退職代行の利用と「金額」への関心
「もう会社に行きたくない」「上司に退職を切り出すのが怖い」——。現代の労働環境において、退職は時に大きな精神的負担を伴う一大事です。このような状況で、本人に代わって退職の意思を伝え、手続きを代行する「退職代行サービス」が、もはや特別な選択肢ではなくなりつつあります。
実際に、就職情報大手マイナビが2024年に行った調査では、直近1年間に転職した人のうち16.6%、およそ6人に1人が退職代行サービスを利用したと回答しており、その需要の高さがうかがえます。また、企業側もその存在を無視できなくなっており、2024年上半期には23.2%の企業が「退職代行を利用した社員がいた」と回答しています。
しかし、この便利なサービスの利用を検討する多くの人が、まず最初に直面するのが「金額」に関する疑問です。「一体いくらかかるのだろう?」「サービスによって料金が全然違うけれど、何が違うのか?」「安かろう悪かろうで、トラブルになったりしないだろうか?」といった不安は、当然のものでしょう。
この記事では、そのような疑問や不安を解消するため、学術的な視点と最新のデータに基づき、退職代行サービスの料金体系を徹底的に解剖します。料金相場はもちろんのこと、金額の差が生まれる根本的な理由、つまり「運営元による法的な業務範囲の違い」から、追加料金の有無、支払い方法まで、あらゆる角度から深掘りしていきます。
本稿を最後までお読みいただければ、単なる料金の比較に留まらず、ご自身の状況に本当に見合った、後悔のないサービスを選ぶための確かな知識と判断基準が身につくことをお約束します。
【結論】退職代行の料金相場は「運営元」で決まる!3タイプの特徴と金額を一覧比較
多岐にわたる退職代行サービスですが、その料金体系を理解する上で最も重要な鍵は「運営元」です。料金の違いは、単なる価格設定の差ではなく、法律によって定められた「対応可能な業務範囲の差」に直結しています。まずは、この全体像を把握することが、賢いサービス選びの第一歩となります。
全体の料金相場:中央値は24,000円前後
退職代行サービスの料金は、下は1万円台から上は10万円を超えるものまで幅広く存在しますが、全体的な相場としては2万円〜5万円程度に集中しています。特に、多くのサービスがひしめく価格帯は2万円台であり、ある調査によれば、料金の中央値は約24,000円となっています。
以下のグラフは、全国の退職代行サービスの料金分布を示したものです。24,000円をピークに、22,000円、20,000円、26,000円の価格帯に多くのサービスが集まっていることが視覚的に理解できます。この価格帯が、市場における一つの基準点と言えるでしょう。
運営元3タイプ別 比較早見表
それでは、なぜこれほどの価格差が生まれるのでしょうか。その答えは、サービスの運営元が「民間企業」「労働組合」「弁護士」のいずれであるかによって、法的に許可された業務内容が根本的に異なるためです。以下の比較表で、それぞれの特徴、料金相場、そしてどのような人におすすめなのかを明確に整理しました。
| 比較項目 | ① 民間企業 | ② 労働組合 | ③ 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 運営元 | 株式会社など | 労働組合法に基づく法人 | 弁護士法人・法律事務所 |
| 料金相場 | 10,000円 ~ 30,000円 | 22,000円 ~ 30,000円 | 50,000円 ~ 100,000円以上 |
| 退職意思の伝達 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 有給/未払い給与等の交渉 | × (非弁行為リスク) |
〇 (団体交渉権) |
〇 |
| 損害賠償/慰謝料請求・訴訟対応 | × | × | 〇 |
| メリット | ・料金が最も安い傾向 ・手軽に利用できる |
・交渉が可能 ・弁護士より安価 ・コストパフォーマンスが高い |
・あらゆる法的トラブルに対応可能 ・訴訟や慰謝料請求も可能 ・最も安心感が高い |
| デメリット | ・交渉が一切できない ・会社に拒否されると行き詰まる |
・訴訟対応は不可 ・組合加入費が別途必要な場合がある |
・料金が最も高額 ・成功報酬が発生する場合がある |
| おすすめな人 | ・会社との間にトラブルがなく、穏便に辞められる見込みが高い人 ・とにかく費用を抑えたい人 |
・有給消化や未払い賃金の交渉をしたいが、費用は抑えたい人 ・コストパフォーマンスを重視する人 |
・パワハラ等で慰謝料を請求したい人 ・会社から損害賠償請求されるリスクがある人 ・法的な問題を抱えている人 |
- 退職代行の料金は1万円台から10万円以上まで幅広く、中央値は約24,000円。
- 料金の差は主に「運営元(民間企業・労働組合・弁護士)」の違いによる。
- 運営元の違いは、法的に可能な「業務範囲」の違いを意味する。
- 民間企業:退職の意思を伝える「使者」役に限定。交渉は不可。
- 労働組合:団体交渉権を持ち、有給消化などの「交渉」が可能。コスパに優れる。
- 弁護士:交渉に加え、慰謝料請求や訴訟など「法的措置」まで全て対応可能。
- 自分の状況(トラブルの有無、交渉したいこと)に合わせて運営元を選ぶことが、後悔しないための最も重要なステップである。
【深掘り解説】退職代行の料金は何で変わる?金額を左右する5つの重要ポイント
前章で、退職代行の料金が「運営元」によって大きく異なることを確認しました。しかし、同じ運営元タイプの中でも料金に差が見られるのはなぜでしょうか。ここでは、料金体系の仕組みをさらに深く掘り下げ、金額を左右する5つの重要なポイントを多角的に解説します。表面的な金額だけでなく、その内訳や背景を理解することが、サービスの価値を正しく見極める上で不可欠です。
最重要因:運営元による「対応範囲」の違い
料金を決定づける最大の要因は、繰り返しになりますが、運営元に与えられた法的権限と、それに伴う「対応範囲」の違いです。この点を法的な側面から理解することで、各サービスの価格設定の妥当性を判断できます。
民間企業:なぜ交渉ができないのか?「非弁行為」のリスク
民間企業(株式会社など)が運営する退職代行サービスは、料金が1万円台からと最も安価な傾向にあります。しかし、その業務は厳しく制限されています。彼らが行えるのは、あくまで本人の「使者」として退職の意思を会社に伝えることのみです。
もし、会社側が「有給休暇の消化は認めない」「退職日を延期してほしい」などと交渉を持ちかけてきても、民間業者はこれに応じることはできません。なぜなら、報酬を得る目的で法律事件に関して交渉などの法律事務を行うことは、弁護士法第72条で禁止されている「非弁行為」に該当する可能性があるからです。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
有給休暇の取得や未払い賃金の請求は、労働者の権利に関わる法律問題です。そのため、これらについて会社と折衝することは「交渉」と見なされ、民間業者が行うと違法となるリスクを伴います。これが、民間企業のサービスが安価である一方、対応範囲が限定的な根本的な理由です。
労働組合:なぜ交渉が可能なのか?「団体交渉権」という法的根拠
労働組合が運営するサービスは、2万円台半ばから3万円程度が相場で、民間企業よりやや高価ですが、弁護士よりは安価です。その最大の特徴は、「交渉」が可能な点にあります。
これは、労働組合が日本国憲法第28条および労働組合法によって保障された「団体交渉権」を有しているためです。依頼者はサービスを利用する際に一時的にその労働組合に加入し、「組合員」となることで、組合が代理人として会社と交渉する正当な権利を得ます。会社側は、正当な理由なくこの団体交渉を拒否することができません(労働組合法第7条 不当労働行為)。
この法的根拠により、労働組合は有給休暇の消化、退職日の調整、未払い残業代の請求といった、民間企業では踏み込めない領域の交渉を合法的に行うことができます。ただし、その権限はあくまで「交渉」までです。会社側が交渉に応じず、問題が裁判などの法廷闘争に発展した場合、労働組合は代理人として法廷に立つことはできません。これが労働組合の限界であり、弁護士との明確な違いです。
弁護士:交渉から訴訟まで、あらゆる法的トラブルに対応
弁護士または弁護士法人が運営するサービスは、5万円から10万円以上と最も高額ですが、その対応範囲は他の追随を許しません。弁護士は、法律事務の専門家として、依頼者の代理人としてあらゆる法的行為を行う権限を持っています。
退職意思の伝達や各種交渉はもちろんのこと、以下のような複雑で深刻な問題にも対応できます。
- パワハラやセクハラに対する慰謝料請求
- 会社からの損害賠償請求への対応
- 懲戒解雇の無効を争う場合
- 退職金や未払い賃金の支払いを巡る訴訟(裁判)
つまり、単に退職するだけでなく、会社との間に存在する法的な紛争を解決し、依頼者の権利を最大限に守ることができる唯一の存在です。料金が高いのは、この包括的な法的サービスと、それに伴う専門知識・責任の対価と言えます。特に、会社との関係が悪化しており、法的なトラブルに発展する可能性が高い場合には、弁護士への依頼が最も確実な選択肢となります。
基本料金に含まれる「サービス範囲」
同じ運営元、似たような料金であっても、基本料金でどこまで対応してくれるかはサービスによって異なります。契約前に「基本料金で何ができるのか」を細かく確認することが、後々の「こんなはずではなかった」という事態を防ぐために重要です。
チェックすべき項目の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 相談の回数や期間:「退職完了まで無制限サポート」を謳うサービス(例:退職代行Jobs、OITOMA)が多い一方、期間や回数に制限がある場合もあります。
- 連絡手段:LINE、電話、メールなど、どのような方法で、24時間対応かどうかも確認しましょう。多くのサービスが24時間対応を掲げています。
- 有給消化や退職日調整の交渉:労働組合や弁護士の場合、これが基本料金に含まれているか、別途オプション料金が必要かを確認する必要があります。多くの労働組合系サービスでは基本料金内で対応しています。
- 書類作成のサポート:退職届のテンプレート提供や、会社に請求する書類(離職票、源泉徴収票など)のやり取りをサポートしてくれるかも重要なポイントです。
- アフターフォロー:退職後の書類が届くまでサポートしてくれるか、転職支援サービス(例:退職代行Jobs、OITOMA)が付帯しているかなども、サービスの価値を判断する材料になります。
例えば、あるサービスでは「即日退職」を強みとしていますが、別のサービスでは「確実な有給消化交渉」をアピールしています。料金だけでなく、自分が何を最も重視するのかを明確にし、それに合致したサービス内容を提供しているかを見極める必要があります。
見落としがちな「追加料金」と「成功報酬」
「表示料金が安かったのに、最終的に高額になってしまった」というケースは避けたいものです。そのためには、基本料金以外に発生しうる費用について事前に把握しておくことが極めて重要です。
追加料金の典型的なパターン
多くの優良サービスは「追加料金一切なし」を明言していますが、一部のサービスでは以下のような追加料金が発生する可能性があります。
- 労働組合への加入金:労働組合が運営するサービスの一部では、基本料金とは別に組合への加入金(例:2,000円程度)が必要な場合があります。例えば「退職代行Jobs」は、料金に組合費が含まれる形での提示がされています。総額でいくらになるのかを確認しましょう。
- 弁護士依頼時の実費:弁護士に依頼する場合、内容証明郵便の郵送費や、訴訟になった場合の印紙代などの「実費」が別途請求されることがあります。
- 交渉内容に応じたオプション料金:基本プランは退職意思の伝達のみで、「有給消化交渉」や「未払い賃金請求」は別途オプション料金(例:+5,000円~)として設定されているケースです。
- 連絡回数の超過料金:稀なケースですが、会社との連絡回数に上限が設けられ、それを超えると追加料金が発生する規定があるサービスも存在します。
これらの追加料金の有無は、公式サイトの料金ページや利用規約に記載されているはずです。不明な点があれば、無料相談の段階で必ず質問し、クリアにしておくべきです。「追加料金なし」を明記しているサービス(例:退職代行ガーディアン)は、料金体系の透明性が高く、安心して依頼しやすいと言えるでしょう。
未払い賃金等における「成功報酬」
特に注意が必要なのが、弁護士に依頼して未払い残業代や退職金、慰謝料などを請求する場合に発生する「成功報酬」です。これは、基本の着手金とは別に、実際に回収できた金額の一定割合(例:回収額の20%~30%)を報酬として支払うものです。
例えば、「弁護士法人みやび」では、未払い給与等の請求で会社が支払いを拒否し、弁護士が交渉を行った場合、回収額の20%が成功報酬として発生します。
これは、大きな金額を回収できた場合には報酬も高額になることを意味します。もちろん、依頼者にとっては経済的な利益がなければ支払う必要がないため合理的な仕組みですが、事前にこの報酬体系を理解しておかないと、後で想定外の出費に驚くことになりかねません。弁護士に依頼する際は、着手金だけでなく、成功報酬の料率まで含めたトータルの費用感を把握しておくことが不可欠です。
「雇用形態」による料金設定の違い
退職代行サービスの料金は、依頼者の雇用形態によって変動することがあります。多くのサービスは正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートを問わず「一律料金」を採用していますが、一部のサービスでは雇用形態別に料金を設定しています。
例えば、以下のようなサービスが挙げられます。
- 退職代行モームリ:正社員22,000円、アルバイト12,000円
- 退職代行イマスグヤメタイ:正社員・契約社員22,000円、アルバイト12,000円
- わたしNEXT(女性向け):正社員24,800円、パート19,800円
アルバイトやパートの場合、正社員に比べて勤務期間が短かったり、業務の責任範囲が限定的であったりすることから、退職手続きが比較的容易なケースが多いため、料金が安く設定されていると考えられます。もしご自身がアルバイト・パートで、特に複雑な交渉事を必要としないのであれば、こうした料金体系のサービスを選ぶことで費用を大きく抑えられる可能性があります。
一方で、「退職代行ガーディアン」のように、雇用形態にかかわらず一律19,800円(当メディア限定価格等の表記あり)といったサービスもあります。こちらは料金体系がシンプルで分かりやすく、どのような立場の人でも公平な価格で利用できるというメリットがあります。
「支払い方法・タイミング」の柔軟性
「すぐにでも辞めたいけれど、今すぐ支払うお金がない…」という状況は、精神的に追い詰められている方にとっては切実な問題です。こうしたニーズに応えるため、支払い方法やタイミングの柔軟性もサービスを選ぶ上での重要な比較ポイントとなります。
後払いや分割払いのメリット
近年、「後払い(あと払い)」に対応するサービスが増えています。これは、サービスを利用して退職が確定した後に料金を支払う仕組みで、依頼者にとっては以下のような大きなメリットがあります。
- 手元に資金がなくても依頼できる:給料日前に急遽辞めたくなった場合でも、すぐにサービスを利用できます。
- 「本当に退職できるか」という不安の軽減:退職成功という結果を確認してから支払うため、サービスに対する安心感が高まります。
例えば、「退職代行辞めるんです」は審査不要の後払いに対応しており、「OITOMA」も手数料はかかるものの後払いが可能です。ただし、後払いには手数料が上乗せされる場合があるため、総額でいくらになるのかは事前に確認が必要です。
また、一部のサービスでは分割払いに対応していることもあり、一度の出費を抑えたい場合に有効です。
多様な決済方法
支払い方法の選択肢の多さも、利便性を左右します。多くのサービスは銀行振込とクレジットカード決済に対応していますが、利用者層の拡大に伴い、より多様な決済手段が導入されています。
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 各種電子マネー(PayPay, 楽天ペイなど)
- キャリア決済
例えば、「男の退職代行」や「わたしNEXT」は非常に多くの決済方法に対応しており、利用者の都合に合わせた支払いが可能です。自分が最も利用しやすい決済方法が使えるかどうかも、サービス選びの隠れたポイントと言えるでしょう。
【状況別】あなたに最適な退職代行は?料金とサービスから選ぶ実践ガイド
ここまで退職代行の料金を左右する要因を解説してきました。しかし、理論だけでは「結局、自分はどれを選べばいいのか?」と迷ってしまうかもしれません。この章では、具体的な3つのケースを想定し、それぞれの状況に最適なサービスのタイプ、選ぶ際のチェックポイント、そして具体的なサービス例を提示することで、あなたの実践的なサービス選びをサポートします。
ケース1:「とにかく安く、穏便に辞めたい」場合
【あなたの状況】
「会社との関係は特に悪くない。パワハラや給与未払いなどのトラブルもない。ただ、引き止められそうで言い出しにくい、または単に上司と顔を合わせるのが気まずい。できるだけ費用をかけずに、スムーズに退職の意思だけ伝えてほしい。」
このようなケースでは、複雑な交渉や法的な対応は不要です。したがって、最も高額な弁護士に依頼する必要性は低いでしょう。
推奨タイプ:民間企業、または交渉権のある格安な労働組合
あなたの目的は「退職意思の伝達」が主であるため、最も安価な民間企業運営のサービスが選択肢の第一候補となります。料金は1万円台から2万円程度で、コストを最小限に抑えることができます。
ただし、万が一会社側から退職日や有給消化について何か言われた場合に備えたい、という少しの不安があるなら、料金が民間企業と大差ない格安な労働組合運営のサービスを選ぶのがより賢明です。交渉権があるというだけで、会社側の対応が軟化する可能性があり、安心感という付加価値が得られます。
チェックポイント
- 料金の安さ:1万円台〜2万円前半のサービスがターゲットになります。
- 追加料金の有無:「追加料金一切なし」を明記しているサービスを選びましょう。
- 返金保証:万が一、退職できなかった場合に備え、「全額返金保証」があるかを確認するとさらに安心です。
具体的なサービス例
- 退職代行EXIT(民間企業):業界のパイオニア的存在で知名度が高いサービス。料金は一律20,000円とシンプルで、追加料金も不要です。交渉はできませんが、退職を伝えるだけで十分な場合には有力な選択肢です。
- 退職代行ガーディアン(労働組合):東京都労働委員会認証の労働組合が運営。料金は19,800円(限定価格等の表記あり)と業界最安値クラスでありながら、団体交渉権を持ちます。コストを抑えつつ交渉の可能性も残したい場合に最適な、非常にコストパフォーマンスの高いサービスです。
ケース2:「有給休暇の消化や未払い残業代の交渉もしてほしい」場合
【あなたの状況】
「残っている有給休暇をすべて消化してから辞めたい。でも、普段から有給を取りにくい雰囲気で、自分で言っても認めてもらえなさそう。可能であれば、サービス残業分の給料も請求したい。裁判沙汰にするつもりはないが、自分の正当な権利は主張したい。」
このケースの核心は「交渉」です。退職の意思を伝えるだけでなく、会社に対して具体的な要求を通す必要があります。そのため、交渉権を持たない民間企業では役不足です。
推奨タイプ:労働組合
まさに労働組合運営のサービスが最も適したケースです。労働組合法に基づく「団体交渉権」を行使し、あなたに代わって会社と対等な立場で交渉を行ってくれます。個人で交渉するよりも心理的負担が少なく、会社側も無下には扱えないため、要求が通りやすくなる可能性が高まります。
弁護士に依頼することも可能ですが、訴訟まで考えていないのであれば、料金が2〜3倍になる弁護士を選ぶ必要性は低いです。2万円台で交渉まで任せられる労働組合は、この状況において最もコストパフォーマンスに優れた選択と言えます。
チェックポイント
- 交渉実績:公式サイトなどで、有給消化や未払い賃金請求の成功事例が豊富に紹介されているかを確認しましょう。
- 料金とサポート内容のバランス:追加料金なしで交渉まで含まれているか、相談が無制限かなど、総額で得られるサービス価値を比較します。
- 運営元の信頼性:労働組合がどこに認証されているか(例:東京都労働委員会など)、運営歴が長いかなども判断材料になります。
具体的なサービス例
- 退職代行Jobs:弁護士監修の下、労働組合が交渉を行うため、適法性と交渉力の両面で安心感があります。後払いや転職サポートも充実しており、総合力の高いサービスです。
- 退職代行SARABA:豊富な実績とメディア掲載歴が信頼の証。行政書士が対応し、退職成功率もほぼ100%を謳っています。追加料金なしの一律料金で交渉を依頼できます。
- 退職代行OITOMA:労働組合が運営し、交渉に対応。後払い可能で、弁護士監修の退職届テンプレートがもらえるなど、サポートが手厚いのが特徴です。
ケース3:「パワハラや損害賠償請求など、すでにトラブルを抱えている」場合
【あなたの状況】
「長期間のパワハラで精神的に追い詰められており、慰謝料を請求したい。会社からは『辞めるなら損害賠償を請求する』と脅されている。給与の未払いが多額に上り、支払いを拒否されている。もはや話し合いでの解決は難しいと感じている。」
この状況は、単なる退職手続きを超えた「法的紛争」です。慰謝料請求や損害賠償への対応は、高度な法律知識と法的手続きを要するため、民間企業や労働組合では対応できません。
推奨タイプ:弁護士
迷わず弁護士(弁護士法人)が運営するサービスを選ぶべきです。弁護士はあなたの代理人として、慰謝料請求の交渉から、万が一訴訟に発展した場合の法廷代理まで、すべての法的プロセスを担うことができます。会社からの不当な請求に対しては、法的な根拠をもって対抗し、あなたを守ってくれます。
料金は5万円以上と高額になりますが、これは安心と、法的に権利を実現するための必要経費と考えるべきです。安易に安価なサービスを選んでしまうと、問題が解決しないばかりか、かえって状況を悪化させるリスクさえあります。
チェックポイント
- 料金体系:着手金はいくらか、成功報酬の料率は何%か、事前に総額の見積もりを出してもらえるかを確認します。
- 労働問題に関する実績:その弁護士や法律事務所が、労働問題(特にパワハラや未払い賃金請求など)を専門的に扱っているか、実績は豊富かを確認します。
- 担当弁護士との相性:無料相談などを利用して、担当してくれる弁護士が親身に話を聞いてくれるか、信頼できる人物かを見極めることも大切です。
具体的なサービス例
- 弁護士法人みやび:退職代行を専門的に扱う弁護士法人で、高難易度の案件にも対応。料金は55,000円からと弁護士としては標準的ですが、交渉や請求が必要な場合は成功報酬が発生します。確実な法的対応を求める場合に頼りになります。
- フォーゲル綜合法律事務所:メディア露出も多い弁護士が代表を務める事務所。訴訟対応プランが比較的安価で、成功報酬がないプランも用意されているなど、料金体系に工夫が見られます。弁護士への依頼のハードルを下げたい場合に検討の価値があります。
【2025年最新版】料金と信頼性で選ぶ!おすすめ退職代行サービス比較
ここまでの分析を踏まえ、具体的なサービスを比較検討したい方のために、2025年現在の最新情報に基づき、特におすすめできる退職代行サービスを厳選してご紹介します。選定にあたっては、料金の透明性、運営元の信頼性、交渉力や法的対応力、そして実際の利用者からの評判を総合的に評価しました。「コストパフォーマンス」を重視する方向けの労働組合運営サービスと、「絶対的な安心感と法的対応力」を求める方向けの弁護士法人運営サービスに分けて整理します。
【コスパ最強】労働組合運営のおすすめサービス
「費用は抑えたい、でも有給消化などの交渉はしっかりしてほしい」という、最も多くの人が当てはまるニーズに応えるのが、労働組合運営のサービスです。ここでは、実績、料金、サービスのバランスに優れた3社をピックアップします。
| サービス名 | 料金(税込) | 運営元 | 特徴 | 支払い方法 |
|---|---|---|---|---|
| 退職代行ガーディアン | 19,800円 (※限定価格の場合あり) |
東京労働経済組合 | ・業界最安値クラスの料金 ・追加料金一切なし ・東京都労働委員会認証の確かな交渉力 ・24時間365日対応 |
クレジットカード、銀行振込 |
| 退職代行Jobs | 23,000円~ (※組合費等含む場合あり) |
(株)アレス (労働組合提携) |
・顧問弁護士による業務監修 ・後払い対応可能 ・無料の転職サポート付き ・退職完了まで無期限サポート |
クレジットカード、コンビニ決済、現金翌月払い、銀行振込 |
| 退職代行SARABA | 24,000円 | 退職代行SARABAユニオン | ・創業年数が長く実績豊富 ・メディア掲載多数で高い知名度 ・有給消化サポートに強み ・追加料金なしの一律料金 |
クレジットカード、銀行振込 |
退職代行ガーディアン:圧倒的なコストパフォーマンス
「退職代行ガーディアン」は、何と言ってもその料金が魅力です。19,800円(限定価格等の表記あり)という価格は、交渉権を持つ労働組合運営のサービスとしては業界最安値クラスです。しかも、雇用形態や年齢、地域に関わらず一律料金で、追加費用も一切発生しません。安価でありながら、東京都労働委員会に認証された合同労働組合が運営するため、会社との交渉力は確かです。「安かろう悪かろう」ではなく、「高品質・低価格」を両立した、コストパフォーマンスを極限まで追求したい方に最もおすすめできるサービスです。
退職代行Jobs:弁護士監修の安心感と手厚いサポート
「退職代行Jobs」は、労働組合との提携に加え、顧問弁護士が業務を監修している点が大きな特徴です。これにより、法的に適正な手続きが担保され、依頼者はより安心して任せることができます。料金は2万円台半ばですが、退職完了まで期間無制限でサポートが受けられたり、無料の転職支援が付帯していたりと、付加価値の高いサービスを提供しています。現金での後払いにも対応しているため、手持ち資金に不安がある方にも優しい設計です。
【トラブル時も安心】弁護士法人運営のおすすめサービス
「会社と揉めている」「慰謝料を請求したい」など、法的な紛争を抱えている、またはその可能性がある場合には、弁護士への依頼が唯一の選択肢です。料金は高くなりますが、それに見合う絶対的な安心感と問題解決能力が得られます。
| サービス名 | 料金(税込) | 運営元 | 特徴 | 支払い方法 |
|---|---|---|---|---|
| 弁護士法人みやび | 55,000円~ + 成功報酬 |
弁護士法人みやび | ・退職代行を専門的に扱う弁護士法人 ・損害賠償請求など高難易度案件に対応 ・弁護士が直接対応する安心感 ・LINEで24時間相談可能 |
銀行振込 |
| フォーゲル綜合法律事務所 | 25,000円~ (キャンペーン価格の場合あり) |
フォーゲル綜合法律事務所 | ・弁護士運営としては比較的安価なプランあり ・訴訟対応プランも他社比較で割安 ・成功報酬なしのプランも選択可能 ・メディア出演実績のある弁護士が代表 |
クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済 |
| 弁護士法人川越みずほ法律会計 | 22,000円~ | 弁護士法人川越みずほ法律会計 | ・訴訟なしのプランが非常に安価 ・弁護士への依頼ハードルが低い ・後払いにも対応(手数料無料) ・全国対応、24時間相談可能 |
クレジットカード、銀行振込 |
弁護士法人みやび:法的トラブル解決のスペシャリスト
「弁護士法人みやび」は、退職に関するあらゆる法的トラブルに対応可能な、まさに「最後の砦」とも言えるサービスです。料金は55,000円からと安くはありませんが、弁護士が最初から最後まで直接対応してくれるため、安心感が格段に違います。未払い賃金や慰謝料の請求で経済的利益が出た場合は回収額の20%が成功報酬としてかかりますが、これは弁護士が本気で交渉に臨んでくれる証でもあります。会社から訴えられるリスクがあるなど、深刻な問題を抱えている方にとっては、最も頼りになる選択肢です。
フォーゲル綜合法律事務所:料金と安心感のバランス型
「フォーゲル綜合法律事務所」は、弁護士に依頼したいけれど、費用はできるだけ抑えたいというニーズに応えるサービスです。キャンペーンなどを利用すると2万円台から依頼できるプランがあり、これは弁護士法人としては破格の設定です。また、訴訟まで見据えたプランも他の弁護士事務所と比較して安価な傾向にあり、成功報酬がかからない料金体系も選択できるなど、利用者の状況に合わせた柔軟な対応が魅力です。代表弁護士の知名度も高く、信頼性も申し分ありません。
退職代行の料金に関するQ&A|よくある疑問をスッキリ解消
最後に、退職代行の料金に関して多くの人が抱きがちな細かな疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。これにより、サービス利用前の最後の不安を解消しましょう。
-
Q. 料金が相場より安すぎる業者は危険?
- A. 一概に危険とは言えませんが、注意が必要です。安さには必ず理由があります。考えられる理由としては、①対応範囲が「退職意思の伝達」のみに極端に限定されている、②サポート期間が非常に短い、③実績が乏しく、価格でしかアピールできない、などが挙げられます。特に、運営元が不明確であったり、労働組合や弁護士との提携を謳いながら実態が伴わない「非弁行為」のリスクがある業者は避けるべきです。料金の安さだけで判断せず、必ず運営元の種類、サービス内容、そして利用者の口コミや評判を総合的にチェックすることが重要です。
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Q. 相談しただけで料金は発生しますか?
- A. いいえ、ほとんどの退職代行サービスでは、最初の相談は無料です。LINEや電話、メールでの問い合わせや、自身の状況を伝えてどのような対応が可能か、見積もりはいくらか、といった相談の段階では料金は発生しません。料金が発生するのは、サービス内容に納得し、正式に「依頼します」と意思表示をして契約が成立した時点です。安心して、まずは複数のサービスに無料相談してみることをお勧めします。
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Q. 万が一、退職できなかったら料金はどうなりますか?
- A. このような事態に備え、「全額返金保証」制度を設けているサービスを選ぶのが賢明です。多くの信頼できるサービス(例:退職代行Jobs, OITOMA, SARABAなど)にはこの保証が付いています。これにより、「お金を払ったのに辞められなかった」という最悪の事態を避けることができます。ただし、保証が適用される条件は事前に確認が必要です。例えば、「依頼者側の都合によるキャンセル」や「依頼者が会社と直接連絡を取ってしまった」場合などは、保証の対象外となることが一般的です。
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Q. 後払いはできますか?手持ちのお金がありません。
- A. はい、対応しているサービスは増えています。例えば「退職代行辞めるんです」や「退職代行Jobs」、「OITOMA」などが後払いに対応しています。これにより、給料日前など、手元に現金がない状態でもすぐに依頼することが可能です。ただし、サービスによっては後払いに数千円程度の手数料がかかる場合があるため、利用前には手数料を含めた総額を確認し、前払いの場合と比較検討することが大切です。
-
Q. 未払い給与の請求などをすると、追加で高額な費用がかかりますか?
- A. これは運営元によって大きく異なります。弁護士に依頼する場合、基本料金(着手金)とは別に、回収できた金額に応じた「成功報酬」(一般的に回収額の20%前後)が発生することが多いです。一方、労働組合の場合、多くは基本料金の範囲内で交渉を行ってくれますが、これもサービスによります。高額な未払い金が期待できる場合は、成功報酬を支払ってでも弁護士に依頼した方が最終的な手取り額が大きくなる可能性もあります。依頼前に、料金体系について「どのような場合に、いくらの追加費用や成功報酬が発生するのか」を明確に確認することが不可欠です。
まとめ:後悔しない退職代行選びは「料金」と「サービス内容」のバランスが鍵
本稿では、退職代行サービスの「金額」をテーマに、その相場から料金体系の仕組み、状況別の選び方までを網羅的に解説してきました。最後に、後悔しないサービス選びのための最も重要な要点を改めて確認します。
退職代行の料金は、1万円台から10万円以上と非常に幅広く設定されています。この価格差を生み出す最大の要因は、「運営元(民間企業・労働組合・弁護士)」の違いであり、それはすなわち法的に「対応可能な業務範囲」の違いに他なりません。
- 民間企業(約1〜3万円):「退職を伝える」のみ。トラブルがなく、安さ最優先の場合。
- 労働組合(約2.5〜3万円):「交渉」が可能。有給消化などを望むが、費用も抑えたい場合の最適解(高コストパフォーマンス)。
- 弁護士(約5〜10万円以上):「法的措置」まで全て対応。慰謝料請求や損害賠償リスクなど、法的紛争を抱えている場合の唯一の選択肢。
最も避けるべきなのは、「ただ安いから」という理由だけでサービスを選び、結果として「有給の交渉をしてもらえなかった」「トラブルに対応してもらえず、状況が悪化した」といった失敗に陥ることです。それは、安易な選択によって失う時間的・精神的コストを考えると、決して賢明な判断とは言えません。
後悔しないための最善の道は、まずご自身の状況を客観的に整理することです。「会社との間にトラブルはあるか?」「有給や未払い賃金など、交渉したいことはあるか?」「法的なリスクは考えられるか?」——これらの問いに自問自答し、自分に必要なサービスレベルを見極めることが全ての始まりです。
その上で、本稿で紹介したような信頼できるサービスの中から、必要なサポートを過不足なく、かつ透明性の高い料金で提供してくれる、コストパフォーマンスに優れた一社を見つけ出してください。
もし迷ったら、まずは気になるサービスの公式サイトを訪れ、「無料相談」を最大限に活用しましょう。あなたの具体的な状況を専門家に直接伝えることで、最適なプランと正確な見積もりを得ることができます。それが、新しい一歩を安心して踏み出すための、最も確実な方法です。

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