卓球の審判用品・スコアボード完全ガイド｜大会運営に必須のアイテム一覧

円滑な試合運営を支える審判用品の重要性

卓球の試合において、選手の白熱したプレーを支え、公正かつ円滑な進行を保証するのが審判員の役割です。そして、その審判員が能力を最大限に発揮するためには、適切な審判用品が欠かせません。審判台からスコアボード、個人の携帯する小物に至るまで、それぞれの用具が重要な役割を担っています。

特に2001年のルール改正で21点制から11点制へと移行して以降、試合展開はよりスピーディーになりました。これにより、観戦する側にとっても魅力的なスポーツへと変貌を遂げましたが、同時に審判員にはより迅速で正確な判断と試合管理が求められるようになりました。本記事では、大会の規模やレベルに応じて必要となる審判用品とスコアボードを網羅的に解説し、おすすめの製品もご紹介します。

審判台・副審判台：審判員の視点と機能性を確保する

公式な大会では、審判員が試合全体を正確に把握するための審判台が設置されます。主審と副審ではその役割が異なり、使用する台の機能も変わってきます。

主審判台

主審判台は、主審がコート全体を見渡せるよう、適切な高さが確保されていることが最も重要です。ネットの高さや選手のサービス、打球の判定などを正確に行うためには、視線の高さが鍵となります。また、長時間の試合でも疲れにくい座席の快適性や、記録用紙を置くためのテーブルが付いている製品が一般的です。

副審判台・得点板用スタンド

副審は、主に時間計測やスコアボードの管理を担当します。そのため、副審判台や得点板用スタンドには、スコアボードを見やすく設置できる機能や、予備のボール、タオル、記録ファイルなどを収納できるスペースが求められます。キャスター付きのモデルであれば、コートチェンジや設営・撤収の際の移動もスムーズです。

スコアボード（得点板）：試合状況を誰もが把握するために

スコアボードは、選手、審判、観客が試合の状況をリアルタイムで共有するための最も重要なツールです。手動式と電子式があり、用途や会場の規模によって使い分けられます。

手動式スコアボード（卓上タイプ）

地域の大会や練習試合で最も広く使われているのが、手動で数字の書かれた札をめくる卓上タイプのスコアボードです。軽量で持ち運びが容易なものが多く、各メーカーから様々な特徴を持つ製品が販売されています。

スコアボードの見方：一般的に、中央にある小さい数字がゲームカウント（0～5など）、両端の大きい数字が各ゲームのポイント（0～21など）を示します。

• バタフライ BHカウンター: オーソドックスなデザインで視認性が高く、持ち運びに便利なケースが付属しています。
• ニッタク JLカウンター: 「日本製（Japan）の軽い（Light）カウンター」を意味する名前の通り、約600gと軽量で審判員の負担を軽減します。
• ニッタク ビッグカウンター11: 幅50cmと大型で、広い会場でも観客からスコアが見やすいのが特徴です。
• VICTAS COUNTER: 傷がつきにくく丈夫なTPU素材を使用しており、耐久性に優れています。

電子式・デジタルスコアボード

国際大会や全国規模の大会では、視認性の高いLEDを使用した電子式スコアボードが主流です。リモコンで操作できるため、審判員は判定に集中できます。近年では、卓球に特化したモードやタイマー機能を備え、比較的手頃な価格のポータブルなデジタルスコアボードも登場しており、地方大会やクラブチームでも導入が進んでいます。

審判員個人の必須アイテム：アンパイアセット

審判台やスコアボードといった設備だけでなく、審判員が個人で携帯し、試合を管理するために必要な用具があります。これらはセットで販売されていることが多く、一つ持っておくと非常に便利です。

アンパイアセットの主な内容

• トスコイン: 試合開始前のサービス、レシーブ、エンド（コート）を決めるコイントスに使用します。
• レフェリーカード: 選手の不正行為や遅延行為に対して警告（イエローカード）や罰則（レッドカード）を提示するために使用します。タイムアウトを示すカードが含まれることもあります。
• ネットハイ: ネットの高さを測る用具です。ITTF（国際卓球連盟）のルールでは、ネットの高さを100gの力で測定する機能も求められます。
• ストップウォッチ: 練習時間（1分）、ゲーム間の休憩（1分）、タイムアウト（1分以内）など、様々な時間を正確に計測するために必須です。

おすすめのアンパイアセット

これらの必須アイテムが専用ポーチに一式まとまった「アンパイアセット」は、公認審判員を目指す方や、大会運営に携わる方にとって最初の選択肢となるでしょう。

意外と見落としがち？あると便利な審判用具

必須ではありませんが、持っていると審判活動が格段に快適になるアイテムもあります。

携帯用の折りたたみ椅子

特に選手同士が審判を行う「相互審判」や、審判の割り当てが多い日に便利なのが、軽量な折りたたみ椅子です。審判台が用意されていないコートで審判をする際や、試合の合間の待機時間に、地べたに座ることなく体力を温存できます。重さ300g程度の超軽量モデルもあり、荷物になりません。

まとめ：適切な用具選びが大会の質を高める

卓球の大会を成功させるためには、選手のプレー環境だけでなく、それを支える審判員の環境を整えることが不可欠です。審判台やスコアボードといった基本的な設備から、個々の審判員が使用するアンパイアセットまで、適切な用具を揃えることで、試合はよりスムーズに、そして公正に進行します。本記事で紹介したアイテムを参考に、大会のレベルや運営スタイルに合った用具を選び、大会全体の質の向上を目指してください。