「もう会社に行きたくない…」そう思ったとき、あなたの代わりに退職の意思を伝えてくれる「退職代行サービス」。近年、その利用者は増加傾向にあり、2024年上半期には企業の約23.2%が退職代行を利用した従業員を経験しているという調査結果もあります。しかし、いざ利用を考えると「できるだけ費用は抑えたい」と思うのが正直なところでしょう。
一方で、「安すぎて逆に不安」「安かろう悪かろうで、トラブルに巻き込まれないか?」といった心配の声も少なくありません。実際に、料金の安さだけで選んだ結果、退職に失敗したり、予期せぬ追加料金を請求されたりするケースも存在します。
この記事では、退職代行サービスの料金相場を徹底解説するとともに、安くても信頼できるサービスの見極め方、そして具体的なおすすめサービスまで、2025年最新の情報を基に詳しくご紹介します。あなたの退職がスムーズかつ確実に成功するための、最適な選択をサポートします。
退職代行の料金相場:いくらからが「安い」のか?
退職代行サービスの料金は、1万円台から10万円以上と非常に幅広く、一概に「いくらが安い」と断言するのは困難です。この価格差を生む最大の要因は、サービスの「運営元」にあります。運営元は主に「民間企業」「労働組合」「弁護士」の3種類に大別され、それぞれ対応できる業務範囲と料金相場が異なります。
運営元別の料金相場とサービス範囲
運営元ごとの特徴を理解することが、適切なサービスを選ぶ第一歩です。以下の表で、それぞれの料金相場と主な業務範囲を比較してみましょう。
- 民間企業: 料金は1万円~5万円程度と最も安価です。しかし、業務範囲は「退職意思の伝達」という「使者」の役割に限定されます。有給休暇の取得や退職日の調整といった交渉事は一切できず、会社側が拒否すればそれ以上は対応できません。これらの交渉を行うと「非弁行為」という法律違反になる可能性があるためです。
- 労働組合: 料金相場は2万5,000円~3万円程度です。労働組合は、労働組合法に基づき「団体交渉権」を持っているため、有給消化や未払い賃金、退職日などに関する会社との交渉が可能です。民間企業よりは高価ですが、交渉まで含めて依頼したい場合のコストパフォーマンスは高いと言えます。
- 弁護士: 料金は5万円~10万円以上と高額になりますが、対応範囲は最も広範です。退職の意思伝達や交渉はもちろん、未払い残業代や退職金の請求、ハラスメントに対する慰謝料請求、損害賠償請求への対応など、あらゆる法的トラブルに対応可能です。会社との間で深刻な問題を抱えている場合に最も確実な選択肢となります。
雇用形態別の料金相場
サービスによっては、雇用形態によって料金を分けている場合もあります。一般的に、手続きの複雑さに応じて価格が設定されています。
- アルバイト・パート: 1万円~2万円程度。手続きが比較的簡単なため、安価に設定されていることが多いです。
- 正社員: 2万円~3万円程度。最も一般的な料金帯です。
- 公務員・業務委託: 3万円~5.5万円程度。退職規定が特殊であったり、契約内容が複雑であったりするため、料金は高めに設定される傾向があります。特に業務委託契約の解消は法的な論点が多く、弁護士への依頼が推奨されています。
これらの相場から考えると、正社員の場合、2万5,000円前後が一つの基準となり、これを下回るサービスは「安い」と判断できるでしょう。ただし、その安さがサービス内容の制限によるものでないか、慎重に見極める必要があります。
安さだけで選ぶのは危険!格安退職代行に潜む3つのリスク
「とにかく安ければいい」と飛びついてしまうと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。格安サービスに潜む代表的な3つのリスクを理解しておきましょう。
リスク1:希望通りに退職できない「非弁行為」問題
最も注意すべきは「非弁行為」のリスクです。弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で法律事務(交渉や和解など)を行うことは、弁護士法第72条で禁止されています。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件…その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い…を業とすることができない。
安価な民間企業の退職代行は、この法律により「退職の意思を伝える」ことしかできません。もし会社から「有給消化は認めない」「後任が見つかるまで辞めさせない」などと反論されても、代行業者は「承知しました」と引き下がるしかないのです。結果として、有給を消化できずに退職したり、希望の日に退職できなかったりする可能性があります。
最近では、一部の業者が非弁行為の疑いで摘発される事件も起きており、業者選びの重要性が増しています。
リスク2:退職失敗や追加料金のトラブル
また、「基本料金5,000円」などと安さを謳いながら、実際には「即日対応料」「交渉費用」といった名目で次々と追加料金を請求されるケースもあります。契約前には、必ず追加料金の有無を確認し、総額でいくらかかるのかを明確にすることが重要です。「追加料金一切なし」と明記している業者を選ぶのが安心です。
リスク3:悪質業者による詐欺や情報漏洩
料金が安すぎる業者は、運営実態が不透明な場合があります。実在しない会社を名乗っていたり、公式サイトに運営者情報が記載されていなかったりするケースは特に危険です。
このような業者に依頼すると、料金を支払っただけで何も対応してもらえない詐欺被害に遭うだけでなく、氏名や連絡先、勤務先といった個人情報が悪用されるリスクも考えられます。業者を選ぶ際は、運営会社の情報がきちんと公開されているか、信頼できる実績があるかを確認することが不可欠です。
【重要】安くても失敗しない!信頼できる退職代行サービスの選び方
では、安さと信頼性を両立したサービスはどのように見つければよいのでしょうか。以下の7つのポイントをチェックリストとして活用してください。
- 運営元は「労働組合」または「弁護士」か?
交渉が必要になる可能性を少しでも考えるなら、交渉権を持つ労働組合か、法的対応が可能な弁護士が運営するサービスを選びましょう。「弁護士監修」という表記だけでは交渉はできないため、「労働組合運営」または「弁護士法人運営」であることを確認するのが確実です。 - 料金体系は明確か(追加料金なし)?
公式サイトに「追加料金は一切かかりません」と明記されているかを確認しましょう。 - 退職成功率100%の実績があるか?
信頼できる多くのサービスは「退職成功率100%」を掲げています。わざわざそれ以外のサービスを選ぶ必要はありません。 - 十分な実績と良い口コミがあるか?
創業年数が長く、退職実績が豊富な業者は信頼性が高い傾向にあります。Googleマップの口コミやSNSなどで、実際に利用した人のリアルな声を確認しましょう。 - 返金保証や後払い制度があるか?
「万が一退職できなかった場合の全額返金保証」や、退職成功後に支払う「後払い制度」があれば、金銭的なリスクを大幅に軽減できます。 - 即日対応・24時間相談が可能か?
「明日からもう会社に行きたくない」という状況に対応できる「即日対応」や、深夜でも相談できる「24時間対応」は、精神的な負担を減らす上で重要なポイントです。 - 自分の状況に合ったサービス内容か?
有給消化の交渉、未払い給与の請求、転職サポートなど、自分が何を求めているかを明確にし、それに対応しているサービスを選びましょう。
【価格と信頼で比較】安いおすすめ退職代行サービス10選
上記の選び方を踏まえ、数あるサービスの中から「安さ」と「信頼性」のバランスに優れた退職代行サービスを10社厳選しました。各サービスの特徴を比較し、あなたに最適な選択肢を見つけてください。
1. 退職代行ガーディアン
料金:19,800円(税込)
運営元:東京労働経済組合(労働組合)
業界最安値クラスの19,800円という料金ながら、法適合の労働組合が運営するため、有給消化や退職日の調整といった会社との交渉が合法的に可能です。追加料金も一切なく、24時間365日、LINEや電話で相談できます。「安さと交渉力を両立させたい」という方に最もおすすめできるサービスの一つです。口コミでも「スピーディーに対応してくれた」「スムーズに辞められた」と高評価を得ています。
2. EXIT(イグジット)
料金:20,000円(税込)
運営元:EXIT株式会社(民間企業・弁護士監修)
退職代行サービスの草分け的存在で、メディア露出も多く知名度が高いサービスです。料金は雇用形態にかかわらず一律20,000円と安価で、2回目以降は10,000円で利用できるリピーター割引もあります。弁護士監修のもと運営されており、退職成功率100%を誇ります。交渉事はできませんが、「とにかく早く、確実に、安く辞めたい」という場合に適しています。
3. 退職代行OITOMA(オイトマ)
料金:24,000円(税込)
運営元:労働組合日本通信ユニオン
労働組合運営のサービスとしては比較的リーズナブルな24,000円で、追加料金なし、退職できなければ全額返金保証付きと安心の料金体系です。サポートの丁寧さに定評があり、「不安な気持ちに寄り添ってくれた」といった口コミが多く見られます。LINEで相談から退職完了まで進められる手軽さも魅力です。
4. 退職代行Jobs(ジョブズ)
料金:23,000円(税込)〜
運営元:株式会社アレス(民間企業・労働組合提携・弁護士監修)
弁護士監修と労働組合提携により、適法性を担保しながら会社との交渉も可能なサービスです。料金は23,000円からと手頃で、後払いにも対応しています。転職サポートや引越しサポートなど、退職後のフォローが充実している点も大きな特徴です。
5. 退職代行SARABA(サラバ)
料金:24,000円(税込)
運営元:退職代行SARABAユニオン(労働組合)
一律24,000円で、24時間365日対応、退職成功率ほぼ100%(失敗時全額返金保証)を謳う労働組合運営のサービスです。行政書士が監修した退職届のテンプレートを無料で利用できるなど、手続き面でのサポートも充実しています。
6. 退職代行トリケシ
料金:19,800円(税込)
運営元:日本労働産業ユニオン(労働組合)
ガーディアンと並ぶ19,800円という低価格が魅力の労働組合運営サービスです。すべての連絡がLINEのみで完結する手軽さが特徴で、電話が苦手な方でも安心して利用できます。転職や失業保険に関するサポートも提供しています。
7. スタイリード
料金:10,000円~20,000円(税込)
運営元:株式会社スタイリード(民間企業・弁護士監修)
雇用形態別の料金設定が特徴で、アルバイトなら10,000円、正社員でも20,000円と非常に安価です。安さにもかかわらず、退職成功率100%と全額返金保証を掲げており、コストを最優先したい方におすすめです。ただし、民間企業運営のため交渉はできません。
8. 辞めるんです
料金:27,000円(税込)
運営元:LENIS Entertainment株式会社(民間企業・労働組合提携)
業界で初めて「完全後払い制」を導入したことで知られています。退職が完了してから支払いが発生するため、「お金を払ったのに辞められなかったら…」という不安が一切ありません。労働組合とも提携しており、有給消化のサポートも行っています。
9. 退職代行モームリ
料金:12,000円~22,000円(税込)
運営元:株式会社アルバトロス(民間企業・労働組合提携)
アルバイト・パートなら12,000円、正社員でも22,000円というリーズナブルな価格設定です。労働組合と提携しているため、団体交渉も可能。失業保険給付サポートやメンタルクリニックの紹介など、アフターフォローが非常に充実しているのが特徴です。
10. 弁護士法人みやび
料金:55,000円(税込)~
運営元:弁護士法人みやび(弁護士事務所)
価格は高めですが、弁護士が直接対応するため、最も確実性が高いサービスです。未払い給与や残業代、退職金の請求(成功報酬として回収額の20%等が別途発生)や、会社から損害賠償を請求された場合など、法的なトラブルに完全に対応できます。「安さ」よりも「絶対的な安心感」と「金銭請求」を求める場合に最適です。
【状況別】あなたに最適な安い退職代行サービスの選び方
どのサービスが自分に合っているか迷ったら、自分の状況と要望を整理してみましょう。ここでは3つの典型的なケース別に、最適なサービスの選び方を解説します。
ケース1:とにかく安く、交渉事が不要な場合
「有給はもう使い切った」「特に会社と揉めていない」「ただ、自分で言い出すのが気まずいだけ」という方は、交渉権のない民間企業のサービスで十分な場合があります。この場合、料金の安さを最優先に選ぶことができます。
- おすすめの選択肢: EXIT, スタイリード など
- ポイント: 1万円台~2万円で依頼可能。ただし、万が一会社に引き止められた場合に対応できないリスクは理解しておく必要があります。
ケース2:有給消化や退職日の交渉をしたい場合
「残っている有給を全部消化してから辞めたい」「即日退職したいが、就業規則が気になる」など、会社との調整や交渉が必要な場合は、交渉権を持つ労働組合が運営するサービスが最適です。
- おすすめの選択肢: 退職代行ガーディアン, 退職代行OITOMA, 退職代行トリケシ など
- ポイント: 2万円前後で交渉まで依頼でき、コストパフォーマンスに優れています。多くのトラブルはこのレベルで解決可能です。
ケース3:未払い給与や慰謝料請求も考えている場合
「サービス残業代が支払われていない」「パワハラを受けていたので慰謝料を請求したい」といった金銭請求や法的な権利主張を伴う場合は、迷わず弁護士事務所が運営するサービスを選びましょう。
- おすすめの選択肢: 弁護士法人みやび, フォーゲル綜合法律事務所 など
- ポイント: 料金は高くなりますが、未払い賃金などを回収できれば、結果的に費用を上回る金額が手元に戻る可能性もあります。法的トラブルを確実に解決したい場合の唯一の選択肢です。
まとめ:安さだけでなく「信頼性」で選ぶことが成功の鍵
退職代行サービスを選ぶ際、費用を抑えたいと考えるのは自然なことです。実際に、2万円前後で交渉まで可能な、信頼できる格安サービスは数多く存在します。
しかし、最も重要なのは、安さという一面だけで判断しないことです。極端に安いサービスには、交渉ができない、退職に失敗する、悪質業者であるといったリスクが伴います。後悔しないためには、以下の3つのステップで慎重にサービスを選ぶことが不可欠です。
- 自分の状況を整理する:交渉は必要か?金銭請求はしたいか?
- 運営元を確認する:自分の要望に応えられるのは「民間企業」「労働組合」「弁護士」のどれか?
- 信頼性をチェックする:料金体系、実績、口コミ、返金保証などを総合的に比較検討する。
この記事で紹介した選び方のポイントとおすすめサービスを参考に、あなたの状況に最も合った「安くて信頼できる」一社を見つけ、ストレスのない新たな一歩を踏み出してください。

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