ラケット選びが卓球を変える
卓球を始めるとき、多くの人が最初に直面するのが「ラケット選び」です。特に、ラケットの持ち方(グリップ)は、その後のプレースタイルや技術の習得に大きく影響を与える重要な要素です。卓球のラケットグリップは、大きく分けて「シェークハンド」と「ペンホルダー」の2種類が存在します。
「どちらが自分に合っているのだろう?」「プロ選手はどちらを使っているの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、シェークハンドとペンホルダーのそれぞれの特徴、メリット・デメリットをプロの視点から徹底的に比較・解説します。あなたのプレースタイルや目指す卓球に最適な一本を見つけるための手助けになれば幸いです。
2大グリップ「シェークハンド」と「ペンホルダー」の基本
まずは、それぞれのグリップがどのようなものか、基本的な特徴から見ていきましょう。
シェークハンドとは?
シェークハンドは、その名の通り「握手(シェークハンド)」をするようにラケットを握るスタイルです。現在、世界の卓球界で最も主流となっているグリップで、初心者からトッププロまで幅広く使用されています。プロコーチも推奨するほど、多くの人にとって自然で扱いやすい握り方です。人差し指をラケットの縁に沿わせ、親指と他の3本の指でグリップを包み込むように持ちます。
シェークハンドの最大の利点は、フォアハンドとバックハンドの切り替えがスムーズで、攻守のバランスが取りやすいことです。特にバックハンド技術が安定しやすく、現代の高速ラリーに対応しやすいとされています。
ペンホルダーとは?
ペンホルダーは、「ペンを握る」ようにラケットを持つスタイルです。親指と人差し指でグリップの付け根をつまみ、残りの指はラケットの裏面に添えて支えます。このグリップは手首の自由度が高く、特にフォアハンドでの強打や、多彩な回転をかけたサーブを得意とします。かつてはアジアを中心に多くのトップ選手が使用していました。
ペンホルダーは、手首のスナップを活かした強力なフォアハンドや、台上での細かいプレー(フリックやストップなど)に優位性があります。しかし、伝統的な片面打ちの場合、バックハンドが弱点となりやすいという特徴も持っています。
【徹底比較】シェークハンド vs ペンホルダー メリット・デメリット
どちらのグリップにも一長一短があります。ここでは、それぞれの長所と短所を客観的に比較し、その特性をチャートで視覚的に見てみましょう。この比較を通じて、どちらが自分の目指すプレースタイルに近いかが見えてくるはずです。
シェークハンドの強みと弱み
- 強み (メリット)
- バックハンドが打ちやすい: 最大の利点です。体の構造上、自然なスイングで安定したバックハンドを打つことができます。ペンホルダーに比べて動き回る必要が少なく、両ハンドでのラリー戦に強いです。
- 攻守のバランスが良い: フォアとバックの両面で攻撃も守備もこなしやすく、穴の少ないオールラウンドなプレーが可能です。
- 打球が安定しやすい: しっかりと握れるためラケット面が安定し、スイングの再現性が高まります。
- 初心者でも扱いやすい: 握手のような自然な握り方のため、卓球を始めたばかりの人でも違和感なくスタートできます。多くの指導者が初心者にシェークハンドを勧める理由もここにあります。
- 弱み (デメリット)
- 手首の可動域が狭い: ペンホルダーに比べて手首が固定されやすいため、サーブや台上プレーで多彩な回転をかけるには工夫が必要です。
- 体の中心(ミドル)の処理: フォアとバックの切り替え点で、体の正面に来たボールの処理が咄嗟に難しくなることがあります。
ペンホルダーの強みと弱み
- 強み (メリット)
- フォアハンドの威力が高い: 手首のスナップを効かせやすく、強力なフォアハンドドライブを打つことができます。
- 台上プレーがやりやすい: 手首の自由度が高いため、フリックやストップといったネット際の細かい技術に優れています。前陣での速攻を得意とする選手に有利です。
- サーブで回転をかけやすい: 同じフォームから様々な回転のサーブを出すことができ、相手を惑わせやすいです。
- ラケットが軽い: 片面にしかラバーを貼らない場合が多く、シェークハンドより軽量です。これによりスイングスピードが上がり、長時間のプレーでも疲れにくいです。
- 弱み (デメリット)
- バックハンドが打ちにくい: 伝統的な片面ペンの場合、バック側に来たボールを打つには手首を大きく返す必要があり、強打が困難です。そのため、フットワークで回り込んでフォアで打つ戦術が基本となり、体力的負担が大きくなります。
- 習得が難しい: シェークハンドに比べて独特の握り方や体の使い方を要求されるため、習得に時間がかかる傾向があります。
あなたのプレースタイルに合うのはどっち?
メリット・デメリットを理解した上で、次は「どのような卓球をしたいか」という観点から考えてみましょう。
シェークハンドがおすすめな人
- 卓球をこれから始める初心者: まずは基本をバランス良く学びたい方には、癖が少なく扱いやすいシェークハンドが最適です。
- 安定した両ハンドプレーを目指す人: フォアもバックも遜色なく振っていきたい、ラリーで安定して勝ちたいというオールラウンドな選手に向いています。
- バックハンドを武器にしたい人: 強力なバックドライブや、安定したブロックで試合を組み立てたい選手にはシェークハンドが有利です。
- 守備的なプレースタイル(カットマン)の人: ラケット面が安定し、広い範囲をカバーしやすいため、カット主戦型の選手はほぼ全員がシェークハンドを使用します。
ペンホルダーがおすすめな人
- 強力なフォアハンドで一点突破したい人: 一撃で相手を打ち抜くような、威力あるフォアハンドに魅力を感じる攻撃的な選手にぴったりです。
- サーブや3球目攻撃を極めたい人: 質の高いサーブから先手を取り、速攻で得点を狙うスタイルを目指す選手。
- フットワークに自信がある人: 台上や前陣での素早い動きを得意とし、コートを広く使って動くことを厭わない選手。
- 個性的なプレーで相手を翻弄したい人: 他の選手とは一味違う、独特のリズムや球質で戦いたいと考えている選手。
グリップの「種類」を深掘り!さらに詳細な選び方
シェークハンドやペンホルダーの中にも、さらに細かい種類の違いがあります。ここを理解すると、より自分にフィットするラケットが見つかります。
シェークハンドのグリップ形状
シェークハンドのグリップは、主に3つの形状があります。手の大きさや握り方の好みで選びましょう。
- FL(フレア): グリップエンドに向かって裾のように広がっている形状。手にフィットしやすく、滑りにくいため、最も人気が高いタイプです。特に初心者や手の小さい女性、子供におすすめです。
- ST(ストレート): まっすぐで太さが均一な形状。打法によって握りを微調整しやすく、とっさの切り替えがしやすいのが特徴です。
- AN(アナトミック): 手のひらの形に合わせて波型になっている形状。フィット感が高く、安定した握りを求める選手に好まれます。
ペンホルダーの種類
ペンホルダーも、主に日本式と中国式の2種類に大別されます。
- 日本式ペン: ブレード(板)が角ばった形をしており、グリップは高めのコルクでできていることが多いです。伝統的に片面のみにラバーを貼り、強力なフォアハンド速攻を目指すスタイルが主流です。
- 中国式ペン: シェークハンドのようにブレードが丸い形状をしています。最大の特徴は、裏面にもラバーを貼ってバックハンドを振る「裏面打法(りめんうちほう)」が使える点です。これによりペンホルダーの弱点だったバックハンドを克服し、シェークハンドに近い両ハンド攻撃が可能になります。現代ペンホルダーの主流はこちらです。
【レベル別】おすすめ卓球ラケット紹介(Amazonリンク付き)
ここでは、あなたのレベルやグリップタイプに合わせたおすすめのラケットをいくつかご紹介します。気になる商品はぜひチェックしてみてください。(※リンクはAmazonアソシエイトプログラムを利用しています)
初心者向けおすすめラケット
初心者はまず、コントロールしやすく、基本的な技術を身につけやすい「弾みすぎない」ラケットを選ぶのがセオリーです。
【シェークハンド初心者向け】バタフライ エクスター5 セット
卓球トップブランド「バタフライ」が提供する初心者向けモデル。5枚合板でコントロール性能に優れ、スイングしやすく打球のコントロールもしやすいのが特徴です。これから卓球を始める方に安心しておすすめできる、まさに王道の一本。ラバーやケースがセットになった商品も多く、手軽に始められます。
【ペンホルダー初心者向け】ニッタク ラージネオペン
こちらも大手ブランド「ニッタク」の初心者向けペンホルダーです。最初からラバーが貼られている「貼り上がり」ラケットなので、購入後すぐに使えます。コントロールしやすく、ペンホルダーの基本的な打ち方を学ぶのに適しています。まずはペンホルダーを試してみたい、という方に最適です。
中級者〜上級者向けおすすめラケット
自分のプレースタイルが固まってきたら、より性能の高いラケットにステップアップしましょう。特殊素材(カーボンなど)を搭載したモデルは、威力と安定性を高いレベルで両立させます。
【シェークハンド上級者向け】バタフライ ビスカリア
世界のトップ選手に愛用され続ける、まさに「名作」ラケット。アリレートカーボンを搭載し、高い反発力とボールを掴む感覚を両立しています。特にバックハンドの振りやすさに定評があり、前〜中陣での高速両ハンドドライブを武器にしたい選手に絶大な人気を誇ります。張本智和選手や多くの中国トップ選手が使用していることでも有名です。
【日本式ペン上級者向け】VICTAS DYNAM 10.5
厳選された木曽檜を使用した、板厚10.5mmの高級単板ラケット。檜単板ならではの心地よい打球感と、破壊力抜群のスピードボールを生み出します。伝統的な日本式ペンドライブ型を目指す選手にとって、最高の武器となる一本です。かつてのアテネ五輪金メダリスト、柳承敏選手のようなプレーに憧れる方におすすめです。
【中国式ペン上級者向け】バタフライ ビスカリア CS
シェークハンドの名作「ビスカリア」の中国式ペンモデルです。シェーク版の優れた性能はそのままに、裏面打法を駆使する現代ペンホルダースタイルに最適化されています。フランスの若き天才、フェリックス・ルブラン選手が使用していることでも注目を集めています。フォアの強打と裏面での安定した攻撃を両立したい選手に最適です。
まとめ:最適な一本で、あなたの卓球はもっと楽しくなる
シェークハンドとペンホルダー、どちらが良い・悪いということはありません。それぞれに素晴らしい魅力と特性があります。重要なのは、自分のやりたい卓球、自分の身体的な特徴、そして何より「楽しい」と感じるスタイルに合ったラケットを選ぶことです。
シェークハンドは、安定感とバランスを重視し、オールラウンドに戦いたいあなたへ。
ペンホルダーは、一撃の威力を追求し、個性的なプレーで頂点を目指したいあなたへ。
この記事を参考に、ぜひ自分にぴったりの一本を見つけてください。最適なラケットは、あなたの卓球をさらにレベルアップさせ、もっと楽しいものにしてくれるはずです。
合同会社KUREBAについて
この記事は、合同会社KUREBAが運営するオウンドメディアがお届けしました。
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