ヨネックス バドミントンシューズ 65Z シリーズ徹底解説：選び方から最新モデルまで

なぜPOWER CUSHION 65Zは選ばれ続けるのか？

ヨネックスの「POWER CUSHION 65Z」シリーズは、初心者から世界のトッププロまで、幅広い層のバドミントンプレーヤーに愛用されている定番モデルです。その人気の秘密は、「フィット感」「グリップ力」「クッション性」という、シューズに求められる三大要素を極めて高いレベルで融合させた、卓越したオールラウンド性能にあります。

激しいフットワークが要求されるバドミントンにおいて、シューズはプレーヤーのパフォーマンスを直接左右する重要なギアです。65Zシリーズは、俊敏な動きを支える安定性と、長時間のプレーでも快適さを損なわないフィット感を両立。多くのプレーヤーが「迷ったら65Z」と口を揃えるほどの信頼を勝ち得ています。本記事では、この65Zシリーズの進化の歴史、搭載されている革新的なテクノロジー、そして自分に合った一足を見つけるための選び方を徹底的に解説します。

65Zシリーズの進化の軌跡

POWER CUSHION 65Zは、単一のモデルではなく、時代のニーズとテクノロジーの進化に合わせて改良を重ねてきたシリーズです。ここでは、近年の主要なモデルを振り返り、その進化の軌跡をたどります。

POWER CUSHION 65Z 3：完成度の高い人気モデル

2022年1月下旬に発売された「POWER CUSHION 65Z 3」は、シリーズの評価を不動のものにしたモデルです。このバージョンでは、グリップ力を約3%向上させた「ラディアルブレードソール」や、反発性を20%高めた新素材「フェザーバウンスフォーム」が新たに採用されました。これにより、コートをしっかりと掴む安定感と、次の一歩への推進力が大幅に向上しました。多くのユーザーレビューで「バランスが良い」「動きやすい」と高く評価されており、現在でも多くのプレーヤーに愛用されています。

POWER CUSHION 65Z C-90：サステナビリティへの挑戦

2023年には、シリーズの高性能はそのままに、環境への配慮を融合させた限定モデル「POWER CUSHION 65Z C-90」が登場しました。このモデルの最大の特徴は、アッパーの合成皮革に約90%のリサイクルポリエステルを使用した点です。モデル名の「C-90」は、この90%達成を祝う「Celebration」と、持続可能性への「Commitment」を意味しています。ビクター・アクセルセン選手（デンマーク）やチェン・ユーフェイ選手（中国）など、世界のトップアスリートが2023年の世界選手権で使用したことでも話題となりました。

POWER CUSHION 65Z 4：最新の進化

そして2025年3月、シリーズ最新作となる「POWER CUSHION 65Z 4」が発売されました。このモデルでは、フィット感をさらに高めるため、タンと履き口を一体化させた「インナーブーティ構造」を新たに採用。これにより、足とシューズの一体感が増し、より俊敏で安定したフットワークが可能になりました。また、アウトソールの設計も見直され、屈曲性が向上しダッシュ力が高められています。まさに、これまでの65Zシリーズの集大成とも言えるモデルです。

勝利を支えるコアテクノロジー

65Zシリーズの卓越したパフォーマンスは、ヨネックスが長年培ってきた独自のテクノロジーによって支えられています。ここでは、その中でも特に重要な3つの技術を深掘りします。

衝撃吸収と反発性の心臓部：「パワークッションプラス」

ヨネックスのシューズテクノロジーを語る上で欠かせないのが「パワークッションプラス」です。これは、従来の衝撃吸収材であるEVA素材と比較して、衝撃吸収性を28%、反発性を62%も向上させた特殊素材です。その性能は「12mの高さから落とした生卵が、割れずに6m以上跳ね返る」という驚異的な実験結果によって証明されています。

この技術により、プレーヤーは着地時の足への負担を大幅に軽減できるだけでなく、その衝撃を次の一歩を踏み出すためのエネルギー（推進力）に変換することができます。激しいラリーが続く中でも、プレーヤーの足を守り、パフォーマンスの維持に貢献する、まさにシューズの心臓部と言えるテクノロジーです

究極のグリップ力を生む：「ラディアルブレードソール」

バドミントンの急なストップ＆ゴーや、縦横斜めへの多方向な動きに対応するためには、優れたグリップ力が不可欠です。65Zシリーズに採用されている「ラディアルブレードソール」は、忍者の使う「手裏剣」を彷彿とさせる独特な形状のソールパターンが特徴です。

このパターンは、変形が大きいエリアと小さいエリアを細かく配置することで、シューズにかかる圧力を効率的に分散させ、あらゆる方向へのグリップ性能を従来比で約3%向上させています。これにより、プレーヤーはコートに吸い付くような接地感を得ることができ、より確実で素早いフットワークを実現します。

素足感覚のフィット感：「シームレスアッパー」と「ラテラルシェル」

65Zシリーズが提供する「素足のような」と評される快適なフィット感は、「シームレスアッパー」と「ラテラルシェル」という2つの技術によって実現されています。アッパー（甲を覆う部分）において、素材の重なりを最小限に抑えたシームレスエリアを拡大することで、シューズが屈曲する際のストレスを解消し、柔らかな履き心地をもたらします。

さらに、足の外側を補強する「ラテラルシェル」が、柔らかなフィット感を保ちつつ、横方向へのブレを防ぎ、高いホールド性を両立させています。これにより、プレーヤーはシューズとの一体感を感じながら、安心してプレーに集中することができます。

モデル比較と選び方のポイント

65Zシリーズは非常に魅力的ですが、ヨネックスには他にも優れたシューズがあります。ここでは、他の人気シリーズとの比較や、自分に合ったモデルを選ぶためのポイントを解説します。

重量で比較：65Zシリーズ vs. エアラスZ

ヨネックスのシューズ選びでよく比較対象となるのが、最軽量モデルの「エアラスZ」シリーズです。65Zシリーズが安定性とフィット感を重視したオールラウンドモデルであるのに対し、エアラスZは軽さを武器に素早いフットワークを追求するモデルです。以下のグラフは、各モデルの重量（片足26.0cmの場合）を比較したものです。

選び方のヒント： 安定感とサポート力を重視し、バランスの取れたシューズを求めるなら65Zシリーズ。とにかく軽さを求め、スピード感あふれるフットワークをしたいならエアラスZシリーズがおすすめです。

足幅で選ぶ：ノーマル(3E)、ワイド(4E)、スリム(2E)

シューズの性能を最大限に引き出すには、自分の足に合ったサイズ、特に「足幅（ワイズ）」を選ぶことが非常に重要です。65Zシリーズは、多くのプレーヤーにフィットするよう、複数の足幅モデルを展開しています。

• スリム (2E): 足幅が狭い方向けの設計。
• ノーマル (3E): 標準的な足幅の方向けの最も一般的なモデル。
• ワイド (4E): 足幅が広い方や、甲高の方でも快適に履けるゆったりとした設計。

レビューでは特にワイドモデルが「履きやすい」「足が痛くならない」と高評価を得ています。自分の足の形を考慮して、最適なワイズを選ぶようにしましょう。

ユーザーレビューと評価

65Zシリーズは、実際の使用者からも高い評価を得ています。Amazonなどのレビューサイトから、代表的な声をいくつかご紹介します。

「クッションが効いていて、足をしっかりホールドしてくれるので、快適に運動できます。グリップ力も素晴らしく、急な動きでも滑りません。」

「幅広甲高の足ですが、ワイドタイプはとても履きやすいです。大きすぎることもなく、想像よりもタイトで良かったです。」

全体的に、クッション性、グリップ力、フィット感といった基本性能への満足度が非常に高いことが伺えます。一方で、「新品のうちは少し硬く感じるが、履き慣らすと足に馴染む」といった声もあり、多少の慣らし期間が必要な場合もあるようです。

Amazonで購入できる65Zシリーズ紹介

ここでは、現在Amazonで購入可能なPOWER CUSHION 65Zシリーズの代表的なモデルをいくつかご紹介します。自分に合ったモデルを見つけて、パフォーマンス向上を目指しましょう。

まとめ：あなたに最適な一足を見つけるために

ヨネックスのPOWER CUSHION 65Zシリーズは、長年にわたる技術革新の積み重ねにより、フィット感、グリップ力、クッション性という要素を高い次元で実現した、まさに「オールラウンドシューズの王道」です。そのバランスの取れた性能は、バドミントンを始めたばかりの初心者から、世界の頂点で戦うトッププロまで、あらゆるプレーヤーの要求に応えてくれます。

最新の「65Z 4」で究極のフィット感を追求するもよし、完成度の高い「65Z 3」で安定したプレーを目指すもよし。そして何より、自分の足に合ったワイズ（足幅）を選ぶことが、最高のパフォーマンスを引き出す鍵となります。この記事を参考に、ぜひあなたにとって最適な一足を見つけ、コートでのプレーをさらに楽しんでください。