2008年の登場以来、世界の卓球界を席巻し続けているバタフライの「テナジー」シリーズ。トッププロからアマチュア選手まで、数多くのプレイヤーに愛用され、「最強ラバー」としての地位を不動のものにしています。しかし、そのラインナップは多岐にわたり、「自分にはどのテナジーが合っているのか?」と悩む方も少なくありません。
この記事では、テナジーシリーズ全種類の性能や特徴を徹底的に比較・解説します。各モデルがどのようなプレースタイルに適しているのかを明らかにすることで、あなたが最高のパフォーマンスを発揮するための「運命の一枚」を見つけるお手伝いをします。
テナジーシリーズ共通の革命的テクノロジー
テナジーシリーズが卓球界に革命をもたらした背景には、バタフライ独自の2つの革新的な技術があります。それが「スプリングスポンジ」と「ハイテンション技術」です。これらの技術の組み合わせが、従来のラバーでは実現不可能だった高いレベルでのスピードとスピンの両立を可能にしました。
スプリングスポンジ
「スプリングスポンジ」は、その名の通り、ボールが当たるとバネのように縮んでエネルギーを蓄え、爆発的にボールを弾き出す特性を持つスポンジです。これにより、ボールを深く掴むような独特の打球感が生まれ、プレイヤーは打球を自在にコントロールしながらも、強力な弾みを得ることができます。この「ボールを包み込む感覚」こそ、多くのプレイヤーがテナジーに魅了される理由の一つです。
ハイテンション技術
「ハイテンション技術」は、ラバーのゴム分子そのものに特殊な加工を施し、高いテンション(張力)を内蔵させる技術です。これにより、打球時のエネルギーロスが極限まで抑えられ、ラバーが持つ本来の性能を最大限に引き出します。かつて補助剤(スピードグルー)で得ていたような反発力を、ラバー単体で、しかも安全に実現した画期的なテクノロジーです。
開発コードで分類されるツブ形状
テナジーシリーズの性能を決定づけるもう一つの重要な要素が、トップシートの下にある「ツブ形状」です。バタフライは200種類以上もの金型を作製し、膨大なテストを経て、各モデルに最適なツブ形状を採用しました。このツブ形状は「開発コードNo.」で識別され、それぞれの番号がラバーの個性(回転重視、スピード重視など)を決定づけています。
テナジーシリーズ性能比較
テナジーシリーズの主要モデルは、それぞれ異なる性能バランスを持っています。ここでは、バタフライが公式に発表している性能指標(スピード、スピン)を基に、主要5モデルの特性を比較します。これにより、各ラバーの立ち位置が視覚的に理解できるでしょう。
上のグラフから、テナジー64が最もスピードに優れ、テナジー05とテナジー25がスピン性能でトップクラスにあることがわかります。テナジー80とテナジー19は、その両方を高いレベルで両立しているバランスタイプと言えるでしょう。
【番号別】テナジーシリーズ各モデル徹底レビュー
ここからは、各モデルの具体的な特徴と、どのようなプレイヤーにおすすめなのかを詳しく見ていきましょう。
テナジー05:圧倒的な回転性能
「スピン性能が高い」と評価された“開発コードNo.05”のツブ形状を採用。強烈な回転をかけることができ、サービスやドライブで絶大な威力を発揮します。
2008年にシリーズ最初のラバーとして登場したテナジー05は、回転性能に特化したモデルです。ボールを薄く捉えても強烈なスピンがかかり、弧線を描く安定したドライブが打ちやすいのが最大の特徴。特にトップスピンを多用する攻撃型の選手から絶大な支持を得ています。回転で試合を支配したいプレイヤーにとって、これ以上ない選択肢となるでしょう。
テナジー64:スピードと飛距離の追求
“開発コードNo.64”のツブ形状により、ボールがラバーに食い込んだ際に優れた反発力を発揮。スピード性能を追求したモデルです。
テナジー64は、シリーズ随一のスピード性能を誇ります。打球感が柔らかめでボールが食い込みやすく、インパクトの強さに関わらず安定してスピードボールを放つことができます。中陣~後陣でのラリー戦を得意とする選手や、連続攻撃で相手を圧倒したいプレイヤーに最適です。その扱いやすさから、女子選手や幅広いレベルのプレイヤーに人気があります。
テナジー80:回転とスピードの最高バランス
「スピンとスピードのバランスが優れている」と評価された“開発コードNo.180”を採用。05と64の“良いとこ取り”を目指した万能ラバーです。
テナジー80は、回転性能に優れた05と、スピード性能に優れた64の中間に位置づけられるモデルです。ドライブ、スマッシュ、カウンターなど、あらゆるプレーで高いパフォーマンスを発揮するオールラウンド性が魅力。特定の性能に特化するのではなく、どんな状況でも安定した質の高いボールを打ちたい選手におすすめです。欠点が少なく、多くのプレースタイルにマッチします。
テナジー25:前陣での異次元のプレー
シリーズの中で最も太く低い“開発コードNo.25”のツブ形状が特徴。前陣でのプレーに特化し、相手の強打に打ち負けない強さを持ちます。
テナジー25は、シリーズの中では“異端”とも言える存在です。その独特のツブ形状により、シートが硬く、相手のボールの回転に影響されにくいのが特徴。台上技術やカウンタープレーで絶大な威力を発揮します。特に前陣に張り付いて速いテンポで攻める速攻型の選手や、相手の強打をブロックやカウンターで跳ね返すプレーを得意とする選手にとって、強力な武器となるでしょう。
テナジー19:最新技術がもたらす威力と掴む感覚
細めのツブを限界まで密集させた“開発コードNo.219”を採用。ボールを掴む感覚に優れ、強打時に高いスピードとスピン性能を発揮します。
2021年に発売されたテナジー19は、シリーズで最も新しいモデルです。滑りにくく相手の打球に押し負けないシートが特徴で、特に強いインパクトで打球した際に真価を発揮します。テナジー05とほぼ同じ重量でありながら、より高い威力を引き出すことが可能。ボールをしっかり掴んで打ち抜く感覚を求めるパワーヒッターや、カウンタードライブで得点を狙う現代的なプレースタイルの選手に最適です。
スポンジ硬度のバリエーション:FXとハード
テナジーシリーズの主要モデルには、スポンジの硬さを調整したバリエーションが存在します。これにより、プレイヤーは自分の好みやプレースタイルに合わせて、より細かくラバーをカスタマイズできます。
FXシリーズ:安定性とコントロールを重視
「FX」シリーズは、標準モデルのスポンジ(硬度36度)よりも4度柔らかいスポンジ(硬度32度)を採用したバージョンです。スポンジが柔らかくなることで、ボールが食い込みやすくなり、コントロール性能と安定性が向上します。また、約5%軽量化されているのも特徴です。
- ボールを掴む感覚が強くなり、打球のコントロールが容易になる。
- インパクトが弱い場合でもラバーの性能を引き出しやすい。
- 特にバックハンドでの使用や、安定感を重視するプレイヤーに人気が高い。
テナジーの威力は魅力的だが、少し扱いにくいと感じる方や、より安定したプレーを求める方にはFXシリーズがおすすめです。テナジー05 FX、64 FX、80 FX、25 FXがラインナップされています。
ハードバージョン:プロ仕様のさらなる威力
「ハード」バージョンは、その名の通り、標準モデルより硬いスポンジを採用したモデルです。現在、テナジー05 ハードが発売されており、そのスポンジ硬度は43度。標準の05よりもさらに硬質な打球感で、より高いレベルの威力を追求するトッププレイヤー向けに開発されました。
- 非常に強いインパクトで打球した際に、ボールに絶大なエネルギーを伝えることができる。
- 性能を最大限に引き出すには、相応のスイングスピードとパワーが要求される。
- 中途半端なスイングではボールが飛ばず、使いこなすのが難しい上級者向けのラバー。
自分のパワーに絶対の自信があり、さらなる一撃の威力を求める選手は、テナジー05 ハードを試す価値があるでしょう。
あなたに最適なテナジーの選び方
これまでの情報を基に、あなたのプレースタイルに合ったテナジーを選ぶためのガイドをまとめました。
回転で圧倒したい攻撃型選手
→ テナジー05。強烈な回転量のドライブを武器に、試合の主導権を握りたいあなたに最適です。
スピードラリーで主導権を握りたい選手
→ テナジー64。速いピッチのラリー戦や、中陣からの打ち合いで相手を圧倒したいあなたにおすすめです。
バランスを重視するオールラウンダー
→ テナジー80。どんな技術もそつなくこなし、状況に応じた多彩なプレーで得点するあなたにフィットします。
前陣での速攻やカウンターが得意な選手
→ テナジー25。台上の先手争いや、相手の強打をカウンターで狙う前陣速攻型のあなたに強力な武器となります。
最新の威力を求めるパワーヒッター
→ テナジー19。ボールを掴んで打ち抜く感覚を好み、一撃の威力で相手を仕留めたいあなたにぴったりです。
コントロールと安定性を加えたい選手
→ 各種FXシリーズ。テナジーの性能はそのままに、もう少し扱いやすさと安定性が欲しいと感じるあなたにおすすめです。特にバックハンドに適しています。
さらなる威力を求める上級者
→ テナジー05 ハード。自身のスイングスピードに自信があり、プロ仕様の威力を求めるあなたへの挑戦状とも言える一枚です。
まとめ
バタフライのテナジーシリーズは、単一のラバーではなく、多様なプレースタイルに応えるための緻密なラインナップで構成されています。その核となるのは「スプリングスポンジ」と「ハイテンション技術」であり、モデルごとの個性は「ツブ形状」によって生み出されています。
高価で寿命が短いという側面もありますが、それを補って余りある圧倒的な性能が、世界中のプレイヤーを魅了し続けています。この記事を参考に、ご自身の卓球スタイルや目指すプレーをじっくりと見つめ直し、最高のパートナーとなるテナジーを見つけていただければ幸いです。
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本記事は、合同会社KUREBAが運営するオウンドメディアがお届けしました。
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