「チア」と聞くと、ポンポンを持って笑顔で踊る姿を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、一括りにされがちな「チア」には、チアリーディングとチアダンスという、似ているようで全く異なる2つの競技が存在します。この記事では、両者の違いを歴史、ルール、パフォーマンスの観点から徹底解説します。さらに、チアリーディングの持つ「人を元気づける」という素晴らしい本質を体現し、浜松市で活動するインクルーシブなチーム「浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids」の魅力についてもご紹介します。
一目でわかる!チアリーディングとチアダンスの根本的な違い
結論から言うと、両者の最も大きな違いは、チアリーディングがアクロバティックな技を主体とする「応援スポーツ」であるのに対し、チアダンスはダンスの技術や表現力を競う「ダンススポーツ」である点です。チアリーディングは人を持ち上げたり飛ばしたりするダイナミックな組体操(スタンツ)が魅力ですが、チアダンスではそうしたアクロバットは禁止されています。
この図が示すように、チアリーディングは「アクロバット性」や「応援要素」が際立っている一方、チアダンスは「ダンス表現力」や「音楽との一体感」がより重視されます。どちらもチームワークが不可欠である点は共通していますが、その表現方法が大きく異なるのです。
ルーツと目的から探る本質的な違い
パフォーマンスの違いは、それぞれの成り立ちに深く関係しています。
チアリーディング:応援文化から生まれたスポーツ
チアリーディングの歴史は古く、1860年代のアメリカの大学で、フットボールチームを応援する応援団として始まったとされています。その名の通り「Cheer(応援する)+ Leading(導く)」が語源で、当初は男性が中心となり、声援や歌で観客を盛り上げ、選手を鼓舞することが目的でした。その後、観客をより楽しませるために、徐々にアクロバティックな技が取り入れられ、現在のようなスポーツへと発展しました。2021年には国際オリンピック委員会(IOC)に正式に承認され、世界的に競技人口が増加している注目のスポーツです。
チアダンス:競技性を追求し派生したダンススポーツ
一方、チアダンスは、このチアリーディングの応援活動から「ダンス」部分が独立し、競技として発展したものです。そのため、応援という側面よりも、ダンスの技術力、表現力、チームの一体感や同調性が評価の対象となります。アクロバティックな要素を排し、ダンスの芸術性や完成度を追求する点が大きな特徴です。
パフォーマンスとルールの決定的な違い
ルーツの違いは、実際のパフォーマンスや競技ルールにも明確に表れています。
最大の違いは「アクロバット」の有無
チアリーディングの最大の見どころは、スタンツ(人を持ち上げる組体操)、ピラミッド(スタンツを複数組み合わせたもの)、タンブリング(バク転や宙返りなどの床運動)といったアクロバティックな技です。これらのダイナミックな技を組み合わせ、チーム全体の力強さや協調性を表現します。
対照的に、チアダンスではこれらのアクロバット技はルールで禁止されています。その代わり、ポンダンス、ジャズダンス、ヒップホップダンスといった複数のダンスジャンルの要素を組み合わせ、ダンススキルや表現力を競います。動きの正確さやチーム全員が一体となるシンクロ性が非常に重要視されます。
音楽と掛け声の役割
競技時間(多くは2分30秒)の使い方も異なります。チアダンスは、演技時間のすべてが音楽に合わせて振り付けられたダンスで構成されます。一方、チアリーディングは、音楽に乗せた演技に加え、応援のルーツを反映した「チア・サイドライン」と呼ばれる、音楽なしで掛け声(コール)やアームモーションを行うパートが含まれることがあります。これは、観客を巻き込んで応援をリードするという、チアリーディング本来の役割を示すものです。
チアの新たな地平:「インクルーシブ」という可能性
競技としての側面が注目されがちですが、チアリーディングの根底には「人を応援し、元気づける」というチアスピリットがあります。この精神は、勝敗や技術の優劣を超えた、人間教育としての大きな価値を持っています。
近年、このチアスピリットを体現する活動として、「インクルーシブ・チアリーディング」が広がりを見せています。これは、年齢、性別、運動能力、そして障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に参加し、輝けるチアリーディングの形です。日本チア普及連盟も、活動の柱の一つに「INCLUSION(認め合う)」を掲げており、多様性を受け入れる文化がチアの世界で育まれています。
真の多様性とは、「異なるペース、異なる特性を持つ一人ひとりが、そのままの姿で価値を発揮できる現実」だと捉えています。
― 浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids 公式サイトより
インクルーシブなチームでは、運動が得意な子が難しい技に挑戦する一方で、表現豊かな子が笑顔でチームを盛り上げたり、声が大きい子がコールでみんなをリードしたりと、一人ひとりが自分の得意なことでチームに貢献できます。それはまさに、社会の縮図であり、互いを認め合い、支え合うことの大切さを学ぶ絶好の機会となるのです。
浜松市でチアを始めるなら「浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids」
このインクルーシブなチアリーディングを、静岡県浜松市で実践しているのが「浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids」です。2009年から15年以上にわたり活動を続ける、地域に根差したクラブです。
どんな子も主役になれる場所
GEMS Kidsの最大の特徴は、「どんなお子さんも安心して参加できるインクルーシブなチーム」であることです。チア経験者も、初心者も、運動が苦手な子も、発達がゆっくりな子も、あえてクラス分けをせず、みんなで一緒に活動しています。
私たちは、チア経験者も、初心者も、発達ゆっくりさんも、敢えてクラス分けはいたしません。みんなで輝く【インクルーシブなチーム】を目指したいと考えています。
― 浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids 公式サイトより
「みんなと同じ」を無理強いせず、一人ひとりのペースや個性を尊重する。GEMS Kidsは、子どもたちにとって「安心できる居場所」であり、仲間と励まし合いながら「このチームにとってかけがえのない存在だ」と感じられる場所作りをミッションとしています。
経験豊富なコーチと安心の環境
GEMS Kidsでは、障がいへの知識や経験が豊富なコーチ陣が指導にあたっています。「集団行動が苦手かも」「途中で飽きてしまわないか」といった保護者の不安にも寄り添い、一人ひとりの様子を丁寧に見守りながらレッスンを進めてくれます。お子さんの「やってみたい」という気持ちを何よりも大切にし、小さな成功体験を積み重ねることで、自信と自主性を育んでいきます。
メンバー募集中!無料体験会へ行こう!
GEMS Kidsでは、現在新しい仲間を募集しています。「うちの子に合うかな?」と気になる方は、ぜひ無料体験会に参加してみてはいかがでしょうか。男の子も大歓迎です!
- 対象: 小学1年生〜中学3年生
- 体験費用: 無料
- 体験会日時・場所:
- 2025年11月15日(土) 10:30〜11:30 雄踏総合体育館 サブアリーナ
- 2025年11月29日(土) 10:30〜11:30 細江総合体育センター
- お申込み: 11月9日(日)締切。詳細は公式サイトをご確認ください。
いきなりの体験が不安な方向けに、見学や相談も随時受け付けているとのことです。興味のある方は、ぜひ一度問い合わせてみてください。
▶ 浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids 公式サイトはこちら
▶ お問い合わせ: hcc.gemskids@gmail.com
まとめ
チアリーディングとチアダンスは、起源も目的も異なる、それぞれに魅力あふれるスポーツです。アクロバティックでダイナミックな演技で観客を魅了するチアリーディング。ダンスの技術と芸術性で一体感を表現するチアダンス。どちらを選ぶかは、何を大切にしたいかによって変わってくるでしょう。
そして、チアリーディングの「応援する心」は、競技の枠を超え、多様性を受け入れるインクルーシブな活動へとその可能性を広げています。「浜松チアリーディングクラブ GEMS Kids」のようなチームは、子どもたちが互いを認め合い、自分らしく輝くことの素晴らしさを教えてくれます。この記事を読んでチアに興味を持った方は、ぜひその一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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