「もう会社に行きたくない」「上司に退職を言い出せない」——。そんな悩みを抱える労働者にとって、退職代行サービスは心強い味方となりつつあります。しかし、数多くのサービスが存在する中で、「一体どこを選べばいいのか?」と迷ってしまう方も少なくありません。
業者選びを間違えると、「有給休暇が消化できなかった」「会社とトラブルになった」といった失敗につながる可能性もあります。この記事では、2025年の最新情報と各種データを基に、退職代行サービスの種類、失敗しない選び方、そして具体的なおすすめサービスまでを徹底的に解説します。あなたに最適なサービスを見つけ、スムーズな退職を実現するための一助となれば幸いです。
退職代行サービスの利用はもはや当たり前?最新動向をデータで見る
かつては珍しい選択肢だった退職代行ですが、近年その利用は急速に拡大しています。マイナビが実施した調査によると、直近1年間に転職した人のうち16.6%が退職代行サービスを利用したと回答しており、もはや特別なことではない実態が浮かび上がります。。企業側から見ても、2024年上半期に「退職代行を利用して退職した人がいた」と回答した企業は23.2%にのぼり、年々増加傾向にあります。
では、なぜ多くの人が退職代行を選ぶのでしょうか。調査データから、その主な理由が見えてきます。
最も多い理由は「退職意思を伝えた際にパワハラ/嫌がらせを受ける不安があった」(34%)で、次いで「即日で退職したかった」(25%)、「直接会社に退職の意思を伝えることに抵抗があった」(24%)と続きます。これらのデータは、多くの労働者が退職を伝えるプロセスにおいて、深刻な精神的負担や恐怖を感じている現実を物語っています。
特に、入社から日が浅い従業員の利用が目立ち、調査では利用者の53%が在籍3ヶ月未満でサービスを利用していることが明らかになっています。これは、採用時のミスマッチや、入社後の教育体制の不備が早期離職につながっている可能性を示唆しています。
失敗しないための第一歩:3種類の退職代行サービスを徹底理解
退職代行サービスを選ぶ上で最も重要なのが、運営元の種類を理解することです。運営元は大きく「民間企業」「労働組合」「弁護士」の3つに分類され、それぞれ対応できる業務範囲と料金が大きく異なります。この違いを知らないまま選んでしまうと、「やってくれると思っていた交渉を断られた」といった失敗につながりかねません。
1. 民間企業:安価だが「交渉」は不可
最も数が多く、料金が比較的安いのが民間企業が運営するサービスです。主な業務は、依頼者の代理人ではなく「使者」として、退職の意思を会社に伝えることに限定されます。
- 料金相場:1万円~3万円程度
- できること:退職意思の伝達、事務的な連絡の取次
- できないこと:有給休暇の取得、未払い給与の支払い、退職日などの「交渉」
弁護士資格を持たない民間企業が報酬を得て交渉を行うことは、弁護士法で禁じられている「非弁行為」にあたる違法行為です。。そのため、会社側が「本人としか話さない」「有給消化は認めない」と強硬な姿勢に出た場合、民間企業はそれ以上介入できません。単純に「辞めることさえ伝えられればいい」という方向けの選択肢です。
2. 労働組合:交渉権を持つコスパの高い選択肢
労働組合、または労働組合と提携する企業が運営するサービスです。労働組合は、労働組合法に基づき「団体交渉権」を持っているため、会社との交渉が合法的に可能です。
- 料金相場:2.5万円~3万円程度
- できること:退職意思の伝達、有給休暇の取得や未払い給与、退職日に関する「交渉」
- できないこと:損害賠償請求への対応、裁判などの法的手続き
民間企業よりは料金が少し高くなりますが、有給消化や未払い残業代の請求といった金銭的な権利を主張したい場合に非常に有効です。「トラブルまではいかないが、有利な条件で辞めたい」という多くのケースに対応できる、最もバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
3. 弁護士:法的トラブルに唯一対応可能
弁護士法人や法律事務所が直接運営するサービスです。法律の専門家として、退職に関するあらゆる法的対応が可能です。
- 料金相場:5万円~10万円以上(成功報酬が発生する場合も)
- できること:退職意思の伝達、各種交渉、未払い給与や退職金の請求、慰謝料請求、会社からの損害賠償請求への対応、訴訟などの法的手続き全般
- できないこと:特になし
料金は最も高額ですが、会社から「損害賠償を請求する」と脅されている、パワハラで慰謝料を請求したいなど、すでに法的な紛争に発展している、またはその可能性が高い場合には、弁護士一択となります。圧倒的な安心感と対応範囲の広さが最大のメリットです。
運営元による対応範囲の比較
| 運営元 | 退職意思の伝達 | 有給取得・未払い給与等の交渉 | 損害賠償請求・裁判対応 | 料金相場 |
|---|---|---|---|---|
| 民間企業 | 〇 | × | × | 1万円~3万円 |
| 労働組合 | 〇 | 〇 | × | 2.5万円~3万円 |
| 弁護士 | 〇 | 〇 | 〇 | 5万円~10万円以上 |
【自己診断】あなたに最適な退職代行は?3ステップで選ぶ方法
3種類のサービスの違いを理解した上で、次は自分自身の状況に合ったサービスを具体的に選んでいきましょう。以下の3ステップで、失敗のリスクを最小限に抑えることができます。
Step 1:あなたの状況を3つのレベルで診断する
まず、あなたの状況がどのレベルに当てはまるか冷静に判断してください。
- レベル1:交渉・トラブル不要
会社との関係は悪くなく、単に「退職を言い出すのが気まずい・怖い」だけ。有給休暇や未払い給与などの金銭的な要求もない。 - レベル2:交渉が必要
残っている有給休暇をすべて消化したい、未払いの残業代を請求したい、退職日を調整してほしいなど、会社との「交渉」が必要な状況。会社がすんなり応じてくれない可能性がある。 - レベル3:法的トラブルの可能性あり
上司からのパワハラで慰謝料を請求したい、会社から「辞めるなら損害賠償を請求する」と脅されているなど、すでに法的な紛争状態にある、またはその可能性が高い。
Step 2:診断レベルに合った運営元を選ぶ
診断結果に応じて、選ぶべき運営元が決まります。これさえ間違えなければ、大きな失敗は避けられます。
レベル1 → 民間企業
レベル2 → 労働組合
レベル3 → 弁護士
このマッチングが最も重要です。例えば、レベル2の状況で料金の安さから民間企業を選ぶと、有給消化の交渉を断られ、「希望通りに辞められない」という結果になりがちです。
Step 3:信頼できる業者か最終チェック
運営元のタイプを決めたら、最後に個別の業者が信頼できるか、以下のポイントでチェックしましょう。
- 実績は十分か?:公式サイトで運営歴や実績件数(例:1万件以上など)を確認しましょう。成功率100%という数字だけでなく、実績件数の多さが信頼性の指標になります。
- 料金体系は明確か?:「追加料金一切なし」と明記されているか確認しましょう。特に労働組合の場合、組合費が別途必要な場合があるので総額を確認することが重要です。
- 返金保証はあるか?:万が一、退職できなかった場合に備え、「全額返金保証」があるサービスを選ぶとより安心です。
- 連絡手段と対応時間は?:LINEで24時間相談可能など、連絡が取りやすく、迅速に対応してくれる業者を選びましょう。口コミで「返信が早い」といった評判も参考になります。
- 後払いには対応しているか?:「退職が成功してから支払いたい」という不安がある方は、後払い(あと払い)に対応しているサービスがおすすめです。
【2025年版】目的別!おすすめ退職代行サービス10選
ここからは、上記の選び方を踏まえ、多くのメディアで高評価を得ている信頼性の高い退職代行サービスを目的別に10社厳選してご紹介します。
交渉力と実績で選ぶなら【労働組合運営】のおすすめ3選
有給消化や未払い賃金の交渉も任せたい、でも費用は抑えたいという最も多くのニーズに応えるのが労働組合運営のサービスです。
1. 退職代行Jobs
弁護士監修のもと、労働組合と連携してサービスを提供する信頼性の高い業者です。24時間対応、後払い可能、全額返金保証付きと、利用者の不安を解消する制度が充実しています。退職完了までの無期限フォローや転職支援もあり、サポートの手厚さに定評があります。
| 料金 | 23,000円(別途組合費2,000円) |
|---|---|
| 運営 | 株式会社アレス(労働組合連携) |
| 特徴 | 弁護士監修、後払い可、全額返金保証、24時間対応、転職・引越しサポート |
2. 退職代行ガーディアン
東京都労働委員会に認証された合同労働組合「東京労働経済組合」が直接運営しており、その信頼性は抜群です。料金は19,800円と非常にリーズナブルで、追加料金も一切ありません。即日退職にも対応し、LINEで気軽に相談できる手軽さも魅力です。
| 料金 | 19,800円(一律) |
|---|---|
| 運営 | 東京労働経済組合 |
| 特徴 | 労働組合が直接運営、追加料金なし、即日対応、24時間LINE相談 |
3. 退職代行OITOMA
労働組合「日本通信ユニオン」が運営しており、交渉権を持つ安心感があります。料金は一律24,000円で、全額返金保証や後払いにも対応。顧客満足度96%という高い評価も特徴で、円満退職を意識した丁寧な対応が期待できます。
| 料金 | 24,000円(一律) |
|---|---|
| 運営 | 株式会社H4 / 日本通信ユニオン |
| 特徴 | 労働組合運営、全額返金保証、後払い可、顧客満足度96% |
法的トラブルも安心!【弁護士法人】のおすすめ3選
会社との間で法的な紛争が起きている、またはそのリスクが高い場合は、弁護士が直接対応するサービスを選びましょう。
4. 弁護士法人みやび
多くのメディアで紹介される大手の法律事務所です。退職代行だけでなく、未払い給与の請求から損害賠償請求、訴訟対応まで一貫して依頼できます。料金は55,000円からと高めですが、複雑なトラブルを抱えている場合の安心感は絶大です。
| 料金 | 55,000円~(着手金) |
|---|---|
| 運営 | 弁護士法人みやび |
| 特徴 | 弁護士が直接対応、損害賠償・慰謝料請求、訴訟対応可、LINE無料相談 |
5. フォーゲル綜合法律事務所
弁護士事務所運営でありながら、料金が比較的リーズナブルなのが特徴です。一般社員向けのプランは25,000円からと労働組合系と大差なく、それでいて弁護士による法的対応が可能です。特に、訴訟対応プランが他の弁護士事務所に比べて安価な設定になっています。
| 料金 | 25,000円~ |
|---|---|
| 運営 | フォーゲル綜合法律事務所 |
| 特徴 | 弁護士運営で比較的安価、後払い可、1万件以上の実績、訴訟対応プランあり |
6. 弁護士法人ガイア総合法律事務所
退職成功率100%を誇り、全国対応可能な法律事務所です。有給消化や未払い賃金の請求はもちろん、傷病手当の申請サポートなど、退職後の生活を見据えた手厚いアフターサポートが無期限で付いているのが大きな強みです。
| 料金 | 要問合せ(着手金+成功報酬) |
|---|---|
| 運営 | 弁護士法人ガイア総合法律事務所 |
| 特徴 | 弁護士が直接対応、無期限アフターサポート、傷病手当申請サポート |
費用を抑えたいなら【民間企業運営】のおすすめ4選
「とにかく辞める意思だけ伝えてほしい」「交渉事は特にない」という方は、費用を抑えられる民間企業のサービスが適しています。
7. 退職代行クリア
業界最安クラスの料金設定が最大の魅力です。正社員でも1万円台で依頼でき、追加料金は一切ありません。弁護士監修のもと運営されており、5万件以上という豊富な実績も安心材料です。費用を徹底的に抑えたい方におすすめです。
| 料金 | 正社員18,000円、アルバイト11,000円 |
|---|---|
| 運営 | 株式会社ペイジェント |
| 特徴 | 業界最安クラスの料金、追加料金なし、5万件以上の実績、全額返金保証 |
8. 退職代行EXIT
退職代行サービスの先駆けとして知られ、年間10,000件以上の実績を誇ります。弁護士監修のもと運営されており、退職後の転職サポートが無料で付いてくるのが特徴。業界での知名度と実績を重視する方に向いています。
| 料金 | 20,000円(一律) |
|---|---|
| 運営 | EXIT株式会社 |
| 特徴 | 業界のパイオニア、年間1万件以上の実績、無料転職サポート、全額返金保証 |
9. 辞めるんです
業界で初めて「完全後払い制」を導入したことで知られています。退職が正式に完了してから支払いが発生するため、「お金を払ったのに辞められなかったらどうしよう」という不安を完全に払拭できます。顧問弁護士の指導のもと運営されており、実績も豊富です。
| 料金 | 27,000円(一律) |
|---|---|
| 運営 | LENIS Entertainment株式会社 |
| 特徴 | 完全後払い制、退職成功率100%、顧問弁護士指導、24時間LINE相談 |
10. 退職代行ニコイチ
創業20年、累計5万人以上の退職を成功させてきた業界の老舗です。長年の経験で培われたノウハウと、退職成功率100%という圧倒的な実績が強み。弁護士監修も入っており、安心して依頼できるサービスです。
| 料金 | 27,000円(一律) |
|---|---|
| 運営 | 株式会社ニコイチ |
| 特徴 | 創業20年の老舗、5万人以上の実績、退職成功率100%、弁護士監修 |
よくある質問(FAQ)
- Q1. 退職代行の利用は違法ではないですか?
- A1. 退職代行サービスを利用すること自体は違法ではありません。労働者が退職の意思表示を誰かに代行してもらうことは法的に問題ありません。ただし、前述の通り、弁護士資格のない民間業者が報酬を得て「交渉」を行うことは弁護士法違反(非弁行為)となる可能性があります。
- Q2. 本当に即日退職できますか?
- A2. 多くのサービスが「即日退職可能」を謳っていますが、これは「依頼したその日から出社しなくてよくなる」という意味合いが強いです。民法第627条では、退職の申し入れから2週間で雇用契約が終了すると定められています。そのため、会社が合意しない限り、正式な退職日は2週間後となります。その2週間は欠勤扱いや有給休暇を消化することで、実質的に出社を不要にします。
- Q3. 会社から直接連絡が来たらどうすればいいですか?
- A3. 信頼できる退職代行サービスは、依頼時に「本人には直接連絡しないように」と会社に伝えてくれます。もし連絡が来ても、出る必要はありません。すべて代行業者に対応を任せましょう。弁護士や労働組合に依頼している場合は、彼らが盾となってくれます。
- Q4. 料金が安い業者でも大丈夫ですか?
- A4. 料金の安さだけで選ぶのは危険です。特に相場より極端に安い業者は、必要なサポートが受けられなかったり、悪質な業者である可能性も否定できません。安価な民間企業を選ぶ際は、本記事で紹介したような実績が豊富で評判の良いサービスを選ぶことが重要です。
- Q5. 退職代行を使うと、次の転職で不利になりますか?
- A5. 基本的に不利になることはありません。退職代行を利用した事実は、個人情報保護の観点から前の会社が次の会社に伝えることは通常ありません。また、調査によると、退職代行利用者の約9割が現状維持以上のキャリアを実現しており、キャリアに好転をもたらすケースも多いようです。
まとめ:自分に合った退職代行を選び、円満な次の一歩を
退職代行サービスは、もはや追い詰められた人のための最終手段ではなく、スムーズで円満な退職を実現するための合理的な選択肢の一つとなっています。しかし、その恩恵を最大限に受けるためには、業者選びが何よりも重要です。
この記事で解説したように、失敗しないための鍵は、「自分の状況を正しく把握し、それに合った運営元(民間企業・労働組合・弁護士)のサービスを選ぶこと」に尽きます。
- 伝えるだけでOKなら → 民間企業
- 有給などの交渉が必要なら → 労働組合
- 法的なトラブルがあるなら → 弁護士
この原則を念頭に置き、料金体系の明確さや実績、サポート体制などを比較検討することで、あなたにとって最適なパートナーが見つかるはずです。心身ともに限界を迎える前に、信頼できるプロの力を借りて、新しいキャリアへの第一歩を安心して踏み出しましょう。

コメント