第二新卒から経理へ!未経験でも成功する転職完全ガイド【2025年最新版】

「専門性が高そう」「未経験では難しそう」——経理職に対して、そんなイメージを抱いていませんか?しかし現在、多くの企業が若手人材の獲得に力を入れており、第二新卒にとって経理職への扉は大きく開かれています。慢性的な人材不足と企業の育成意欲の高まりが、未経験からのキャリアチェンジを後押ししているのです。

本記事では、2025年の最新の市場動向を踏まえ、第二新卒者が未経験から経理職への転職を成功させるための具体的な戦略を徹底解説します。求められるスキルからキャリアパス、効果的な転職活動の進め方まで、あなたの挑戦を成功に導くための情報を網羅的にお届けします。

なぜ今、第二新卒の経理職が注目されるのか?転職市場のリアル

現在の転職市場において、第二新卒の経理職への需要はかつてないほど高まっています。その背景には、経験者採用の難化と、企業の若手育成へのシフトという2つの大きな潮流があります。このセクションでは、データと共に経理転職市場の「今」を解き明かします。

売り手市場が続く経理の転職マーケット

2024年以降の経理・財務の転職市場は、求人数が転職希望者数を上回る「売り手市場」が継続しています。転職サービスdodaのレポートによると、2023年後半から2024年初頭にかけて求人数は増加傾向にあり、企業の採用意欲は依然として高い水準です。特に、MS-Japanの調査では、求人倍率は1倍を超え、経験者ニーズが根強いことが示されています。

しかし、これは未経験者にチャンスがないという意味ではありません。むしろ、即戦力となる経験者の採用が難しくなっているからこそ、企業はポテンシャルを秘めた若手、つまり第二新卒の採用へと視野を広げているのです。特に「2040年問題」に代表される将来の労働力不足を見据え、若手人材を育成しようとする動きが活発化しています。

dodaのデータを見ると、転職希望者の職種は「経理(財務会計)」が64%と大半を占めています。これは、日々の取引を記録し、決算書を作成する基幹業務への関心が高いことを示しています。一方で、出身業界は「メーカー」が28%と最も多く、次いで「建築・不動産」が10%と続きます。このことから、多様な業界から経理職を目指す人材が集まっていることがわかります。

また、会計事務所や監査法人出身者が事業会社の経理を目指すケースも増えており、専門性を活かしたキャリアチェンジが活発になっていることも市場の特徴です。このような経験者層と競合する一方で、第二新卒には彼らにはない独自の強みがあります。

企業が第二新卒に期待する「ポテンシャル」とは

企業が経験豊富な中途採用者ではなく、あえて第二新卒を採用する理由はどこにあるのでしょうか。それは、スキルや経験以上に「ポテンシャル」を重視しているからです。

採用担当者が第二新卒を選ぶ際に重視しているのは、ポテンシャルや柔軟性、そして将来的な成長可能性です。未経験であっても、「なぜ経理職に挑戦したいのか」という明確な理由や熱意が伝われば、大きなアピールポイントになります。

具体的に、企業が第二新卒に期待するポテンシャルは以下の3点に集約されます。

  1. 若さと柔軟性:社会人経験が浅い分、特定の企業文化に染まっておらず、新しい知識や業務プロセスを素直に吸収できる柔軟性が高く評価されます。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む経理部門では、新しいシステムへの対応力は大きな武器となります。
  2. 基本的なビジネススキル:新卒と異なり、電話応対やメール作成、ビジネスマナーといった社会人としての基礎が身についています。これにより、企業は教育コストを抑え、よりスムーズに実務への導入が可能になります。
  3. 長期的な貢献への期待:若手人材を自社で育成し、将来の管理職や専門職として長く活躍してもらうことを期待しています。厚生労働省の調査では、大卒者の約3.5割が3年以内に離職するというデータがありますが、企業は第二新卒の転職理由を理解した上で、自社への定着と成長を望んでいます。

これらの期待に応えることが、第二新卒が未経験から経理職への転職を成功させるための第一歩となります。

転職成功の鍵を握る!第二新卒が準備すべき3つの必須スキル

未経験からの挑戦では、熱意やポテンシャルを示すことが重要ですが、それだけでは不十分です。採用担当者に「この人材なら育成する価値がある」と確信させるためには、具体的なスキルや知識の裏付けが不可欠です。ここでは、転職活動を有利に進めるために習得すべき3つのスキルを解説します。

パスポートとなる資格:日商簿記2級の圧倒的重要性

第二新卒が経理職を目指す上で、日商簿記2級は「持っていると有利」な資格ではなく、「持っていることが前提」となりつつある必須のパスポートです。多くの企業が、未経験者採用の応募条件として日商簿記2級を明記しています。

この資格が重要視される理由は、単なる知識の証明に留まりません。

  • 体系的な知識の証明:商業簿記・工業簿記の知識を通じて、企業の経済活動を財務諸表に落とし込む一連の流れを理解していることを客観的に示せます。
  • 学習意欲のアピール:実務経験がない分、自ら時間と労力をかけて専門知識を学んだという主体的な姿勢は、採用担当者に高く評価されます。
  • 実務へのスムーズな移行:仕訳や勘定科目といった基礎知識があることで、入社後のOJT(On-the-Job Training)が円滑に進み、早期の戦力化が期待できます。

ただし、企業が最終的に重視するのは「資格+実務力」です。資格取得はあくまでスタートラインであり、その知識を実務でどう活かしていきたいかを語れることが重要です。

実務で差がつくPCスキル:Excelと会計ソフト

経理業務は、その大半がPC作業で完結します。特にExcelスキルは、業務効率を大きく左右するため、採用時にチェックされる重要なポイントです。

最低限、SUMやAVERAGEといった基本的な関数は必須ですが、さらに評価を高めるためには以下のスキルを習得しておくと良いでしょう。

  • VLOOKUP / XLOOKUP関数:複数の表から関連データを抽出する際に必須の関数です。
  • ピボットテーブル:大量のデータを集計・分析し、レポートを作成する際に極めて強力なツールです。
  • IF関数:条件に応じて処理を分岐させる際に使用し、業務の自動化に繋がります。

また、弥生会計やfreee、勘定奉行といった会計ソフトの使用経験があれば、大きなアピールポイントになります。経験がなくても、これらのソフトがどのような機能を持つのかを事前に調べておくだけで、面接での受け答えに深みが増します。

異業種の経験を強みに変える「ポータブルスキル」

「経理とは無関係の仕事だったから、アピールできる経験がない」と考えるのは早計です。前職で培った経験は、見方を変えれば経理業務に活かせる「ポータブルスキル」となります。

例えば、営業職から経理に転職した場合、営業時代に学んだ顧客対応やコミュニケーションスキルは、取引先や社内関係者とのやり取りにおいて武器になります。異業種からの転職を成功させる鍵は、自分の過去の経験がどのように経理職に活きるのかを明確に示すことです。
コトラ

具体的には、以下のようなスキルが評価されます。

  • コミュニケーション能力:経理は他部署(営業、購買など)や取引先、税理士など、多くの人と連携する仕事です。円滑なコミュニケーションは業務効率化に直結します。
  • 正確性と注意力:前職でデータ入力や契約書管理など、正確性が求められる業務を担当した経験は、1円のミスも許されない経理業務への適性を示す好材料です。
  • 課題解決能力:業務フローの改善提案や、トラブル対応の経験は、単なる作業者ではなく、主体的に業務に取り組む姿勢として評価されます。

これらのスキルを、具体的なエピソードを交えて自己PRに盛り込むことで、他の未経験者との差別化を図ることができます。

未経験からプロフェッショナルへ:経理のキャリアパスと将来性

経理職は、一度スキルを身につければ、どんな業界・企業でも通用する汎用性の高い専門職です。未経験からスタートしたとしても、明確なキャリアプランを描くことで、市場価値の高いプロフェッショナルへと成長できます。ここでは、入社後のステップからAI時代の未来像まで、経理のキャリアパスを展望します。

入社後のキャリアステップ:日次業務から年次決算まで

未経験で経理職に就いた場合、一般的には段階的に業務範囲を広げていくことになります。このプロセスを通じて、経理の全体像を体系的に理解していきます。

  1. 【1年目】日次・月次業務の習得: まずは、現預金管理、経費精算、請求書発行といった日々の業務からスタートします。その後、売掛金・買掛金管理や月次決算の補助など、月単位のサイクルで動く業務を覚えていきます。この段階では、正確性とスピードを両立させることが目標です。
  2. 【2〜3年目】年次業務への挑戦: 月次業務に慣れると、年次決算や税務申告の補助といった、より専門性の高い業務に携わる機会が増えます。会社の1年間の成績をまとめる重要な業務であり、大きな責任とやりがいを感じられるでしょう。
  3. 【3年目以降】専門領域の深化: 一通りの業務を経験した後は、本人の適性や希望に応じて専門領域を深めていきます。例えば、子会社を持つ企業であれば連結決算、経営判断に興味があれば管理会計(予算策定、予実分析など)といった分野に進むことが考えられます。

この明確なステップアップの道筋が見えやすいことも、経理職の魅力の一つです。

長期的なキャリアプラン:スペシャリストか、ゼネラリストか

経理としての基礎を固めた後、キャリアは大きく2つの方向に分かれます。どちらを目指すかによって、習得すべきスキルや経験が異なります。

  • スペシャリスト: 特定の分野を極める専門家です。税務、国際会計、M&A、財務(資金調達・資産運用)など、高度な専門知識を武器にします。公認会計士や税理士といった難関資格を取得し、会計事務所やコンサルティングファームへ転職したり、独立開業したりする道も開けます。
  • ゼネラリスト: 経理・財務・経営企画など、管理部門全体を幅広く経験し、経営層を目指すキャリアです。各部署の業務を理解し、全社的な視点から経営を支える役割を担います。最終的には、経理部長やCFO(最高財務責任者)といったポジションが視野に入ります。

どちらの道を選ぶにせよ、自身の興味や強みを理解し、早い段階からキャリアプランを意識しておくことが、市場価値を高める上で重要です。

AIは脅威か?未来の経理に求められる新たな価値

「AIに仕事が奪われる」という議論の中で、経理はしばしばその筆頭に挙げられます。確かに、AIやRPA(Robotic Process Automation)の進化により、データ入力や仕訳といったルールに基づく定型業務は急速に自動化されていくでしょう。

しかし、これは経理職の終わりを意味するものではありません。むしろ、単純作業から解放され、より付加価値の高い業務に集中できるチャンスと捉えるべきです。

AI技術の活用により定型業務は効率化されていく一方、経営分析や経営戦略の立案といった高度な判断を要する業務では、むしろ「人」の専門性がより求められていくでしょう。

AI時代の経理担当者には、以下のスキルが求められます。

  • データ分析・活用能力:AIが出力した膨大な会計データを分析し、経営課題を発見したり、将来の業績を予測したりする能力。
  • ITリテラシー:新しい会計システムやAIツールを使いこなし、業務プロセスの改善を主導する能力。
  • コミュニケーション能力:分析結果を基に、経営層や他部署に対して分かりやすく説明し、具体的なアクションに繋げるコミュニケーション能力。

未来の経理は、単なる「記録係」ではなく、データを駆使して経営の意思決定を支える「ビジネスパートナー」へと進化していきます。第二新卒としてキャリアをスタートする今だからこそ、こうした未来を見据えたスキル習得を意識することが、長期的な成功の鍵となります。

失敗しないために知っておきたい、第二新卒の転職活動の進め方

ポテンシャルとスキルを兼ね備えても、転職活動の進め方を間違えると、思わぬ壁にぶつかることがあります。特に第二新卒は「短期離職」という経歴が伴うため、戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、転職を成功に導くための具体的なノウハウを紹介します。

「なぜ辞めたのか?」短期離職理由の上手な伝え方

面接で必ず問われるのが「前職の退職理由」です。ここでネガティブな印象を与えてしまうと、内定は遠のきます。「人間関係が悪かった」「仕事がつまらなかった」といった本音をそのまま伝えるのは避けましょう。

重要なのは、退職理由を「未来へのポジティブな転換点」として語ることです。

  • NG例:「上司と合わず、正当に評価してもらえなかったので辞めました。」
  • OK例:「前職では営業として顧客と向き合う中で、企業の成長を数字の面から支える仕事に強い関心を持つようになりました。より専門性を高め、長期的なキャリアを築きたいと考え、経理職への挑戦を決意しました。」

ポイントは、過去への不満ではなく、未来への希望や目標を軸に据えることです。前職での経験を通じて何を学び、それがなぜ経理職という次のステップに繋がったのかを、一貫したストーリーとして語れるように準備しておきましょう。

成長企業・ベンチャーという選択肢

第二新卒の転職先として、大手や老舗企業だけでなく、成長中のベンチャー企業も有力な選択肢となります。

ベンチャー企業は経歴や実績よりも、個人の成長意欲や素直さ、企業との相性を重視する傾向があります。そのため、大企業よりも未経験者でも採用される可能性が高まります。

ベンチャー企業には、以下のようなメリットがあります。

  • 裁量権が大きい:人材が限られているため、若手でも幅広い業務を任される機会が多く、短期間で急成長できます。経理だけでなく、財務や経営企画に近い業務に携われる可能性もあります。
  • 柔軟な組織文化:年功序列ではなく実力主義の風土が強く、新しい提案や改善が受け入れられやすい環境です。
  • ポテンシャル採用の積極性:完成された人材よりも、会社と共に成長してくれる人材を求める傾向が強く、未経験の第二新卒にとってチャンスが豊富です。

もちろん、教育体制が未整備であったり、業務負荷が高かったりするリスクもあります。しかし、早期に多様な経験を積んで市場価値を高めたいと考えるなら、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

転職エージェントを賢く活用する

働きながらの転職活動は時間的にも精神的にも負担が大きいものです。そこで活用したいのが、転職エージェントです。特に管理部門や第二新卒に特化したエージェントは、あなたの強力な味方になります。

転職エージェントを活用するメリットは多岐にわたります。

  • 非公開求人の紹介:一般には公開されていない、優良企業の「未経験者歓迎」求人を紹介してもらえる可能性があります。
  • 専門的なアドバイス:履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、経理職の転職に特化したプロのアドバイスを受けられます。
  • 企業との交渉代行:給与や待遇など、個人では交渉しにくい条件についても、エージェントが間に入って調整してくれます。
  • 客観的なキャリア相談:専任の担当者があなたの強みや適性を客観的に分析し、最適なキャリアプランを一緒に考えてくれます。

複数のエージェントに登録し、自分と相性の良い担当者を見つけることが、転職活動を効率的かつ有利に進めるための鍵となります。

まとめ:チャンスを掴み、経理のプロフェッショナルを目指そう

本記事で解説してきたように、現在の経理転職市場は、意欲ある第二新卒にとって大きなチャンスに満ちています。企業は即戦力だけでなく、将来の成長を期待できるポテンシャルを持った人材を求めています。

未経験からの挑戦は決して簡単な道ではありませんが、成功への道筋は明確です。

  1. 市場を理解し、需要の高まりを追い風にする。
  2. 日商簿記2級とPCスキルという「武器」を準備する。
  3. 異業種の経験を「強み」として再定義し、ポータブルスキルをアピールする。
  4. 明確なキャリアパスを描き、AI時代にも通用する価値を追求する。
  5. 戦略的な転職活動で、自分に最適な企業を見つける。

経理は、一度専門性を身につければ、あなたのキャリアを生涯にわたって支える強固な基盤となります。売り手市場という好機を逃さず、正しい準備と戦略をもって、ぜひプロフェッショナルへの第一歩を踏み出してください。

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