGM選定、プロナレーターによる収録 |
スタンダードプラン | 80万円〜 | 5分〜10分 | ・全構成パターンに対応 ・専門スタッフによる企画・シナリオ作成 ・本格的な撮影(1〜2日、複数ロケーション可) ・モーショングラフィックス等の簡易アニメーション、ドローン空撮(1回) |
プレミアムプラン | 200万円〜 | 10分〜 | ・未来ビジョン・コンセプトムービーなど高度な企画 ・映画のようなシネマティックな映像表現 ・高度なCG・3Dアニメーション制作 ・オリジナル楽曲制作、著名人のキャスティング ・多言語対応(字幕/吹替) |
※上記はあくまで一般的な目安です。動画の内容や撮影規模、修正回数などによって費用は変動いたします。弊社ではお客様のご予算とご要望を丁寧にヒアリングし、最適なプランをオーダーメイドでご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
3. 一度きりで終わらせない!動画資産の戦略的活用術
多大な労力とコストをかけて制作した周年記念動画。その価値を最大化する鍵は、一度きりの利用で終わらせない「戦略的な活用」にあります。Crevoの記事では、周年記念動画は「長期的に活用できる貴重な資産」と表現されています。ここでは、完成した動画を多角的に活用するための具体的なアイデアを紹介します。
活用シーン(オンライン)
- 自社ウェブサイト: 最も基本的な活用法です。会社概要、沿革、採用情報ページ、あるいは特設の周年記念サイトに掲載し、訪問者に企業の魅力を伝えます。
- SNS/YouTube: 公式アカウントで継続的に発信します。特にYouTubeは動画資産を蓄積するプラットフォームとして最適です。また、Venture Videosが示唆するように、フルバージョンからハイライトシーンを切り出した15〜60秒のショート版を制作し、SNS広告として配信するのも非常に効果的です。
- メールマガジン: 既存顧客やパートナー企業へ、周年の挨拶と共に動画リンクを配信。感謝の気持ちをよりダイレクトに伝えます。
- オンライン商談: 商談の冒頭でアイスブレイクとして、あるいは企業紹介として数分間のダイジェスト版を見せることで、信頼関係の構築をスムーズにします。
活用シーン(オフライン)
- 周年記念式典・イベント: 動画活用のメインステージです。オープニングで期待感を高め、中盤で歴史を振り返り、クロージングで未来への決意を示すなど、イベントの各所で上映することで参加者の感動を最大化します。
- 展示会・セミナー: ブースの大型モニターで繰り返し放映し、来場者の足を止め、興味を引くためのアイキャッチとして活用します。
- 営業・採用活動: 営業担当者や採用担当者がタブレット端末に動画を入れ、訪問先で「動く会社案内」として活用。言葉だけでは伝わらない企業の雰囲気や情熱を伝えます。
- 社内研修: 新入社員研修や階層別研修で、企業の歴史や理念、パーパスを伝えるための教材として利用。組織への理解と帰属意識を深めます。
- オフィス・店舗: 受付や待合室のデジタルサイネージで放映。来訪者に対して、待ち時間を利用して自然な形で企業ブランディングを行います。
※上図は各種資料で言及される活用シーンの頻度と効果から重要度を分析したものです。
結論:貴社だけの物語を、未来へつなぐ映像に
企業の周年記念動画は、単なる記録映像ではありません。それは、過去から受け継いだバトンを、未来へとつなぐための強力なコミュニケーションツールです。創業者の想い、逆境を乗り越えた先人たちの知恵、社員一人ひとりの情熱、そして顧客や社会との間に築かれた信頼。これら目には見えない無形の価値を、ストーリーテリングの力で可視化し、関わる全ての人の心を動かすことで、組織の次なる成長を後押しする「生きた資産」となります。
歴史を振り返ることは、未来への羅針盤を得ることです。感謝を伝えることは、新たな絆を育むことです。ビジョンを共有することは、共通の目的地へ向かう推進力を得ることです。周年記念動画は、これら全てを可能にする、現代における最も効果的な投資の一つと言えるでしょう。
合同会社KUREBAは、静岡県三島市を拠点に、お客様一人ひとりの想いに寄り添うオーダーメイドの映像制作を得意としています。私たちの強みは、少数精鋭だからこそできる、お客様との密なコミュニケーションと、柔軟で小回りのきく対応力です。私たちはただ映像を作るだけではありません。貴社の歴史に深く耳を傾け、未来への想いを汲み取り、社員や顧客の心を動かす「忘れられない物語」を共創するパートナーでありたいと考えています。
貴社が歩んできた唯一無二の道のり。これから描いていく壮大な未来図。その全てを、感動的な映像として形に残しませんか。企画のご相談、お見積もりは無料です。貴社だけのストーリーを、私たちと一緒に語り継がれる映像資産へと昇華させましょう。