卓球ラバーの人気ランキングを調査し、プロ選手が選ぶベスト10を紹介します。市場での人気度や評価を考慮し、Butterfly、Tibhar、Yasaka、Xiom、JOOLA、DHS、Nittaku、STIGA、Donic、Androといった主要ブランドの代表的なラバーを網羅しています。以下の表にトップ10ラバーの一覧を示し、その後に各ラバーの特徴と使い分けのポイントを詳しく解説します。
プロ選手人気ラバートップ10一覧
世界の卓球愛好家を対象としたアンケート結果によれば、以下のブランドが最も人気であることがわかります。
順位 | ラバー名(ブランド) | タイプ | 特徴・強み | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
1 | Dignics 09C(Butterfly) | 日本製テンソル | 高摩擦面で卓越したスピン性能、ハイテンションスポンジで安定したパワーとコントロール。 | フォアハンド(強攻型) |
2 | Hammond Z2(Nittaku) | 日本製テンソル | 硬質スポンジと強力なグリップ面で、ループのスピンとパワーに優れる。 | フォアハンド(強攻型) |
3 | Hybrid K3(Tibhar) | 独製テンソル | スピード・スピン・コントロールのバランスが取れており、硬めでも反発力が適度。 | フォア/バックハンド(攻守兼備) |
4 | Hurricane 3 NEO(DHS) | 中国製タッキー | 粘性面と硬質スポンジで超スピニーなループと安定したコントロールを両立。 | フォアハンド(強攻型) |
5 | V>22 Double Extra(Victas) | 独製テンソル | スピードとスピンが両立し、中距離からのループに威力。 | フォアハンド(強攻型) |
6 | Dynaryz AGR(JOOLA) | 独製テンソル | 高反発スポンジでパワフルなショットを生み出し、硬質ながら一定のコントロール性あり。 | フォアハンド(強攻型) |
7 | Omega V Asia(Xiom) | 独製テンソル | 中硬質スポンジでスピードとコントロールのバランスが良く、使いやすい総合力。 | フォア/バックハンド(攻守兼備) |
8 | Rakza 9(Yasaka) | 独製テンソル | 高速かつスピニーな上にコントロールも良好で、ループやフリックに威力。 | フォアハンド(強攻型) |
9 | DNA Platinum M(STIGA) | 独製テンソル | 中硬質(47.5度)スポンジでスピードとコントロールを両立し、攻守兼備の安定感。 | フォア/バックハンド(攻守兼備) |
10 | Evolution MX-P(Tibhar) | 独製テンソル | 硬質スポンジでパワフルな反発と高スピン、ギアの幅が広くショートゲームも安定。 | フォアハンド(強攻型) |
※「タイプ」は主な製法・特徴を示し、日本製テンソル(高摩擦面・張力スポンジ)、独製テンソル(中摩擦面・張力スポンジ)、中国製タッキー(高粘性面・硬質スポンジ)に大別しています。「主な用途」は一般的な使い分けを示していますが、選手の好みにより前後逆に使われる場合もあります。
各ラバーの特徴と使い分け
人気ラバーはブランドの本拠地によって特徴が異なります。Revspin.netの評価データに基づき、日本製、独製、中国製ラバーのスピン性能を比較してみましょう。
1位:Butterfly Dignics 09C
Butterflyの最新テンソルラバーで、ファン・ジェンドゥン選手がバックハンドに採用しているほどの人気ゴムです。高摩擦面とハイテンションスポンジの組み合わせで、スピン性能とパワーを両立しています。ボールをしっかりと掴んで強烈な上がりスピンをかけられ、ブロックやカウンターループでも安定したコントロールが得られます。硬めながら反発がマイルドで、ショートゲームでも扱いやすいのが特徴です。プロ並みのボール感覚を求める上級者に最適で、フォアハンドの強攻にもバックハンドのカウンターにも活躍する汎用性の高いラバーです。
2位:Nittaku Hammond Z2
Nittakuの2022年発売の新鋭テンソルラバーで、発売以来人気が高まっています。硬質なスポンジに極めてグリップ力の高いトップシートを組み合わせ、ループのスピンとパワーに優れています。特にスピン性能とキャタピラ効果が高く、上がりスピンの強いボールを放つことができます。硬めながら反発が抑えめで、他の高反発ラバーに比べて受け返しやネット前でのタッチプレーが容易です。フォアハンドの強攻用に最適で、上級者が求める「スピン×パワー」を満たす一方、硬さゆえに初心者にはややハードルが高いラバーです。
3位:Tibhar Hybrid K3
TibharのEvolutionシリーズに続く新ライン「Hybrid」の一つで、スピード・スピン・コントロールのバランスが取れた評価の高いラバーです。硬めのスポンジながら反発が抑えめで、ボールがパッドに残る時間が長く、カウンターループやブロックでも相手のスピンに左右されにくい安定感があります。ショートゲームでのコントロール性も良好で、攻守兼備のプレーに適しています。耐久性についてはやや課題が指摘されるものの、総合力の高さからフォアハンド・バックハンドどちらにも使える万能ラバーとして支持されています。
4位:DHS Hurricane 3 NEO
中国DHSの代表的なタッキーラバーで、長年にわたり世界トップ選手がフォアハンドに愛用しています。マ・ロンやファン・ジェンドゥンといった中国スターがフォアハンドに使用するハリケーン3ナショナルと同系統のゴムで、高粘性のトップシートと硬質スポンジで卓越したスピン性能を発揮します。サーブやリードでもボールに強烈な回転を与えられ、コントロール性も高いです。ただし硬質ゆえに反発は低めで、ボールを飛ばすには自らのスイングでパワーを出す必要があります。そのため上級者の強攻用フォアハンドラバーとして適しており、ショートゲームでのタッチも安定している反面、初心者には扱いにくい硬さです。
5位:Victas V>22 Double Extra
Victas(旧TSP)のテンソルラバーで、2022年に登場した新世代の「50度ラバー」の代表格です。スピードとスピンのバランスが良く、中距離からのループやカウンターに威力を発揮します。英国のリアム・ピッチフォード選手が採用しているほどで、上がりスピンとパワーの両面で高評価です。硬めながらボールの弾道が安定しており、強打時の反発と通常ラリーでのコントロールを両立しています。ただし中速域での反応が鋭敏で、軽い打ち合わせ時には安定性に欠ける場合がある点は注意が必要です。総じて、上級者のフォアハンド用として人気のあるラバーです。
6位:JOOLA Dynaryz AGR
JOOLAの最新テンソルラバーで、硬質スポンジによるパワフルな反発と、適度な摩擦によるスピン性能を備えています。ラリーでのスピードと上がりスピンに優れ、硬めながらも中速ブレードと組み合わせると良好なコントロール性が得られるとの評価があります。ブロックやカウンターでも安定した応答を示し、攻守兼備のプレーに対応できます。ただし反発力が高いため、フレキシブルすぎるブレードと組むとコントロールが難しくなる場合があります。総合的には、上級者のフォアハンド用として人気が高く、硬質ラバーながら使いこなせれば強力な武器となります。
7位:Xiom Omega V Asia
XiomのOmega Vシリーズの中でも特に人気の高いモデルで、独製テンソルの代表格の一つです。中硬質のスポンジでスピードとコントロールのバランスが良く、「スピード/コントロール比が非常に良好」でプレーしやすいとの評価があります。スピン性能も十分で、ループやサーブで安定した回転をかけられます。硬すぎず柔らかすぎないため初心者から上級者まで扱いやすく、フォアハンド・バックハンドどちらにも使える総合力の高いラバーです。ただし超硬質ラバーほどの爆発力はないため、パワー重視のプレーヤーにはやや物足りない場合もあります。それでも総合的な完成度の高さから長年人気を保っています。
8位:Yasaka Rakza 9
Yasakaの高性能テンソルラバーで、「ハイブリッドエナジー」シリーズの中で最速クラスと謳われています。硬めのスポンジに高摩擦面を組み合わせ、ループのスピードとスピンを両立しています。特に攻撃時のスピン・スピード・コントロールがバランス良く、ループ、フリック、サーブと多彩なショットで威力を発揮します。チョップやドロップショットでも強烈な下がりスピンを出せるなど、攻守両面で安定した性能を持つ汎用ラバーです。日本国内では多くのNittaku傘下の選手が採用しているほどで、上級者のフォアハンド用として定番のラバーとなっています。
9位:STIGA DNA Platinum M
STIGAのDNAシリーズにおけるプレミアムモデルで、中硬質(約47.5度)のスポンジによりスピードとコントロールを両立しています。同シリーズの「S」「H」「XH」に比べてスピンを出しやすく、バランスの取れた硬さと反発でコントロール性が高いです。攻守兼備のプレーヤーに適しており、フォアハンドのループからバックハンドのカウンターまで幅広く活躍します。ただしスピン性能はDNA Platinum Sほど高くなく、パワー重視のショットにはやや物足りない場合もあります。それでも総合的な安定感から、中級~上級者の攻守兼用ラバーとして人気を博しています。
10位:Tibhar Evolution MX-P
TibharのEvolutionシリーズ代表格で、硬質スポンジによる高反発と高スピンを備えた攻撃特化型ラバーです。反応が鋭くパワフルなショットを生み出しますが、その分コントロールはやや難易度が高く、自分のポジションが悪いとネット入りしやすいとの指摘もあります。しかし熟練者にとっては「スピン・スピードともに抜群で、ショートゲームでも予想以上にコントロール性がある」優れたラバーであり、Butterfly Tenergy 05よりも安定感があるとの声もあります。高いギア性能で、軽く打っても重く打っても応答が豊かなのが特徴です。上級者のフォアハンド用として長年定番の人気ラバーですが、硬質ゆえ初心者には不向きです。
まとめ:自分に合ったラバーを選ぶコツ
以上、プロ選手も愛用する人気ラバートップ10を紹介しました。それぞれに強みがあり一概に「一番強い」ラバーは存在しません。重要なのは自分のプレースタイルやレベルに合ったラバーを選ぶことです。
- 強攻重視の上級者なら、Dignics 09CやHammond Z2、Hurricane 3 NEOといった硬質でスピン・パワーの高いラバーが適しています。プロ並みのボール感覚と爆発力を求めるならこれらが手頃な武器でしょう。
- 攻守兼備の中級~上級者なら、Hybrid K3やOmega V Asia、DNA Platinum Mといったバランスの取れたラバーがおすすめです。硬すぎず柔らかすぎずで安定感があり、様々な局面で活躍できます。
- 初心者~中級者の場合は、あまり硬すぎないラバーから始めると良いでしょう。例えばYasaka Mark VやDonic Baracuda、Andro Rasanter R42など、スピンが安定しコントロールしやすいラバーが習熟の助けになります。基礎を固めてから上記の高性能ラバーへ移行するのが無難です。
最後に、ラバー選びではブレードとの相性も重要です。硬質ラバーは硬めのブレードと組むと過敏になる場合があるため、フレキシブルなブレードとの組み合わせを検討すると良いでしょう。また、セルフブースト(ラバーに薬剤を塗布して性能を引き出す)についても、中国製ラバーでは一般的ですが欧州製ラバーでは不要な場合が多い点に注意してください。
自分に合ったラバーが見つかれば、プレーが一層楽しく強くなるはずです。本記事のランキングと特徴比較が、皆さんのラバー選びの一助になれば幸いです。
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