【就労継続支援B型事業所様へ】平均工賃1.7万円の壁を越える。KUREBAが提案する「高付加価値IT業務」という新しい選択肢

なぜ今、B型事業所に「IT業務」という選択肢が必要なのか?

日々、障害のある方々の就労支援にご尽力されている事業所の皆様、誠にありがとうございます。合同会社KUREBAの河合と申します。私たちは静岡県三島市を拠点に、ITの力で地域企業や社会課題の解決を支援する会社です。

さて、多くの就労継続支援B型事業所様が直面されている共通の課題、それは「工賃の向上」ではないでしょうか。厚生労働省の調査によれば、令和4年度(2022年度)のB型事業所における平均工賃月額は17,031円でした。この数字は、前年度からわずかに上昇しているものの、利用者の皆様が経済的な自立を目指すには、依然として厳しい現実を示しています。

この「工賃の壁」の背景には、構造的な問題が存在します。伝統的に多くの事業所が担ってきた部品の組み立てや封入作業といった「軽作業」は、残念ながら単価が低く、収益性を高めるには限界があります。また、毎日同じ作業の繰り返しは、利用者の皆様の働く意欲やモチベーションを維持することを難しくし、将来の一般就労につながるような新しいスキルを習得する機会を奪ってしまっているかもしれません。

「工賃を上げたいが、単価の良い仕事が見つからない」
「利用者のスキルアップにつながる、やりがいのある仕事を提供したい」
「パソコンを使った仕事を希望する利用者が増えてきたが、応えられていない」

もし、このようなお悩みを一つでも抱えていらっしゃるのであれば、本記事は必ずお役に立てると確信しております。私たちは、B型事業所の「安定した経営基盤の確立」と、利用者の皆様の「未来の可能性を広げる」という二つの重要な目標を同時に達成するための、具体的かつ実践的な解決策として、「高付加価値IT業務の受託」という新しい選択肢を提案いたします。この記事が、皆様の事業所にとって、閉塞感を打破し、新たな成長への一歩を踏み出すための羅針盤となることを心より願っております。

B型事業所が抱える3つの構造的課題と「IT業務」がもたらす解決の糸口

B型事業所が直面する課題は、単なる日々の運営上の問題ではなく、制度や市場環境に根差した構造的なものです。ここでは、特に深刻な3つの課題を整理し、なぜ「IT業務」がこれらの課題に対する有効な解決策となり得るのか、その論理的な繋がりを明らかにします。

課題1:深刻な「低工賃」問題

最大の課題は、前述した「低工賃」です。利用者の経済的自立を阻む最大の要因であり、事業所の持続可能性にも直結します。2024年度からは工賃向上計画の策定が義務付けられましたが、計画を実現するための収益性の高い仕事の確保は依然として困難です。軽作業の単価は市場原理によって決定されるため、事業所の努力だけでは限界があります。

【解決の方向性】
ここでIT業務が活路を開きます。現代のあらゆる企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、データ入力、ウェブサイトの管理、コンテンツ作成補助といった業務は、外部委託(アウトソーシング)の需要が安定して存在します。これらの業務は、単純な手作業に比べて専門性が求められるため、比較的高単価での受注が可能です。例えば、愛知県のある事業所では、IT企業と連携し、サーバ監視業務などを請け負うことで時給1,000円という高工賃を実現した事例も報告されています。これは、従来の軽作業では到底達成し得ない水準であり、IT業務が持つポテンシャルの高さを物語っています。

課題2:作業のマンネリ化と利用者の「スキル停滞」

毎日同じ作業を繰り返すことは、安定した生産活動には繋がる一方で、利用者の成長機会を制限してしまうという側面があります。特に、将来的に一般就労を目指す利用者にとって、軽作業で得られるスキルセットは限定的です。モチベーションの低下は、通所率の低下にも繋がりかねず、事業所運営の不安定要因となります。

【解決の方向性】
IT業務は、この「スキル停滞」を打破する絶好の機会を提供します。データ入力業務は正確性や集中力、タイピングスキルを養います。ウェブサイトの更新業務は、IT業界の仕組みへの理解を深め、責任感を育みます。これらの業務は、実践的なPCスキルやビジネスマナー(報告・連絡・相談など)を自然な形で習得できるカリキュラムそのものです。スキルが向上していく実感は、利用者の自己肯定感を高め、働くことへの前向きな姿勢を育みます。さらに、ITスキルは汎用性が高く、将来のキャリアの選択肢を大きく広げることに直結します。

課題3:多様化する利用者ニーズへの「ミスマッチ」

近年、B型事業所の利用者層は変化しています。特に精神障害のある方の利用が増加しており、体力的な負担が少ない作業を求める声が高まっています。また、デジタルネイティブ世代の若者を中心に、パソコンを使った仕事への関心も高まっています。しかし、多くの事業所では、提供できる仕事が従来の軽作業に限られており、こうした新しいニーズとの間に「ミスマッチ」が生じています。

【解決の方向性】
IT業務の導入は、このミスマッチを解消し、事業所の魅力を飛躍的に高める戦略となり得ます。PC業務を提供できる事業所はまだ少数派であり、「ITスキルが身につく」という明確な特色は、利用者獲得競争において強力な差別化要因となります。体力に不安がある方でも自分のペースで取り組めるPC作業は、より多くの利用者に門戸を開くことを可能にします。結果として、事業所は多様なニーズに応えることができるようになり、安定的で質の高い支援体制の構築に繋がるのです。

このセクションの要点

【本稿の核心】KUREBAが提案する「高付加価値IT業務」という新しい事業モデル

IT業務の導入が、B型事業所の課題解決に有効であることはご理解いただけたかと思います。しかし、私たちの提案は、単に「軽作業をIT作業に置き換える」という単純なものではありません。私たちが提案するのは、事業所の運営を安定させ、利用者の成長を継続的に支援する、持続可能な「新しい事業モデル」そのものです。このセクションでは、その核心部分を詳細に解説します。

なぜIT業務はB型事業所の特性に適合するのか

IT業務は、一見すると専門性が高く、B型事業所での導入は難しいと感じられるかもしれません。しかし、その特性を深く理解すると、むしろB型事業所の柔軟な支援体制と非常に親和性が高いことがわかります。

KUREBAが描く「ステップアップ型」IT業務モデル

私たちは、すべての利用者に画一的な業務を押し付けることはしません。一人ひとりのスキルレベルや興味、目標に合わせて段階的に挑戦できる「ステップアップ型」のキャリアパスを設計しています。これにより、利用者は「できる」という成功体験を着実に積み重ねながら、自信を持って次のステージへ進むことができます。

このモデルは、利用者が自身の成長を実感しながら、無理なくスキルを向上させていくことを目的としています。各ステップは、前のステップで得た知識を土台にしており、自然な形でより高度な業務へと移行できるよう設計されています。

  1. ステップ1(基礎):PC初心者でも始められる「データ入力・デジタル化業務」
    まずは、PC操作に慣れることから始めます。手書きのアンケートや名刺、紙の伝票などをExcelやスプレッドシートに入力する作業です。このステップでは、正確なタイピングスキルと、コツコツと作業をやり遂げる集中力を養います。特別な知識は不要で、「PCに触るのが初めて」という方でも安心してスタートできます。
  2. ステップ2(応用):少し慣れてきた方向けの「ウェブサイト監視・簡易更新業務」
    PC操作に慣れてきたら、次のステップに進みます。企業のウェブサイトを定期的にチェックし、誤字脱字やリンク切れがないかを確認・報告する業務です。また、マニュアルに沿って、簡単なニュース記事の投稿や画像の差し替えなども行います。このステップでは、注意力や責任感、そして「報告・連絡・相談」といったビジネスの基本スキルを育みます。
  3. ステップ3(発展):さらなるスキルアップを目指す「コンテンツ作成補助業務」
    より専門的なスキルを身につけたい意欲のある方向けのステップです。ブログ記事の元となる文章の作成(ライティング補助)、簡単な画像の加工やバナー作成、SNSの投稿文作成など、創造性が求められる業務に挑戦します。このステップでは、Webマーケティングの基礎知識やデザインスキルなど、より市場価値の高い専門性を高めることを目指します。

事業所へのメリット:職員の負担を増やさずに、新たな収益の柱を構築

新しい事業を導入する際、最も懸念されるのが「職員の業務負担増加」です。KUREBAのモデルは、この点を最大限に考慮して設計されています。

【導入事例】明日から始められる!KUREBAのIT受託案件モデル詳細

「理論は分かったが、具体的にどのような仕事をするのかイメージが湧かない」。そうお感じの事業所様のために、ここでは私たちが提供する案件モデルを、具体的な作業フローやメリット、報酬体系と共にご紹介します。これらのモデルはあくまで一例であり、貴事業所の状況に合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。

案件モデル1:データ入力・デジタル化業務

案件概要:企業のペーパーレス化を支援する、最も基礎的で需要の多い業務です。紙媒体で保管されている顧客アンケート、セミナー参加者名簿、手書きの売上伝票、名刺などの情報を、指定されたデジタルフォーマット(Excel、Googleスプレッドシート等)へ正確に入力します。また、会議やインタビューの音声データを文字に起こす「文字起こし」業務も含まれます。

具体的な作業フロー

  1. 【受領】弊社から、スキャンされた画像データや音声ファイルが、セキュリティの確保されたクラウドストレージ経由で提供されます。
  2. 【入力】利用者は、提供されたデータを見ながら、指定のフォーマットに従って情報を入力します。タイピングの速度よりも、正確性が重視されます。
  3. 【確認】入力が完了したら、別の利用者が入力内容と元のデータを照合し、誤りがないかダブルチェックを行います。この相互確認プロセスが品質を担保します。
  4. 【納品】チェックが完了した完成データを、事業所の担当職員様が弊社に報告・納品します。

導入によるメリット

報酬・単価モデル(例)

料金体系は、成果報酬型で非常に明瞭です。これにより、作業量と工賃が直結し、利用者のモチベーション向上にも繋がります。

※単価は情報の機密性、専門性、納期によって変動します。

案件モデル2:ウェブサイト監視・簡易更新業務

案件概要:企業の「Web上の顔」であるウェブサイトの品質を維持するための重要な業務です。定期的にクライアント企業のサイトを巡回し、「リンクが切れていないか」「表示が崩れていないか」「誤字脱字はないか」などをチェックリストに基づいて確認します。また、事前に用意された文章や画像を使って、ニュースリリースの更新や、簡単な画像の差し替えなど、テンプレートに沿った簡易的な更新作業も行います。

具体的な作業フロー

  1. 【巡回】KUREBAが提供する専用のチェックリスト(例:トップページの主要リンクは全て機能するか、お問い合わせフォームは正常に送信できるか等)に基づき、担当サイトをブラウザで巡回します。
  2. 【発見・報告】誤字脱字やリンク切れなどの不具合を発見した場合、該当箇所のスクリーンショットを撮り、問題点と発見日時を所定の報告シート(スプレッドシート等)に記入します。
  3. 【更新作業(指示あり)】弊社担当者から「この文章をニュース欄に掲載してください」といった明確な指示があった場合、マニュアルに従ってCMS(WordPressなど、ブログのような管理画面)にログインし、テキストのコピー&ペーストや画像のアップロードといった簡単な操作で更新作業を行います。
  4. 【完了報告】作業が完了したら、更新したページのURLなどを担当職員様が弊社に報告します。

導入によるメリット

報酬・単価モデル(例)

継続的な関係性が求められるため、月額固定型の報酬体系が中心となります。

※サイトの規模や更新頻度によって変動します。

共通サポート体制:安心してご導入いただくために

私たちは、案件を「丸投げ」するようなことは決してありません。事業所の皆様が安心して新しい挑戦を始められるよう、導入前から導入後まで、一貫した手厚いサポート体制を整えています。

KUREBAの伴走型サポート

なぜKUREBAなのか? 障害福祉への深い理解とITの専門性を両立

IT業務をアウトソーシングする企業は数多く存在します。しかし、その中でなぜ私たちが、B型事業所様にとって最高のパートナーとなり得ると自負しているのか。その理由は、私たちが「障害福祉への深い理解」「IT企業としての専門性」という、通常は交わることのない二つの領域を両立させている点にあります。

障害福祉分野へのコミットメント

私たちの強みは、単なるIT企業ではない、という点です。弊社代表の河合は、前職で障害福祉サービス事業所に勤務した経験があり、現場の喜びも厳しさも肌で感じてきました。その経験から、「ITの力で、障害福祉業界が抱える課題を解決したい」という強い想いを抱いています。

この想いは、具体的な行動にも表れています。例えば、過去には「就労継続支援A型事業所様にてIT講座を実施」させていただき、利用者の方々がWebスキルを習得するお手伝いをしてきました。私たちは、B型事業所様を単なる業務委託先としてではなく、利用者の皆様の成長と自立という共通の目標に向かって共に歩む「パートナー」であると考えています。この理念の共有こそが、他のIT企業にはない、私たちの最大の価値です。

IT企業としての専門性と柔軟性

理念だけでは、事業は成り立ちません。私たちは、ホームページ制作やシステム開発を主軸とするITのプロフェッショナル集団です。その確かな技術力があるからこそ、複雑な企業の業務の中から、障害のある方でも取り組みやすいタスクを的確に切り出し、誰にでも分かるようにマニュアル化することが可能です。

また、私たちは「少数精鋭」の組織です。大手企業のように画一的なサービスパッケージを押し付けるのではなく、各事業所の利用者の特性や職員の方々のスキル、そして事業所が目指す将来像に合わせて、オーダーメイドの業務提案を行うことができます。この小回りの利く柔軟性こそが、きめ細やかなサポートを可能にし、導入後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぎます。

地域社会への貢献(静岡県東部・三島市)

私たちは、静岡県三島市に根を下ろす地域密着型の企業です。私たちの事業の根底には、地元の企業を元気にし、地域の福祉に貢献したいという強い想いがあります。特に静岡県東部の事業所様に対しては、物理的な距離の近さを活かし、より緊密な連携が可能です。顔の見える関係性の中で、何かあればすぐに駆け付けられる安心感を提供し、共に地域の課題解決に取り組んでいきたいと考えています。もちろん、私たちのサービスはオンラインで完結するため、全国どの地域の事業所様からでもご相談いただけます。

まとめ:利用者の可能性を拓き、事業所の未来を創る。ITの力で、共に新しい一歩を。

本記事を通じて、就労継続支援B型事業所における「高付加価値IT業務」の導入が、もはや単なる選択肢の一つではなく、未来を切り拓くための必然的な一手であることをお伝えしてきました。

IT業務の導入は、平均工賃1.7万円という「壁」を打ち破る直接的な手段であると同時に、それ以上の価値をもたらします。それは、利用者の皆様がデジタル社会で生きるために不可欠なスキルと自信を育み、一般就労という新たな道、あるいは生涯にわたる学びの喜びを発見する「未来への投資」です。そして、それは事業所自体の魅力を高め、多様なニーズに応えることで他事業所との差別化を図り、安定した経営基盤を築くための「持続可能な成長戦略」でもあります。

従来の軽作業の枠を超え、利用者の新たな可能性を引き出したい。
安定した収益源を確保し、職員が安心して支援に集中できる環境を作りたい。
「ITに強い」という特色を掲げ、地域で選ばれる事業所になりたい。

もし、そうお考えであれば、ぜひ私たちKUREBAにお声がけください。新しい挑戦には不安がつきものですが、私たちが障害福祉とITの両面から、皆様の挑戦を全力でサポートします。

まずは、貴事業所が抱える課題や、理想の姿についてお聞かせください。 私たちは、お話を伺うことから始めたいと考えています。

次の一歩へ:お気軽にご相談ください

具体的な導入にご興味をお持ちの方、まずは情報収集から始めたい方、どのような段階でも歓迎いたします。以下の方法で、お気軽にご連絡ください。

この記事が、貴事業所と利用者様にとって、より良い未来を築くきっかけとなれば幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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