サッカートレーニングシューズ(トレシュー)とは?スパイクとの違い
サッカートレーニングシューズ、通称「トレシュー」は、その名の通り主にサッカーのトレーニング時に使用されるシューズです。試合で履く「スパイク」との最大の違いは、靴底(アウトソール)の構造にあります。
スパイクには長く鋭い「スタッド」が付いており、天然芝や柔らかい土のグラウンドで地面に突き刺さることで強力なグリップ力を発揮します。一方、トレシューは「TF(ターフ)」ソールと呼ばれる、短く無数のゴム製スタッドが配置されたフラットに近いソールが特徴です。これにより、足腰への負担を軽減しつつ、硬い土や人工芝、アスファルトといった様々なサーフェスで安定したプレーを可能にします。
練習用としてだけでなく、特に育成年代では試合用のシューズとしても広く使われています。怪我の予防とパフォーマンス維持の両面から、すべてのサッカープレイヤーにとって不可欠なアイテムと言えるでしょう。
後悔しない!サッカートレーニングシューズの選び方 5つのポイント
自分に合ったトレシューを選ぶことは、パフォーマンス向上と怪我防止に直結します。ここでは、最適な一足を見つけるための5つの重要なポイントを解説します。
ポイント1:プレーするグラウンドで選ぶ(ソールの種類)
トレシュー選びの第一歩は、主にプレーするグラウンド環境を把握することです。トレシューのソールは、基本的にTF(ターフ)ソールが採用されています。
- TF (Turf): 「ターフ」は芝を意味しますが、トレシューのTFソールは毛足の短い人工芝や硬い土のグラウンド、体育館周りのアスファルトなど、非常に幅広い環境に対応できるオールマイティなソールです。スタッドが低く数が多いため、地面からの突き上げ感を緩和し、足への負担を軽減します。練習用シューズとして最も一般的なタイプです。
- IC / IN (Indoor Court): 体育館や専用のフットサルコートなど、フラットな室内コートで使用します。ソールは飴色のゴムでできており、グリップ力は高いですが屋外での使用には向きません。
日々の練習が土のグラウンドや人工芝がメインであれば、迷わずTFソールのトレシューを選びましょう。
ポイント2:アッパー素材で選ぶ(フィット感と機能性)
アッパー(足の甲を覆う部分)の素材は、履き心地やボールタッチの感覚を大きく左右します。主に天然皮革と人工皮革の2種類に大別されます。
- 天然皮革(牛革など): 非常に柔らかく、履き込むほどに足の形に馴染むのが最大の特徴です。優れたフィット感と素足に近いボールタッチ感覚を提供します。一方で、水に弱く、手入れを怠ると硬くなったり型崩れしたりする可能性があります。YASUDAなどのブランドが牛革モデルを展開しています。
- 人工皮革(マイクロファイバー、合成皮革): 耐久性と耐水性に優れ、手入れが簡単なのが魅力です。天然皮革に近い柔らかさを持つ高級なマイクロファイバーから、価格を抑えた合成皮革まで種類は様々。革が伸びにくいため、購入時のフィット感が持続します。ミズノの「モナルシーダNEO III SELECT」など、多くのエントリーモデルで採用されています。
それぞれの素材の特性を理解し、自分の好みや手入れにかけられる時間などを考慮して選びましょう。
ポイント3:完璧なフィット感を求めて(正しいサイズ選び)
シューズの性能を最大限に引き出すには、正しいサイズ選びが不可欠です。以下の手順で慎重にフィッティングを行いましょう。
- 試着は夕方に、サッカーソックスを履いて: 足は夕方になると少しむくみます。プレー時と同じ厚手のソックスを履いて、最も足が大きい状態で試着するのがベストです。
- かかとを最優先: まずは紐を緩めた状態で足を入れ、かかとをシューズのヒールカップにしっかりと合わせます。専門家は「紐を結ばなくてもかかとが動かない位フィットするもの」が望ましいと指摘しています。かかとが浮くシューズは靴擦れやパワーロスの原因になります。
- つま先の余裕(捨て寸)を確認: かかとを合わせた状態で立ち上がり、つま先に5mm〜10mm程度の余裕があるか確認します。指が自由に軽く動く程度が理想です。きつすぎると爪を痛め、緩すぎると前滑りしてプレーに支障が出ます。
- 足幅と甲の圧迫感をチェック: 紐をしっかりと締め、足幅が過度に圧迫されていないか、甲が痛くないかを確認します。アウトソールから足がはみ出している場合は、幅が合っていません。アシックスの「DS LIGHT」シリーズのように、複数の足幅(ワイド、レギュラー、ナロー)を展開しているモデルも検討しましょう。
- 軽く動いて最終確認: 店内で許可を得て、軽く足踏みやジャンプ、切り返し動作をしてみましょう。体重がかかった時に痛みや違和感がないか最終チェックします。
ポイント:左右で足のサイズが違う場合は、大きい方の足に合わせて選び、小さい方はインソールや紐の締め方で調整するのが基本です。
ポイント4:プレースタイルに合わせた機能性で選ぶ
トレシューにも、プレースタイルをサポートする様々な機能が搭載されています。
- クッション性: 硬いグラウンドでのプレーが多い選手や、足への負担を軽減したい選手は、ミッドソールにEVA素材やアシックスの「fuzeGEL」のような衝撃吸収材が搭載されたモデルがおすすめです。
- 軽量性: スピードを武器にする選手は、軽量モデルを選ぶとパフォーマンス向上につながります。ミズノの「ミズノアルファ」シリーズなどは、スピードをコンセプトに設計されています。
- グリップ力: アジリティや俊敏な動きを重視するなら、アウトソールのグリップパターンに注目しましょう。全方向への動きをサポートするスタッド配置のモデルが有効です。
ポイント5:ジュニア・キッズ向けの選び方
子供の足は成長段階にあり、非常にデリケートです。大人以上に慎重なシューズ選びが求められます。
- 正しいサイズ選び: すぐに大きくなるからと大きすぎるサイズを選ぶのは禁物です。プレーの質の低下や怪我の原因になります。定期的にサイズを計測し、常に適正なサイズのシューズを選んであげましょう。
- 着脱のしやすさ: 小さい子供には、まだ自分で靴紐をうまく結べない場合も多いです。その場合は、マジックテープ(ベルクロ)式のモデルがおすすめです。成長に合わせて紐タイプに移行していくと良いでしょう。
- クッション性と安定性: 成長期の足を守るため、かかと周りのホールドがしっかりしていて、クッション性の高いモデルを選びましょう。アンブロの「アクセレイタ-JR WIDE」などは、ジュニアの足に配慮した設計がされています。
人気ブランドと主要モデルの特徴
サッカートレーニングシューズは、数多くのブランドから多様なモデルが発売されています。ここでは、特に人気の高い5大ブランドとその特徴を紹介します。どのブランドが自分の足やプレースタイルに合うか、見極める参考にしてください。
ミズノ(Mizuno):日本人の足を知り尽くしたフィット感
日本の総合スポーツメーカーであるミズノは、「日本人の足に合うシューズ」開発で絶大な信頼を得ています。特に幅広・甲高の足型にフィットするモデルが豊富です。
- モレリア (MORELIA) シリーズ: 「軽量・柔軟・素足感覚」をコンセプトにしたミズノの至宝。スパイクが有名ですが、そのフィロソフィーを受け継いだトレシュー「モレリア SALA」シリーズも展開。最高のフィット感を求める選手に。
- モナルシーダ (MONARCIDA) シリーズ: モレリアのコンセプトを踏襲しつつ、耐久性を高めた部活生向けの定番シリーズ。コストパフォーマンスに優れ、練習から試合まで幅広く対応します。トレシューモデルも非常に人気が高いです。
アシックス(Asics):多彩な足幅と安定性
ミズノと並び、日本のプレイヤーから厚い支持を受けるアシックス。最大の特徴は、足幅のサイズ展開が豊富な点です。レギュラー(2E相当)に加え、ワイド(3E相当)やナロー(E相当)のモデルも用意されており、多くの人がジャストフィットを見つけやすいです。
- DS LIGHT シリーズ: 「走りやすさ、疲れにくさ、履き心地」を追求したアシックスの定番モデル。かかと部に衝撃緩衝材「fuzeGEL」を搭載するなど、足への負担軽減に配慮。トレシュー版の「DS LIGHT CLUB TF」も人気です。
アディダス(Adidas):革新と伝統のボールコントロール
ドイツ発祥の世界的なスポーツブランド。常に最新テクノロジーを投入し、サッカー界をリードし続けています。
- プレデター (PREDATOR) シリーズ: ボールコントロールとキック精度を追求した象徴的なモデル。アッパーに配置されたラバーフィンが、ボールに強烈なスピンとグリップを与えます。トレシュー版もそのコンセプトを継承しています。
- コパ (COPA) シリーズ: 抜群のフィット感と素足感覚のボールタッチを重視したシリーズ。伝統的なレザーの良さを現代のテクノロジーで昇華させています。
- F50 / エックス (X) シリーズ: スピードを追求するプレイヤー向けの軽量モデル。爆発的な加速力をサポートします。
プーマ(Puma):創造性を刺激するフィットとデザイン
アディダスと同じくドイツで生まれたプーマは、独創的な機能とデザインで多くのファンを魅了しています。
- フューチャー (FUTURE) シリーズ: FUZIONFIT360テクノロジーによる、靴下のように足に吸い付くようなフィット感が特徴。テクニカルなプレーヤーの創造性を引き出します。
- ウルトラ (ULTRA) シリーズ: プーマ史上最軽量クラスのスピードモデル。軽量なアッパー素材と推進力を生むソールが、圧倒的な速さを実現します。
ナイキ(Nike):スピードと革新の最前線
アメリカ発のナイキは、常に革新的なテクノロジーと斬新なデザインで市場を席巻しています。世界のトッププレイヤーの足元を支えています。
- マーキュリアル (MERCURIAL) シリーズ: スピードをコンセプトにしたナイキのフラッグシップモデル。軽量性と反発性に優れた設計で、爆発的なスプリントを可能にします。
- ファントム (PHANTOM) シリーズ: 正確なボールコントロールと俊敏な動きを追求したモデル。粘着性のあるGripknit素材などが、あらゆる状況下で優れたボールタッチをサポートします。
【2026年最新】おすすめサッカートレーニングシューズ5選
数あるトレーニングシューズの中から、機能性、人気、コストパフォーマンスを考慮して厳選した5つのモデルを紹介します。Amazonの商品ページへのリンクも参考に、あなたにぴったりの一足を見つけてください。
1. ミズノ モナルシーダ NEO III SELECT AS
「軽量・柔軟・素足感覚」のモレリアコンセプトを受け継ぎながら、優れた耐久性を実現した部活生に絶大な人気を誇るモデル。幅広(3E相当)のワイドフィット設計で、多くの日本人の足に快適にフィットします。練習量の多いプレイヤーの最初の一足として、また日々のハードなトレーニングを支える相棒として最適です。
アッパー: 人工皮革
対応グラウンド: 土・人工芝
ワイズ: 3E相当
2. アシックス DS LIGHT CLUB TF
走りやすさを追求したアシックスの定番「DS LIGHT」のトレーニングモデル。かかと部分に衝撃緩衝材「fuzeGEL」を搭載し、硬いグラウンドでの足への負担を軽減します。耐久性に優れた人工皮革アッパーとワイド設計で、長時間の練習でも快適な履き心地をキープ。安定性と快適性を重視するプレイヤーにおすすめです。
アッパー: 人工皮革(合成皮革)
対応グラウンド: 土・人工芝
ワイズ: 3E相当
3. アディダス プレデター LEAGUE TF
正確なボールコントロールとパワフルなキックをコンセプトとする「プレデター」のテイクダウンモデル。アッパーに施された立体的なテクスチャーがボールグリップを高め、パスやシュートの精度向上をサポートします。デザイン性も高く、プレーの質だけでなくモチベーションも上げてくれる一足です。
アッパー: 合成皮革/合成繊維
対応グラウンド: 土・人工芝
ワイズ: –
4. プーマ フューチャー 7 プレイ TT
ネイマールJr.選手も着用する「フューチャー」シリーズのエントリーモデル。柔らかなアッパーが足にフィットし、ボールタッチゾーンのテクスチャーがドリブルやトラップをサポート。安定性と俊敏性を両立したアウトソールで、クリエイティブなプレーを支えます。ジュニア向けには着脱しやすいベルクロモデルも用意されています。
アッパー: 人工皮革
対応グラウンド: 土・人工芝
ワイズ: 2E相当
5. ミズノ モレリア SALA ELITE TF
「軽量・柔軟・素足感覚」を追求するモレリアシリーズの魂を宿した、屋外・人工芝用フットサルシューズ。前足部にはウォッシャブルカンガルーレザーに匹敵する柔らかさを持つ人工皮革を採用し、極上のフィット感と繊細なボールタッチを実現。L字スタッドが優れたグリップを発揮します。価格は高めですが、最高のパフォーマンスを求める選手に。
アッパー: 人工皮革、天然皮革
対応グラウンド: 人工芝
ワイズ: 2E相当
よくある質問(Q&A)
- Q. スパイクとトレーニングシューズは、どう使い分けるべきですか?
- A. グラウンドの種類によって使い分けるのがベストです。天然芝やぬかるんだ土のグラウンドではスパイク、硬い土や人工芝、移動時などはトレーニングシューズを使用することで、パフォーマンス向上、怪我の予防、そしてシューズ自体の長持ちに繋がります。特に育成年代の選手は、足への負担が少ないトレシューでの練習時間を長くすることが推奨されます。
- Q. オンラインでシューズを買うときの注意点は?
- A. 理想は店舗での試着ですが、オンラインで購入する場合は、返品・交換ポリシーを必ず確認しましょう。同じブランドの同じサイズのモデルを履いた経験があれば失敗は少なくなりますが、モデルチェンジでフィット感が変わることもあります。レビューを参考にしつつ、可能であれば複数サイズを取り寄せて自宅で試着できるサービスを利用するのも一つの手です。
- Q. シューズの手入れ方法を教えてください。
- A. 使用後はまずブラシで泥や汚れを落とします。人工皮革は水拭きが可能ですが、天然皮革は固く絞った布で優しく拭き、専用のクリームで保湿することが長持ちの秘訣です。洗い終わったら、風通しの良い日陰でしっかりと乾かしましょう。直射日光やドライヤーは素材を傷める原因になるので避けてください。
まとめ:最高のパフォーマンスは最適な一足から
サッカートレーニングシューズは、日々の練習の質を高め、プレイヤーの成長を支える重要なパートナーです。スパイクとは異なる役割を持ち、特に足への負担が大きい硬いグラウンドや人工芝でのプレーには欠かせません。
この記事で紹介した「グラウンド」「素材」「フィット感」「機能性」「年代」という5つの選び方のポイントを参考に、自分の足にぴったりと合い、プレースタイルを最大限に引き出してくれる一足を見つけてください。正しいシューズ選びが、あなたのサッカーライフをより安全で、より楽しいものにしてくれるはずです。



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