終活本おすすめ10選｜初心者向けガイド【2025年最新版】

「終活」という言葉を耳にする機会が増え、「そろそろ自分も考えなければ…」と思いつつも、何から手をつければ良いのか分からず、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。そんな終活初心者の心強い味方となるのが「終活本」です。

この記事では、数ある終活本の中から、特に初心者におすすめの10冊を厳選してご紹介します。本の選び方のポイントから、読んだ後の具体的なアクションまで、あなたの終活の第一歩を総合的にサポートします。

なぜ今「終活」と「終活本」が注目されているのか？

近年、終活への関心は急速に高まっています。それは単なる「死への準備」ではなく、人生の最終章を自分らしく、より豊かに生きるための前向きな活動として認識され始めているからです。

拡大する終活関連市場

終活への関心の高まりは、市場規模にも表れています。株式会社矢野経済研究所の調査によると、身元保証や生前整理といった終活関連ビジネスの市場規模は年々拡大しており、今後も成長が見込まれています。

2024年度の終活関連ビジネス市場規模（身元保証と生前整理の2分野合計）は234億5,000万円と推計され、2026年度には280億円に達すると予測されています。

このデータは、多くの人が終活を重要な課題と捉え、具体的なサービスを求めていることの証左と言えるでしょう。

終活は「残りの人生をより良く生きる」ための活動

終活の本来の目的は、死後の手続きや整理だけではありません。自分の人生を振り返り、価値観を見つめ直し、残された時間をどう過ごしたいかを考えることで、これからの人生をより前向きに、自分らしく生きるための活動です。ミンテルジャパンの調査では、40歳以上の約7割が終活の準備を重要だと感じているという結果も出ており、幅広い世代にとっての関心事となっています。

初心者でも失敗しない！終活本の選び方3つのポイント

書店には多種多様な終活本が並んでおり、どれを選べば良いか迷ってしまいます。ここでは、自分にぴったりの一冊を見つけるための3つのポイントをご紹介します。

1. 自分の「知りたい目的」で選ぶ

まずは「何を知りたいのか」を明確にしましょう。終活の範囲は非常に広いため、目的に合わせて本を選ぶことが重要です。

• 全体像を知りたい：終活の基本から相続、葬儀まで網羅的に解説された「入門書」
• 特定の分野を深掘りしたい：「生前整理」「相続」「エンディングノート」など、テーマに特化した「専門書」
• リアルな体験談が読みたい：著者の体験を綴った「エッセイ」や「実践記」

2. 「読みやすさ」と「実践しやすさ」で選ぶ

特に初心者の方は、途中で挫折しないよう「読みやすさ」を重視しましょう。イラストや図解が多い本、Q&A形式で分かりやすい本、マンガで学べる本などがおすすめです。また、エンディングノートのように書き込み式のワークが付いている本は、読みながらすぐに行動に移せるため、実践的です。

3. 「誰のための終活か」で選ぶ

「自分のため」か「親のため」かによっても、選ぶべき本は変わります。自分の終活であれば、自身のライフスタイル（おひとりさま、夫婦のみなど）に合った本を。親の終活をサポートしたい場合は、子世代の視点から書かれた本や、親との対話のきっかけ作りになるような本が役立ちます。

【2025年】初心者におすすめの終活本10選

上記の選び方を踏まえ、様々なジャンルから初心者におすすめの終活本を10冊厳選しました。

【全体像を掴む入門書】

1. 『老後ひとり暮らしの壁』 – リアルな課題と解決策がわかる

著者：山村 秀炯
生前整理・遺品整理のプロが、老後のひとり暮らしで直面するお金、健康、人間関係などの「壁」について、具体的な乗り越え方を解説。終活を考え始めたばかりの人が、まず全体像とリアルな課題を把握するのに最適な入門書です。特に、頼れる人が少ないと感じる方におすすめです。

2. 『自分と家族の生前の整理と手続き』 – Q&A形式で疑問を解消

著者：根本 達矢ほか弁護士・税理士4名
終活にまつわる150の疑問に専門家が一問一答形式で答える、非常に実践的な一冊。難しい法律や税金の話も図解や漫画で分かりやすく解説されています。書き込み式のシートも付いており、エンディングノートとしても活用できます。

【生前整理・片付け】

3. 『家族に感謝される終活整理術』 – 遺族が困らない整理術

著者：内藤 久
2,150件以上の遺品整理を手がけたプロが、遺族が実際に困った事例を基に、元気なうちに行うべき身辺整理の重要性を説きます。残された家族の負担を減らし、「ありがとう」と言われるための具体的なノウハウが詰まっています。

4. 『あした死んでもいい片づけ 実践!』 – 覚悟を決めて始める片付け

著者：ごんおばちゃま
大人気ブロガーによる「究極の最後の片付け」を指南する本。「抜く」という独自のメソッドで、物を手放す覚悟と具体的な手順を教えてくれます。片付けが苦手で、どこから手をつけていいか分からないという方の背中を押してくれる一冊です。

【エンディングノート】

5. コクヨ『もしもの時に役立つノート』 – 書きやすさで選ぶ定番

著者：コクヨ
エンディングノートの定番として絶大な人気を誇る一冊。何を書けば良いかが項目ごとに整理されており、質問に答えていくだけで必要な情報が自然とまとまります。初めてエンディングノートを書く方に最適で、まずこれを一冊仕上げることで終活の全体像が見えてきます。

6. 『看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート』 – 医療・介護の視点をプラス

著者：田谷 光一
多くの患者を看取ってきた医師が監修したエンディングノート。財産や葬儀のことだけでなく、延命治療の希望や介護に関する考えなど、医療的な側面に重点が置かれているのが特徴です。自分らしい最期を迎えるための意思表示をしっかり残したい方におすすめです。

【デジタル終活】

7. 『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた＋隠しかた』 – スマホ・PC時代の必読書

著者：伊勢田 篤史、古田 雄介
スマホやPC内のデータ、SNSアカウント、ネット証券など、現代人にとって避けて通れない「デジタル遺品」。遺族が困らないための対策を、本人目線と家族目線の両方から具体的に解説しています。デジタルに不慣れな方でも分かりやすく、今すぐ取り組むべき課題が見つかります。

【おひとりさま・生き方】

8. 『死に方がわからない』 – おひとりさまのリアルな終活実践記

著者：門賀 美央子
独身・子なしの著者が、自身の終活を赤裸々に綴った実践記。「おひとりさま」が直面するリアルな問題と、その解決策が具体的に示されています。同じ境遇の方はもちろん、将来に漠然とした不安を抱えるすべての人に、生きる勇気とヒントを与えてくれます。

【医療・介護・看取り】

9. 『自宅で最期を迎える準備のすべて』 – 自分らしい最期を迎えるために

著者：大軒 愛美
「最期は住み慣れた自宅で迎えたい」と考える人は多いですが、そのために何が必要かを知る人は少ないのが現状です。本書は、在宅での看取りを実現するために本人と家族が知っておくべきことを網羅。幸せな最期を迎えるための具体的な準備が分かります。

【相続・お金】

10. 『終活・相続の便利帖』 – 難しいお金の話をイラストで解説

監修：一橋 香織
「争族」を避けるために不可欠な相続の知識。この本は、難解になりがちな相続問題を、やさしいイラストと簡潔な文章で解説しており、知識ゼロからでも無理なく学べます。「我が家はもめない」と思っている方こそ読んでおきたい一冊です。

終活本を読んだら次に行うべきこと

本を読んで知識を得るだけで終わらせては意味がありません。得た知識を元に、具体的な行動に移すことが大切です。

家族との対話のきっかけにする

終活は一人で進めるものではなく、家族との協力が不可欠です。しかし、死やお金に関する話題は切り出しにくいもの。読んだ本をきっかけに、「この本に書いてあったんだけど…」と話を切り出してみてはいかがでしょうか。調査によると、終活について話すタイミングは「日常会話の中」が最も多いという結果もあり、自然な会話の中で始めるのが成功の鍵です。

専門家への相談も視野に入れる

相続や遺言、不動産など、法的な手続きが必要な事柄については、自己判断で進めるとトラブルの原因になりかねません。本で基礎知識を身につけた上で、必要に応じて弁護士、司法書士、税理士、行政書士などの専門家に相談しましょう。多くの自治体や専門家団体が無料相談窓口を設けているので、活用するのも一つの手です。

まとめ

終活は、決してネガティブな活動ではありません。人生の終わりを見つめることで、今をどう生きるかが見えてくる、非常に前向きな自己投資です。

今回ご紹介した10冊の本は、その第一歩を踏み出すための羅針盤となるはずです。まずは気になる一冊を手に取り、あなただけの「最高の人生のエンディング」に向けた準備を始めてみませんか。