静岡県富士市は、その名の通り日本一の山「富士山」の麓に広がる、豊かな自然と産業が共存する魅力的な街です。富士山から湧き出る清らかな水は、美しい景観や特産品、そして「紙のまち」としての産業を育んできました。
2025年、富士市とその周辺エリアは、定番の観光名所から最新のイベントまで、訪れる人々を飽きさせない多彩な魅力で溢れています。この記事では、地元を知り尽くした視点から、絶対に訪れたい観光スポット30選を厳選してご紹介します。絶景、レジャー、文化、グルメ、イベントまで、あなたの旅の目的や同行者に合わせて最適なプランを見つけるための完全ガイドです。
富士山を望む絶景スポット
富士市を訪れるなら、何と言っても富士山の絶景は外せません。季節や場所によって全く異なる表情を見せる富士山を、最高のロケーションで堪能できるスポットをご紹介します。
岩本山公園
富士市を代表する絶景スポットの一つが岩本山公園です。標高約193mの山頂に位置し、富士山はもちろん、駿河湾から伊豆半島、南アルプスまで一望できるパノラマビューが自慢です。特に春には約400本の梅と桜が咲き誇り、「富士山と梅・桜」という日本を象徴する風景を写真に収めようと多くの観光客で賑わいます。園内には芝生広場や展望台も整備されており、ピクニックにも最適です。（一財）富士市振興公社によると、梅は1月下旬から、桜は3月下旬からが見頃となります。
龍巌淵（りゅうがんぶち）
潤井川（うるいがわ）にかかる龍巌橋周辺は「龍巌淵」と呼ばれ、全国的にも有名な桜の名所です。川沿いに咲くソメイヨシノの並木、菜の花の黄色、そして背景に雄大な富士山が揃う景色は、まさに絵画のよう。宿泊予約サイト「じゃらん」が発表した「まるで絵画のような桜絶景ランキング」で全国1位に輝いたこともあり、その美しさは折り紙付きです。ウェザーニュースによると、例年の見頃は3月下旬から4月上旬。開花時期には多くのカメラマンや観光客で大変混雑します。
大淵笹場（おおぶちささば）
「富士山と茶畑」という静岡らしい風景を求めるなら、大淵笹場は外せません。なだらかな丘陵地に広がる緑鮮やかな茶畑と、その向こうにそびえる富士山のコントラストが見事なビュースポットです。特に新茶の季節である5月頃には、生き生きとした緑の茶畑が広がり、多くの写真愛好家を魅了します。地元有志による保全活動によって、この美しい景観が守られています。
富士川サービスエリア（上り）
東名高速道路にある富士川サービスエリア（上り）は、単なる休憩所ではありません。富士川を眼下に、遮るもののない雄大な富士山を望める絶景スポットとして知られています。特に観覧車「Fuji Sky View」からの眺めは格別で、約12分間の空中散歩で富士山のパノラマを独り占めできます。一般道からもアクセス可能な「ぷらっとパーク」が併設されているため、高速道路を利用しない場合でも気軽に立ち寄れます。
今宮の茶畑
大淵笹場と並び、富士市が誇る茶畑の絶景スポットが今宮の茶畑です。こちらは電線などの人工物が少なく、より自然な構図で富士山と茶畑の写真を撮影できると人気です。特に、茶畑の畝が描く曲線美と富士山の直線的な稜線の対比が美しく、訪れる人々を魅了します。
富士山登山ルート3776
アクティブな方に挑戦してほしいのが、富士市が設定した「富士山登山ルート3776（さんななななろく）」です。公式ウェブサイトによると、これは海抜0メートルの田子の浦港から富士山頂（標高3776メートル）を目指す、全長約42kmの壮大な登山ルートです。街中から始まり、茶畑を抜け、森を越えて山頂へと至る道のりは、富士市の自然、歴史、文化を全身で体感できるユニークな体験となるでしょう。全ルート踏破には3泊4日程度が推奨されています。
家族で一日楽しめる！レジャースポット
富士市およびその周辺には、子供から大人まで一日中楽しめる大型レジャー施設が充実しています。家族旅行や友人との思い出作りにぴったりのスポットをご紹介します。
富士山こどもの国
富士山の麓、広さ約94.5ヘクタール（東京ドーム約20個分）の広大な敷地を持つ自然公園です。「街」「草原の国」「水の国」の3つのエリアに分かれており、カヌー体験、動物とのふれあい、巨大な遊具、冬には雪遊びなど、自然を活かした多彩なアクティビティが楽しめます。公式サイトによると、入園料は大人830円、中学生410円、小学生200円とリーズナブル。一日では遊びきれないほどの魅力が詰まっています。
富士サファリパーク（裾野市）
富士市の隣、裾野市にある日本最大級のサファリパークです。マイカーや金網張りの「ジャングルバス」に乗って、ライオンやキリン、ゾウなどがのびのびと暮らすサファリゾーンを探検できます。特にジャングルバスでは、猛獣に間近でエサやりができ、その迫力は満点です。入園料は大人3,200円で、動物たちの生態を間近で観察できる貴重な体験ができます。
富士急ハイランド（山梨県富士吉田市）
絶叫マシン好きなら外せないのが、山梨県側にある富士急ハイランドです。「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車」など、世界クラスの絶叫コースターが揃っています。富士山を眺めながらスリルを味わうという、他ではできない体験が魅力です。2018年からは入園料が無料化され、アトラクションごとに料金を支払うシステムになったため、雰囲気を楽しむだけでも気軽に立ち寄れるようになりました。
御殿場プレミアム・アウトレット（御殿場市）
富士山が見える広大な敷地に、国内外の有名ブランド約290店舗が揃う日本を代表するショッピングリゾートです。ファッションだけでなく、グルメや雑貨、日帰り温泉施設「木の花の湯」も併設されており、ショッピングに興味がない方でも一日楽しめます。富士観光の拠点としても便利な立地です。
歴史と文化に触れるミュージアム・史跡
富士山信仰の中心地として、また東海道の要所として栄えた富士市周辺には、歴史の息吹を感じられる場所が数多く残っています。
富士山かぐや姫ミュージアム（富士市立博物館）
富士市は「竹取物語」の舞台の一つとされる伝承があり、それにちなんで名付けられた博物館です。「富士に生きる」をテーマに、富士市の歴史や民俗、自然に関する資料を展示しています。特筆すべきは、観覧料が無料であること。気軽に立ち寄って、富士市の奥深い文化に触れることができます。広見公園内にあり、散策も楽しめます。
小休本陣常盤邸（こやすみほんじんときわてい）
江戸時代、東海道の「岩淵宿」にあった大名などの休憩施設（小休本陣）です。安政の大地震以降に再建された建物が今も残っており、国登録有形文化財に指定されています。往時の旅人たちに思いを馳せながら、歴史ある建物の佇まいや庭園を静かに楽しむことができます。富士山かぐや姫ミュージアムの資料によると、開館日は原則として土・日・祝日なので、訪れる際はご注意ください。
富知六所淺間神社（ふじろくしょせんげんじんじゃ）
富士市浅間本町に鎮座する、由緒ある神社です。地元では「三日市浅間さん」の愛称で親しまれています。毎年5月3～5日に行われる例大祭は多くの人で賑わいます。富士山信仰の歴史を感じながら、静かな境内を散策するのもおすすめです。
富士山本宮浅間大社（富士宮市）
全国に1,300以上ある浅間神社の総本宮であり、富士山信仰の中心地です。富士山の噴火を鎮めるために祀られたのが起源とされ、徳川家康が寄進した壮麗な社殿は国の重要文化財に指定されています。境内には富士山の雪解け水が湧き出る「湧玉池」があり、国の特別天然記念物にもなっています。その神聖な雰囲気は、訪れるだけで心が洗われるようです。
白糸の滝（富士宮市）
国の名勝および天然記念物に指定されている、日本を代表する名瀑の一つです。幅約150メートルにわたり、大小数百の滝が絹糸のように流れ落ちる様は圧巻。富士山の雪解け水が溶岩の断層から湧き出しており、その透明度と清涼感は格別です。滝壺の近くまで行くと、マイナスイオンを全身で感じることができます。
2025年注目！富士市・周辺の季節イベント
富士市とその周辺では、四季折々の魅力を活かしたイベントが多数開催されます。2025年の旅行計画にぜひ組み込んでみてください。
春：絶景★富士山 まるごと岩本山（2月～4月）
岩本山公園で梅と桜の開花時期に合わせて開催されるロングランイベントです。富士市の公式サイトによると、2025年は2月1日から4月10日まで開催。期間中は夜桜ライトアップや地元のグルメが楽しめる「絶景富士山マルシェ」など、様々な企画が催されます。
春：富士のふもとの大博覧会（5月）
富士市、富士宮市、裾野市、御殿場市、小山町の富士山麓5市町が合同で開催する大規模な博覧会。通称「ふもと博」。2025年は5月24日・25日に「ふじさんめっせ」で開催されます。ご当地グルメコンテストやステージイベント、特産品の販売など、富士山麓の「いいもの」「おいしいもの」が大集合する、食いしん坊にはたまらないイベントです。
夏：富士まつり（7月）
富士市の夏を彩る最大級のイベント。2025年は「Make a move 2025! ～ みんなでつくる夏の一日 ～」をキャッチフレーズに、7月27日（日）に中央公園をメイン会場として開催されます。目玉は、1000人以上が参加する「市民総おどり」と、祭りのフィナーレを飾る盛大な花火大会です。市民が一体となって作り上げる熱気あふれる一日を体験できます。
夏：富士山麓の花火大会（8月）
山梨県側の富士五湖では、8月上旬に連日花火大会が開催されます。富士観光開発株式会社の情報によると、8月1日の山中湖「報湖祭」を皮切りに、西湖、本栖湖、精進湖、河口湖と続きます。湖畔に響き渡る花火の音と、湖面に映る美しい光の競演は幻想的です。
秋：田子浦みなと祭り（9月）
富士市の海の玄関口、田子の浦港で開催されるお祭りです。富士山観光交流ビューローによると、2025年は9月14日（日）に開催予定。新鮮な海の幸が味わえるグルメブースや、船の乗船体験など、港町ならではの企画が満載です。
冬：御殿場高原 時之栖イルミネーション（～3月上旬）
御殿場市にある「時之栖（ときのすみか）」で毎年開催される、静岡県を代表する冬のイルミネーションイベント。2024-2025シーズンは「ひかりのすみか」と題し、2025年3月9日まで開催されます。光のトンネルや噴水ショーなど、壮大で幻想的な光の世界が広がり、冬の夜をロマンチックに彩ります。
まだまだある！富士・富士宮エリアの魅力スポット10選
これまで紹介したスポット以外にも、富士市とその周辺には魅力的な場所がたくさんあります。ここでは、さらに10ヶ所をダイジェストでご紹介します。
- 須津川渓谷（すどがわけいこく）：富士市にある自然豊かな渓谷。夏には川遊びやバーベキューが楽しめ、大棚の滝は涼を求めるのに最適です。
- ふじ・紙のアートミュージアム：「紙のまち富士」ならではの、紙を素材としたアート作品を展示するユニークな美術館。入場無料です。
- 田子の浦港漁協食堂：田子の浦港で水揚げされた新鮮なしらすをたっぷり使った「生しらす丼」が名物。ここでしか味わえない絶品グルメです。
- 工場夜景：富士市は製紙工場をはじめとする工場が多く、夜には幻想的な工場夜景が楽しめます。特に岳南電車の車窓からや、ふじのくに田子の浦みなと公園からの眺めがおすすめです。
- 富士山本宮浅間大社周辺の商店街（富士宮市）：名物「富士宮やきそば」のお店が軒を連ね、食べ歩きが楽しいエリアです。
- 田貫湖（富士宮市）：富士山の全景を湖面に映す「逆さ富士」の名所。特に4月と8月の20日前後には、山頂から朝日が昇る「ダイヤモンド富士」が見られることで有名です。
- 朝霧高原（富士宮市）：パラグライダーや牧場体験など、広大な高原で様々なアクティビティが楽しめるエリア。
- 奇石博物館（富士宮市）：「奇石」をテーマにした世界でも珍しい博物館。美しい宝石から不思議な形の岩石まで、地球の神秘に触れられます。
- 富士山世界遺産センター（富士宮市）：富士山の歴史や文化、自然について学べる施設。逆さ富士をモチーフにした特徴的な建物も見どころです。
- 新倉山浅間公園（山梨県富士吉田市）：五重塔（忠霊塔）と富士山、そして春には桜という、日本の美を凝縮したような絶景が望める超人気スポットです。
まとめ：富士市の観光は計画的に楽しもう
ご紹介したように、2025年の富士市とその周辺エリアには、一年を通して楽しめる多彩な観光スポットやイベントが満載です。雄大な富士山の自然に癒やされ、歴史や文化に触れ、美味しいグルメに舌鼓を打つ。そんな充実した旅があなたを待っています。
しかし、これだけ魅力的な場所が多いと、「どこをどう回れば効率的か？」「自分の好みに合ったプランは？」と悩んでしまうかもしれません。特に、ウェブサイトやSNSでの情報発信は、観光客を惹きつける上で非常に重要です。
美しい写真や魅力的なキャッチコピーで観光地の情報を発信することは、訪問のきっかけを作る第一歩です。効果的なウェブサイトやLINE公式アカウントの活用は、集客を大きく左右します。
この記事を参考に、ぜひあなただけの富士旅行プランを立ててみてください。そして、最高の思い出を作ってください。
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