バドミントンは、激しいフットワークとジャンプが勝敗を分けるスポーツです。プレーの質を高め、怪我を防ぐためには、自分の足に合ったシューズ選びが不可欠です。市場にはヨネックスやミズノといった強豪ブランドがひしめく中、ランニングシューズで世界的に有名なアシックス(Asics)も、その高い技術力で多くのプレーヤーから支持を集めています。
本記事では、アシックスのバドミントンシューズが持つ特徴や強みを深掘りし、2025年現在の人気モデルをAmazonの販売情報と合わせて紹介します。自分のプレースタイルや足の形に最適な一足を見つけるための参考にしてください。
なぜアシックス?バドミントンシューズにおける3つの強み
アシックスは、創業理念である「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」の頭文字をブランド名とし、長年にわたりスポーツ工学研究所で機能性の高い製品を開発してきました。その技術はバドミントンシューズにも活かされています。
1. 独自の衝撃吸収技術「GEL™」と「FLYTEFOAM™」
アシックスのシューズテクノロジーの代名詞とも言えるのが、衝撃吸収材「GEL™(ゲル)」です。もともとは宇宙船の衝撃吸収材から着想を得て開発されたこの素材は、特に着地時の衝撃が集中するかかと部分に搭載されています。スポンジ系のクッション材と比較してへたりにくく、長期間にわたって優れた衝撃吸収性能を維持します。
さらに、軽量ミッドソール素材「FLYTEFOAM™(フライトフォーム)」との組み合わせにより、ソフトで快適な履き心地と軽量化を両立。ジャンプやスマッシュを多用するプレーヤーの足や膝への負担を効果的に軽減します。
アシックスのGELテクノロジーは、約40年にわたる進化を遂げ、プレーヤーの関節や足への衝撃を和らげるために、世界的に有名なクッショニングシステムとして採用されています。
2. 日本人の足を知り尽くしたフィット感
アシックスは、シューズの設計基盤となる「ラスト(足型)」を日本のスポーツメーカーで最も多く保有していると言われています。これにより、様々な競技特性や日本人の多様な足の形に合わせた精密なシューズ開発が可能です。
バドミントンシューズにおいては、特にかかと部分の収まり(ヒールカップの食いつき)が良いと評判です。プレー中にかかとが浮きにくく、シューズとの一体感が高まることで、エネルギーロスを抑え、俊敏な動きをサポートします。ただし、後述するように、全体的には幅狭のモデルが多い点には注意が必要です。
3. 安定性と軽量性の両立
GEL素材は単体ではやや重さがありますが、アシックスはシューズ全体で軽量化を追求しています。アッパー素材の工夫や、セパレートタイプのアウターソール設計などを採用することで、着用感の軽さを実現しています。
また、モデルによってはアウターソール中足部に「TWISTRUSS」を搭載し、縦方向への過度なねじれを抑制。これにより、多方向へのステップやターンといったバドミントン特有の動きに対する安定性を高めています。フィット感の高さと相まって、シューズが足に吸い付くような感覚をもたらし、無駄な重さを感じさせません。
アシックスバドミントンシューズの選び方:プレースタイルと足型で選ぶ
アシックスのシューズを選ぶ上で最も重要なポイントは「足幅」と「プレースタイル」です。他のメーカーから乗り換える際は特に注意しましょう。
足幅の確認は必須:アシックスは「幅狭」が基本
日本のバドミントンシューズ市場では、ヨネックスが標準幅として「3E」を採用している影響で、3Eが主流となっています。しかし、アシックスのバドミントンシューズは基本的に「2E(スタンダード)」またはそれ以下の幅狭設計が中心です。
そのため、普段3Eや4E(ワイド)のシューズを履いている方がアシックスを選ぶと、小指あたりが痛くなる可能性があります。逆に、足幅が狭く、他のメーカーのシューズでは靴の中で足がズレてしまうという悩みを持つプレーヤーにとっては、アシックスがジャストフィットする可能性が高いでしょう。
あるユーザーレビューでは、「ミズノでは親指を、ヨネックスでは小指を痛めたが、アシックスのシューズに変えたところ、最高の履き心地だと感激した」という声もあります。
購入前には必ず試着し、自分の足幅に合っているかを確認することが重要です。
プレースタイル別おすすめシリーズ
アシックスのラインナップは、主に以下のシリーズに大別できます。
- 攻撃型・上級者向け【COURT CONTROLシリーズ】: 柔軟性とクッション性を両立したフラッグシップモデル。ジャンプやスマッシュを多用し、長いラリーを戦うプレーヤー向け。横方向へのサポート力も高い。
- スピード重視・中〜上級者向け【BLADEシリーズ】: 軽量性と柔軟性を追求したスピードモデル。素早いステップや多方向へのターンを多用するアグレッシブなプレーヤーにおすすめ。
- バランス・初〜中級者向け【GEL-COURT HUNTERシリーズ】: クッション性と柔軟性を備え、コストパフォーマンスに優れたモデル。幅広い層のプレーヤーに対応する。
【2025年最新】Amazonで人気のアシックスバドミントンシューズ6選
ここでは、Amazon.co.jpで実際に販売されており、レビュー評価も高い人気モデルを厳選して紹介します。(価格は2025年11月時点の参考価格です)
1. COURT CONTROL FF 3(コートコントロール FF 3)
アシックスのバドミントンシューズにおける最上位モデル。GELとFLYTEFOAMを搭載し、優れたクッション性とソフトな足裏感覚を提供します。PUアッパーと横方向へのラップアップアウターソールが、激しい動きの中での安定性とフィット感を向上させます。ジャンプやスマッシュを多用する攻撃的なプレーヤーに最適です。
- 対象: 上級者
- 特徴: 高いクッション性、安定性、サポート力
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: ¥12,000~¥16,000
2. BLADE FF(ブレード FF)
スピードと軽量性を追求したモデル。メッシュと人工材補強で構成されたアッパーが耐久性と軽量化を両立。ヒールドロップを高く設計し、前方向への一歩目をより速く踏み出せるようサポートします。アウターソールにはTWISTRUSSやX Guidanceを搭載し、多方向への俊敏な動きを可能にします。スピードを武器にコートを駆け回るプレーヤーにおすすめです。
- 対象: 中〜上級者
- 特徴: 軽量性、スピード、俊敏性
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: ¥9,000~¥12,000
3. GEL-COURT HUNTER 3(ゲルコートハンター 3)
コストパフォーマンスに優れた中級者向けモデル。前足部のGELがクッション性を発揮し、スムーズな着地をサポートします。セパレートタイプのアウターソールで軽量化を図りつつ、フレックスグルーブ(屈曲溝)が柔軟性を高め、急な動きにも対応します。部活動プレーヤーや、これから本格的に始めたい方に人気です。
- 対象: 初〜中級者
- 特徴: バランスの取れた性能、コストパフォーマンス
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: ¥7,000~¥10,000
4. GEL-TASK 3(ゲルタスク 3)
バレーボールやハンドボールなど他のインドアスポーツと兼用されることも多い安定性重視のモデル。GEL-COURT HUNTERと同様にコストパフォーマンスが高く、特に足の大きいプレーヤーにとって嬉しい30.0cmまでのサイズ展開があるのが特徴です。しっかりとした作りで、安定したプレーを求める方に向いています。
- 対象: 初〜中級者
- 特徴: 安定性、幅広いサイズ展開
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: ¥8,000~¥10,000
5. ATTACK HYPERBEAT 4(アタック ハイパービート 4)
主に卓球シューズとして開発されていますが、日本バドミントン協会検定合格品であり、バドミントンでも使用可能です。アシックスのラインナップの中で唯一ジュニアサイズ(19.0cm~)の展開があるのが大きな特徴。シンプルなデザインと手頃な価格で、親子で揃えたい場合や、成長期のジュニアプレーヤーに最適です。
- 対象: ジュニア、エントリー層
- 特徴: ジュニアサイズ対応、シンプルデザイン
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: 約¥10,000
6. UPCOURT 5(アップコート 5)
バドミントンを始めたばかりのエントリープレーヤーに最適なモデル。手頃な価格ながら、インドアスポーツに必要な基本的な性能を備えています。日本バドミントン協会検定合格品なので、試合にも出場可能です。(※後継モデルのUPCOURT 6は2025年11月現在、未登録のため試合出場不可の点に注意)
- 対象: エントリー層
- 特徴: 圧倒的なコストパフォーマンス
- 足幅: 2E相当(スタンダード)
- 参考価格: ¥6,000~¥8,000
主要ブランド比較:アシックス vs ヨネックス vs ミズノ
バドミントンシューズ選びでは、他ブランドとの比較も重要です。ここでは、市場の主要3ブランドの特徴を比較します。
- アシックス (Asics):
- 強み: 優れた衝撃吸収性(GELによるソフトな感触)、安定性、幅狭な足へのフィット感。
- 弱み: モデルの選択肢が少ない、幅広の足には不向きな場合が多い。
- キーワード: クッション&サポート
- ヨネックス (YONEX):
- 強み: 高い市場シェアと豊富なラインナップ、優れた反発性(パワークッションプラス)、耐久性。
- 弱み: モデルによっては価格が高め。
- キーワード: 反発&スピード
- ミズノ (MIZUNO):
- 強み: 軽量性と加速性(ミズノエナジー)、高いフィット感(MBホールドフィット)。
- 弱み: ヨネックスに比べるとモデル数はやや少ない。
- キーワード: 軽量&加速
結論として、「最高のシューズ」は存在せず、「あなたにとって最高のシューズ」を見つけることが重要です。関節への負担を軽減したい、あるいは守備的なプレーが多いならアシックスのクッション性が、攻撃的で素早いフットワークを求めるならヨネックスの反発性やミズノの軽量性が、それぞれ魅力的な選択肢となるでしょう。
まとめ:あなたに最適な一足を見つけるために
アシックスのバドミントンシューズは、バドミントン市場全体で見るとニッチな存在かもしれませんが、その独自の技術と哲学に魅了されるプレーヤーは少なくありません。特に、その優れた衝撃吸収性能と、幅狭な足にフィットする設計は、他のブランドにはない大きな魅力です。
一方で、アシックスはバドミントンに特化したラインナップが限られており、多くが「インドアシューズ」として展開されているため、自分のプレースタイルに合うモデルを慎重に選ぶ必要があります。この記事で紹介したポイントと人気モデルを参考に、ぜひ一度アシックスのシューズを試着してみてください。
アシックス選びの最終チェックリスト
✅ 自分の足は幅狭(2E以下)か?
✅ プレー中にジャンプや急停止が多く、足への負担を軽減したいか?
✅ シューズの中で足がズレる感覚に悩んだことがあるか?
これらの質問に「はい」と答えるなら、アシックスのバドミントンシューズは、あなたのパフォーマンスを新たなレベルに引き上げる最高のパートナーになるかもしれません。

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